TAINSメールニュース No.524 2021.06.03 発行(社)日税連税法データベース

2021年06月03日

【1】今週のお知らせ
(1)サービス停止のお知らせ
下記の日程でシステムメンテナンスを行うため、作業時間帯はすべての機能の
ご利用ができません。
会員の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご理解の程宜しくお願い申し上
げます。
日時:2021年6月4日(金) 午前0:00 ~ 午前0:05
(システム部長:水澤 裕)

(2)会員各位
平素は格別のご愛顧を賜り、誠にありがとうございます。

緊急事態宣言を受け、当社団職員の新型コロナウイルスへの感染リスクの軽減
と安全確保のために、緊急事態宣言該当期間終了までの間、営業時間を10時か
ら16時までに変更及び交代での在宅勤務を実施しております。

これに伴い、お問い合せは、当ホームページ最下部右にございますお問合せフ
ォームからの送信にてお願いいたします。また、回答まで時間を要する場合があ
ることをご了承ください。
なお、実施期間については、状況により更に延長を検討します。

会員の皆様には大変ご不便をおかけしておりますことをお詫び申し上げます。
何卒ご理解いただけますよう、よろしくお願いいたします。
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:小菅 貴子)
課税仕入れ該当性/輸出代行業者による商品購入の課税仕入れ
(令02-01-17 東京地裁 棄却 控訴 Z888-2316)
原告は、台湾に所在する小売業者が来日して日本の国内販売業者から買付け(
本件各売買)た商品を、原告を輸出者として輸出していました。本件は、原告が、
日本橋税務署長から、原告が「課税仕入れに係る支払対価の額」に算入した金額
の大部分は、台湾の小売業者が仕入れた商品に係る仕入金額であるとして、消費
税等の更正処分を受けるとともに、実際に仕入れていない商品を仕入れたかのよ
うに総勘定元帳に虚偽の記載をしたとして、重加算税の賦課決定処分を受けたと
いう事案です。裁判所は次のとおり判断し、原告の訴えを棄却しました。

商品の注文や代金の支払等の事実関係によれば、本件各売買のうち国内販売業
者との売買に関与していたのは、専ら台湾小売業者であり、また、国内販売業者
は、台湾小売業者を買主として取り扱っており、他方、原告を、買主ではなく、
購入された商品の輸出を代行する者であると取り扱っていたと認められるから、
本件各商品を仕入れたのは、台湾小売業者であると認められ、原告がこれらを仕
入れたと認めることはできない。原告は、台湾小売業者を通じて、国内販売業者
に、原告宛ての領収証を発行させており、虚偽の外形を補強する資料の作成をし
ていること、原告の前代表者は、税務調査において、原告は、委託買付けに係る
一連の業務のうち、輸出代行を行っているにすぎない旨述べていることに照らせ
ば、原告に事実の仮装についての故意があったことが優に認められる。
≪検索方法≫
〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】Z888-2316

TAINSメールニュース No.523 2021.05.27 発行(社)日税連税法データベース

2021年05月27日

【1】今週のお知らせ
(1)TAINS研修サイトの更新について
  研修サイトを更新し、名古屋税理士会より提供があった下記テーマを新たに追
 加いたしました。ログイン後、右上部「研修サイト」の文字をクリックすると画
 面が移動し、オンデマンド研修を受講できます。また、この研修は税理士会が実
 施する研修となり、視聴後に受講管理システムへのリンクボタンが表示され、受
 講時間を登録することができます(名古屋税理士会において既に視聴された方は、
 再度登録することはできません)。
         記
 【TAINSセミナー】消費税の誤りやすい事例(2021年4月21日収録)
   講  師   :熊王征秀(東京税理士会所属)
   コーディネータ:住吉 真(東京税理士会所属)
                         (事業部長:上田 健一)
 
(2)会員各位
  平素は格別のご愛顧を賜り、誠にありがとうございます。
 
  緊急事態宣言を受け、当社団職員の新型コロナウイルスへの感染リスクの軽減
 と安全確保のために、緊急事態宣言該当期間終了までの間、営業時間を10時か
 ら16時までに変更及び交代での在宅勤務を実施しております。
 
  これに伴い、お問い合せは、当ホームページ最下部右にございますお問合せフ
 ォームからの送信にてお願いいたします。また、回答まで時間を要する場合があ
 ることをご了承ください。
  なお、実施期間については、状況により更に延長を検討します。
 
  会員の皆様には大変ご不便をおかけしておりますことをお詫び申し上げます。
 何卒ご理解いただけますよう、よろしくお願いいたします。
                        (税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:草間 典子)
 受取配当益金不算入/資本剰余金と利益剰余金の双方を原資とする剰余金の配当
 (令03-03-11 最高裁 棄却・確定 Z888-2354)
 
  被上告人が、外国子会社から資本剰余金と利益剰余金を原資とする剰余金の配
 当を受け、資本剰余金を原資とする部分は資本の払戻しに、利益剰余金を原資と
 する部分は剰余金の配当として申告したところ、課税庁から効力発生日が同一で
 あることから配当全額が資本の払戻しに該当するとの更正処分を受けた事案です。
  最高裁は、下記のように、配当全体が法人税法24条1項3号(現行4号)に
 規定する資本の払戻しであると判断しています。
 
  法人税法24条1項3号は、資本の払戻しについて「剰余金の配当(資本剰余
 金の額の減少に伴うものに限る。)・・」と規定しており、これは、同法23条
 1項1号の規定する「剰余金の配当(・・資本剰余金の額の減少に伴うもの・・
 を除く。)」と対になったものであるから、このような両規定の文理等に照らせ
 ば、同法は、資本剰余金の額が減少する資本剰余金のみを原資とするもの及び利
 益剰余金と資本剰余金の双方を原資とするものについては24条1項3号の資本
 の払戻しに該当する旨を、利益剰余金のみを原資とするものについては23条1
 項1号の剰余金の配当に該当する旨をそれぞれ規定したものと解される。
  したがって、利益剰余金と資本剰余金の双方を原資として行われた剰余金の配
 当は、その全体が法人税法24条1項3号に規定する資本の払戻しに該当するも
 のというべきである。
 ≪検索方法≫
 〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】Z888-2354

TAINSメールニュース No.522 2021.05.20 発行(社)日税連税法データベース

2021年05月20日

【1】今週のお知らせ
 会員各位
  平素は格別のご愛顧を賜り、誠にありがとうございます。
 
  緊急事態宣言を受け、当社団職員の新型コロナウイルスへの感染リスクの軽減
 と安全確保のために、緊急事態宣言該当期間終了までの間、営業時間を10時か
 ら16時までに変更及び交代での在宅勤務を実施しております。
 
  これに伴い、お問い合せは、当ホームページ最下部右にございますお問合せフ
 ォームからの送信にてお願いいたします。また、回答まで時間を要する場合があ
 ることをご了承ください。
  なお、実施期間については、状況により更に延長を検討します。
 
  会員の皆様には大変ご不便をおかけしておりますことをお詫び申し上げます。
 何卒ご理解いただけますよう、よろしくお願いいたします。
                        (税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:依田 孝子)
  和解契約に基づく支払請求権の「課税財産」該当性と評価方法
 (平31-04-19 非公開裁決 一部取消し F0-3-683)
 
  この事案は、原処分庁が、和解契約に基づく和解金残額を請求できる権利(本
 件権利)は相続財産に含まれ、その評価額は和解金残額(評基通204)である
 として更正処分等を行ったことから、審査請求人らが、本件権利は条件未成就の
 停止条件付権利であるから相続税の課税対象とはならない、仮に課税対象になる
 としても評価額は零円であるとして、その取消しを求めたものです。
  審判所では、次のとおり判断し、更正処分等の一部を取り消しました。
 
  本件権利は、相続人が相続等により取得した財産であって、金銭に見積もるこ
 とができる経済的価値があることから、停止条件付債権であるか否かにかかわら
 ず、相続税法上、相続税の課税対象となる財産を構成することとなる。
  本件権利は、相続開始日後のB社の各事業年度の税引後利益に応じて和解金残
 額の支払を受けられる債権であり、和解金の支払に関しては無利息であったこと
 などからすると、本件権利は無利息の金銭債権に類似するものである。
  本件権利の相続開始日における現在価値を算定するに当たっては、相続開始日
 からそれぞれ支払期日まで個々に支払われる支払金ごとに、相続開始日から支払
 期日まで、各別に中間利息を控除する方法によって算定するのが合理的というべ
 きである(無利息の金銭債権の価額=支払を受ける金額×複利現価率)。
 ≪検索方法≫
 〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】F0-3-683

TAINSメールニュース No.521 2021.05.13 発行(社)日税連税法データベース

2021年05月13日

【1】今週のお知らせ
 会員各位
  平素は格別のご愛顧を賜り、誠にありがとうございます。
 
  緊急事態宣言を受け、当社団職員の新型コロナウイルスへの感染リスクの軽減
 と安全確保のために、緊急事態宣言該当期間終了までの間、営業時間を10時か
 ら16時までに変更及び交代での在宅勤務を実施しております。
 
  これに伴い、お問い合せは、当ホームページ最下部右にございますお問合せフ
 ォームからの送信にてお願いいたします。また、回答まで時間を要する場合があ
 ることをご了承ください。
  なお、実施期間については、状況により更に延長を検討します。
 
  会員の皆様には大変ご不便をおかけしておりますことをお詫び申し上げます。
 何卒ご理解いただけますよう、よろしくお願いいたします。
                        (税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:大高 由美子)
  弁護士法人の債務整理事業の担当者の報酬と横領行為による損失の認定
 (令02-07-14 東京地裁 棄却 Z888-2348)
 
  弁護士法人である原告が、各事業年度について、所得金額が過少であるとして、
 法人税の更正処分及び重加算税の賦課決定処分を受けたことから、その取消しを
 求める事案です。裁判所は次のとおり、原告の請求を棄却しました。
 
  原告の債務整理事業の事務局長をしていたCは、同事業の事務方の担当者であ
 るBが作成した精算書に基づき、Bに対して報酬額を支払っていた。原告は、そ
 の金額につき、B及びCが原告から横領したものであり、Bに対する支払手数料
 として損金に計上した点について更正処分には誤りがあり、違法であると主張す
 る。しかし、Bは原告から給料の支払はないものの、自らが担当する債務整理事
 業の売上の半分を受領するとの内容で原告において債務整理事業に係る業務を行
 っており、精算書に基づきBに対する報酬額を支払っていたことは原告も認識し
 ていたのであり、B及びCが原告から横領したものであるとはいえない。
  仮に、B及びCが原告から横領したものであったとしても、損金と同時に益金
 として加算されることになるから、更正処分と比較して益金の金額が増加するの
 みであり、更正処分に係る所得金額、納付すべき税額及び翌期へ繰り越す欠損金
 の額は、原告の主張を前提としたそれらを下回るから、更正処分が違法であると
 はいえない。
  代表社員であるA弁護士は、公表口座以外の預金口座を会計士に提供していな
 かったのであり、重加算税の賦課決定処分は適法である。
 ≪検索方法≫
 〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】Z888-2348

TAINSメールニュース No.520 2021.05.06 発行(社)日税連税法データベース

2021年05月06日

【1】今週のお知らせ
(1)TAINSだより
TAINSだより(2021年春号)を掲載いたしました。検索トップページ
の右下「TAINSだより」をクリックすると、閲覧できます。
(事業部長:上田 健一)

(2)編集長の三木が最高裁令和3年3月11日判決を安井教授と一緒に解説した
ビデオが公開されていますので、関心のある方はご覧下さい。
https://www.youtube.com/watch?v=J6Yt3Tu_4Ck(事実関係編)
https://www.youtube.com/watch?v=jFGiHMb8Oto(判決解説編)

(3)会員各位
平素は格別のご愛顧を賜り、誠にありがとうございます。

緊急事態宣言を受け、当社団職員の新型コロナウイルスへの感染リスクの軽減
と安全確保のために、下記の通り営業時間の変更及び交代での在宅勤務を実施す
ることとしました。

これに伴い、お問い合せは、当ホームページ最下部右にございますお問合せフ
ォームからの送信にてお願いいたします。また、回答まで時間を要する場合があ
ることをご了承ください。

会員の皆様には大変ご不便をおかけしますが、ご理解をいただきますようよろ
しくお願いいたします。

営業時間:午前10時~午後4時
期  間:2021年4月26日(月)~緊急事態宣言該当期間終了まで
なお、実施期間については、状況により延長を検討します。
(税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:市野瀬 啻子)
税理士報酬請求事件/「黙示の合意」がされている場合の相当報酬額
(令02-03-10 東京地裁 一部認容 Z999-0215)

本件は、原告税理士が、被告ら(被相続人の二女及び三女)を含む相続人らか
ら、相続税の申告等を依頼され、これを履行したにもかかわらず、被告らは一切
の金員の支払をしないとして、被告ら各自に対し、報酬請求として517万円余
の支払を求めた事案です。東京地裁は、次のように判示しました。

被告らは、報酬支払に関する合意自体がされていないと主張するが、本件委任
契約においては、相続人らが相当額の報酬を支払うとの黙示の合意がされたもの
と解される。そして、本件においては黙示の合意の存在しか認められないから、
原告が行った委任事務の難易、労力の程度、被告らとの関係性や旧税理士報酬規
定等その他諸般の状況を考慮することなどにより当事者の意思を推定し、相当報
酬額を算定するのが相当である。
本件委任契約につき、相続人全員に対して請求できる金額は、報酬の上限を規
定した旧税理士報酬規定の7割が相当である。遺産分割協議の立会い日当につい
ては、原告は、跡取りである長女に専ら与していたことが明らかであること等に
照らし、被告ら各自に請求することができる金額は各5万円とするのが相当であ
る。以上により、被告ら各自に対しては、申告報酬51万円と立会い日当5万円
に消費税を加算した60万4800円を請求することができる。
≪検索方法≫
〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】Z999-0215

TAINSメールニュース No.519 2021.04.22 発行(社)日税連税法データベース

2021年04月22日

【1】今週のお知らせ
(1)次号メールニュースは5月6日に配信します。
  次週4月29日は休日のため、メールニュース520号は5月6日に配信しま
 す。
 
(2)会員各位
  平素は格別のご愛顧を賜り、誠にありがとうございます。
 
  当社団職員の新型コロナウイルスへの感染リスクの軽減と安全確保のために、
 2021年4月30日(金)までの間、営業時間を10時から16時までに変更
 及び交代での在宅勤務を実施しております。
 
  これに伴い、お問い合せ等に対する電話対応を十分に行うことができない可能
 性がございます。
  問い合せについては可能な限りメールを優先していただくとともに、回答まで
 時間を要する場合があることをご了承ください。
  なお、実施期間については、状況により更に延長を検討します。
 
  会員の皆様には大変ご不便をおかけしておりますことをお詫び申し上げます。
 何卒ご理解いただけますよう、よろしくお願いいたします。
                        (税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:藤原 眞由美)
  無道路の農地の評価~「評価通達により難い特別の事情」で納税者勝訴~
 (令02-10-09 東京地裁 全部取消し 確定 Z888-2344)
 
  相続により市街地農地を取得した原告が、相続税に関し更正の請求をしたとこ
 ろ、荻窪税務署長から減額更正処分を受けたことから、土地の評価につき評価通
 達(平成27年改正前)により難い特別の事情があるか否かについて争った事案
 です。本件土地は、無道路の広大な農地であり、北側以外は生産緑地です。
  東京地裁は、原告の不動産鑑定評価書等による通路に相当する部分の買取費用
 や造成工事費等を認め、特別の事情があると判断して処分を取り消しました。
 
  評価通達の定めは、一般的には合理性を有するものと認められるが、宅地に転
 用するのに、評価通達40-2や24-4の定めが想定する程度を著しく超える
 宅地造成費等(建築基準法上の道路まで通路を開設するのに必要な費用を含む。
 )を要するような場合には、評価通達により難い特別の事情があると解される。
  本件土地を宅地として造成するのに必要な費用は、道路提供土地買取価格、造
 成工事費、倉庫取壊費用の合計5058万5611円となる。
  本件土地は、宅地転用に当たり、評価通達40-2や24-4の定めが想定す
 る2052万6444円程度を著しく超える5058万5611円(評価通達ベ
 ース額である80%に引き直して4046万7488円)の宅地造成費等を要す
 るのであるから、評価通達により難い特別の事情があると認めるのが相当である。
 ≪検索方法≫
 〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】Z888-2344

TAINSメールニュース No.518 2021.04.15 発行(社)日税連税法データベース

2021年04月15日

【1】今週のお知らせ
 会員各位
  平素は格別のご愛顧を賜り、誠にありがとうございます。
 
  2021年4月16日(金)までを予定しておりました当社団職員の新型コロ
 ナウイルスへの感染リスクの軽減と安全確保の対策ですが、現状を鑑み、2021
 年4月30日(金)まで延長させていただくこととなりました。
  引き続き、営業時間を10時から16時までに変更及び交代での在宅勤務を実
 施いたします。
 
  これに伴い、お問い合せ等に対する電話対応を十分に行うことができない可能
 性がございます。
  問い合せについては可能な限りメールを優先していただくとともに、回答まで
 時間を要する場合があることをご了承ください。
  なお、実施期間については、状況により更に延長を検討します。
 
  会員の皆様には大変ご不便をおかけしておりますことをお詫び申し上げます。
 何卒ご理解いただけますよう、よろしくお願いいたします。
                        (税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:岩崎 宇多子)
  自筆証書遺言の日付が真実遺言の成立した日と相違する場合~遺言無効確認~
 (令03-01-18 最高裁 破棄差戻し Z999-5426)
 
  亡A(平成27年5月13日死亡)が作成した平成27年4月13日付け自筆
 証書(本件遺言書)による遺言(本件遺言)について、被上告人ら(Aの妻及び
 同人とAとの間の子ら)が、本件遺言書に本件遺言が成立した日と相違する日の
 日付が記載されているなどと主張して、上告人ら(Aの内縁の妻及び同人とAと
 の間の子ら)に対し、本件遺言が無効であることの確認等を求める事案です。
  原審は、「本件遺言は、本件遺言書に真実遺言が成立した日と相違する日の日
 付が記載されているから無効である。」と判断して、被上告人らの本訴請求を認
 容しましたが、最高裁判所は、本件遺言を無効とした原審の上記判断は是認する
 ことができないとし、更に審理を尽くさせるため原審に差し戻しました。
 
  民法968条1項が、自筆証書遺言の方式として、遺言の全文、日付及び氏名
 の自書並びに押印を要するとした趣旨は、遺言者の真意を確保すること等にある
 ところ、必要以上に遺言の方式を厳格に解するときは、かえって遺言者の真意の
 実現を阻害するおそれがある。したがって、Aが、入院中の平成27年4月13
 日に本件遺言の全文、同日の日付及び氏名を自書し、退院して9日後の同年5月
 10日に押印したなどの本件の事実関係の下では、本件遺言書に真実遺言が成立
 した日と相違する日の日付が記載されているからといって直ちに本件遺言が無効
 となるものではないというべきである。
 ≪検索方法≫
 〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】Z999-5426

TAINSメールニュース No.517 2021.04.08 発行(社)日税連税法データベース

2021年04月08日

【1】今週のお知らせ
 会員各位
  平素は格別のご愛顧を賜り、誠にありがとうございます。
 
  当社団職員の新型コロナウイルスへの感染リスクの軽減と安全確保のために、
 2021年4月16日(金)までの間、営業時間を10時から16時までに変更
 及び交代での在宅勤務を実施しております。
 
  これに伴い、お問い合せ等に対する電話対応を十分に行うことができない可能
 性がございます。
  問い合せについては可能な限りメールを優先していただくとともに、回答まで
 時間を要する場合があることをご了承ください。
  なお、実施期間については、状況により更に延長を検討します。
 
  会員の皆様には大変ご不便をおかけしておりますことをお詫び申し上げます。
 何卒ご理解いただけますよう、よろしくお願いいたします。
                        (税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:小菅 貴子)
  消滅時効の起算日/相続時精算課税に係る贈与税相当額の還付金請求権
 (令02-03-10 東京地裁 棄却 控訴 Z888-2323)
  原告は、本件相続について相続税の申告義務がある者に該当しないが、相続時
 精算課税に係る贈与税相当額の還付を受けるため、相続税の申告書を提出したと
 ころ、税務署から、その還付金請求権は、相続開始日の翌日から起算して5年を
 経過しており、時効により消滅している旨の連絡を受けました。
  本件は、原告が本件還付金請求権の時効期間は、相続税の法定申告期限の翌日
 から起算すべきであると主張し、当該還付金の支払を求める事案です。裁判所は
 次のとおり判断し、原告の請求を棄却しました。

  相続時精算課税に係る贈与税相当額の還付金請求権は、国税通則法74条1項
 所定の「還付金等に係る国に対する請求権」に該当するところ、同項は、当該請
 求権は、「その請求をすることができる日から5年間行使しないことによって、
 時効により消滅する。」と規定している。そして、同項所定の「その請求をする
 ことができる」とは、法律上権利行使の障害がなく、権利の性質上、その権利行
 使が現実に期待のできるものであることを要すると解するのが相当である。
  相続税法上、同還付金請求権について申告期限の定めはないところ、相続の開
 始時に相続税の納税義務が発生する一方で、同還付金請求権がある場合には、そ
 の額の算定も可能となるから、同還付金請求権に係る同項所定の「その請求をす
 ることができる日」は、相続開始の日と解すべきである。
 ≪検索方法≫
 〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】Z888-2323

TAINSメールニュース No.516 2021.04.01 発行(社)日税連税法データベース

2021年04月01日

【1】今週のお知らせ
 会員各位
  平素は格別のご愛顧を賜り、誠にありがとうございます。
 
  2021年4月2日(金)までを予定しておりました当社団職員の新型コロナ
 ウイルスへの感染リスクの軽減と安全確保の対策ですが、現状を鑑み、2021
 年4月16日(金)まで延長させていただくこととなりました。
  引き続き、営業時間を10時から16時までに変更及び交代での在宅勤務を実
 施いたします。
 
  これに伴い、お問い合せ等に対する電話対応を十分に行うことができない可能
 性がございます。
  問い合せについては可能な限りメールを優先していただくとともに、回答まで
 時間を要する場合があることをご了承ください。
  なお、実施期間については、状況により更に延長を検討します。
 
  会員の皆様には大変ご不便をおかけしておりますことをお詫び申し上げます。
 何卒ご理解いただけますよう、よろしくお願いいたします。
                        (税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:草間 典子)
  仕入税額控除/従業員から外注先に変更になった塗装作業員に支払った報酬
 (令03-02-26 東京地裁 棄却 Z888-2352)
 
  原告が従業員から外注先に変更になった作業員に支出した金員について、「給
 与等」に該当し、仕入税額控除の対象とならないのかが争われた事案です。
  東京地裁は、支払を受けた役務の提供の対価が出来高払いの給与であるか請負
 による報酬であるかの区分が明らかでないときは、消費税法基本通達1-1-1
 に掲げる((1)非代替性、(2)指揮監督性、(3)危険負担、(4)材料等
 の支給)を参考に総合勘案して判定するとしました。4項目のうちの指揮監督性
 に着目し、次のように判断して納税者の請求を棄却しています。
 
  本件各作業員は、作業日、作業内容や作業時間を自由に決めることはなく、原
 告から作業先を割り振られ、そこで、受注先の現場監督等の指示に従って作業を
 行っていた。これは、原告の従業員であった時期のそれと同様であった。
  本件各作業員は、本件支出金が支出されていた間も、従業員であった時期と同
 様に、原告から空間的、時間的な拘束を受け、原告の指揮命令に服し、原告に対
 して継続的ないし断続的に労務又は役務を提供していたものというべきであり、
 このことは、本件支出金の「給与等」該当性判断において最も重視されなければ
 ならない。本件支出金は、「給与等」に該当するから、消費税法2条1項12号
 にいう「課税仕入れ」に当たらず、仕入税額控除の対象とならない。
 ≪検索方法≫
 〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】Z888-2352

TAINSメールニュース No.515 2021.03.25 発行(社)日税連税法データベース

2021年03月25日

【1】今週のお知らせ
会員各位
平素は格別のご愛顧を賜り、誠にありがとうございます。

当社団職員の新型コロナウイルスへの感染リスクの軽減と安全確保のために、
2021年4月2日(金)までの間、営業時間を10時から16時までに変更及
び交代での在宅勤務を実施しております。

これに伴い、お問い合せ等に対する電話対応を十分に行うことができない可能
性がございます。
問い合せについては可能な限りメールを優先していただくとともに、回答まで
時間を要する場合があることをご了承ください。
なお、実施期間については、状況により更に延長を検討します。

会員の皆様には大変ご不便をおかけしておりますことをお詫び申し上げます。
何卒ご理解いただけますよう、よろしくお願いいたします。
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:依田 孝子)
小規模宅地特例における生計一要件の該当性~成年後見人の事業用宅地~
(令02-12-02 横浜地裁 棄却 控訴 Z888-2343)

丙の相続人である甲(丙の甥・養子)は、甲が大工業の用に供している土地を
丙から相続し、甲が丙の成年後見人であったことなどから、小規模宅地等の特例
(本件特例)を適用し、相続税の申告をしましたが、藤沢税務署長から、丙と甲
は「生計を一にしていた」とは認められず、本件特例を適用することはできない
として、相続税の更正処分等を受けました。本件はその取消しを求めるものです。
裁判所では、次のとおり判断し、本件特例は適用できないとしました。

日常の生活費の管理状況、甲と丙は同居していないこと、甲は丙を扶養親族と
していないことなどから、甲と丙とは、居住費、食費、光熱費、その他日常の生
活に係る費用の全部又は主要な部分を共通にしていた関係にはなく、日常生活の
糧を共通にしていたとはいえず、「生計を一にしていた」とは認められない。
原告(甲、その訴訟承継人乙)は、甲が、丙の成年後見人となっていたという
特殊性を考慮すれば、日常の生活の糧を共通にしていたといえ、生計一要件を充
足するものと解すべきであると主張するが、原告が主張する甲の丙に対する生活
面での種々の貢献や丙の成年後見人としての財産管理は、甲の丙に対する成年後
見人としての報酬請求権や本件相続における甲の寄与を基礎付けるものではあっ
ても、宅地等の処分の制約や担税力の減少を基礎付けるものとはいえず、原告の
主張する事情は、生計一要件を基礎付けるものであるとはいえない。
≪検索方法≫
〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】 Z888-2343