2025年01月23日
【1】今週のお知らせ
(1)誤りやすい事例集(東京)を収録いたしました。
東京国税局が実務で誤りやすいポイントをまとめた資料の収録が完了いたしま
した。
「TAINSコード」に以下の各コードを入力で検索いただけます。
所得事例東京局R0612
消費事例東京局R0612
(2)収録した判決の一部を紹介します。
【法人税】
・R06-05-29 福岡地裁 棄却 Z888-2706
寄附金と課税仕入れ/倉庫建築に伴い整地工事代金として下請業者に支払われ
た金員
URL:https://app6.tains.org/search/detail/63480
・R06-12-12 最高裁 棄却、不受理、確定 Z888-2704
上告棄却・不受理/役員給与の不相当に高額/主たる事業はファブレス事業か
URL:https://app6.tains.org/search/detail/63475
(税法データベース編集室)
(3)TAINSだより
TAINSだより(2025年新年号)を掲載いたしました。
≪特別寄稿≫所得課税は形式課税か
―最高裁令和5年11月6日判決(みずほ銀行事件)―
(大阪府立大学名誉教授 田中 治)
ログイン後「TAINSだより」よりダウンロードすると閲覧できます。
https://app6.tains.org/search/tains_news
(広報部長:上田 健一)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:市野瀬 啻子)
「台風によるマンションの価値の減少」に雑損控除の規定は適用されません!
(令06-01-23 東京地裁 棄却・控訴 Z888-2678)
マンションの一室を所有する原告は、台風により同マンションの価値が減少し
たことによる損失(被災直前の時価から被災直後の時価を控除した984万円)
が生じたとして、雑損控除の規定を適用して令和元年分の所得税等に係る確定申
告をしたところ、川崎北税務署長から雑損控除の適用はないことを理由に更正処
分を受けました。本件マンションは、台風により、り災場所を「地下発電設備」
とし、住家等の被害を「非住家浸水」とする被害を受けています。
東京地裁は、次のように判示して、原告の請求を棄却しました。
所得税法72条(雑損控除)1項の「損失」とは、通常、再取得又は修繕等を
行うことにより原状回復が可能である物理的損害をいい、物理的な被害から直接
生じたものではない損害は「損失」に当たらないと解するのが相当である。
本件マンションについて、「資産について受けた損失の金額」と災害関連支出
の金額の合計額は、最大でも3億2665万円であり、ここから保険金等補填金
額である3億3333万円を差し引くと、その金額は零円を下回る。そして、被
災設備等は共用部分に該当し、原告の持分に係る雑損控除対象損失金額も零円を
下回る上、原告専有部分には台風による物理的な被害があったとは認められない
から、原告に雑損控除対象損失金額が生じたとは認められない。
URL: https://app6.tains.org/search/detail/63059