TAINSメールニュース No.686 2024.09.05 発行(一社)日税連税法データベース

2024年09月05日

【1】今週のお知らせ
収録した裁決の一部を紹介します。
【相続税】
・R04-12-22 裁決 全部取消し F0-3-885
調査の違法性/相続財産の範囲/死因贈与による取得か生前贈与による取得か
URL:https://app6.tains.org/search/detail/62728

【所得税】
・R05-02-02 裁決 棄却 F0-1-1625
「給与等」該当性/法人の代表者に対して支出した仮払金等
URL:https://app6.tains.org/search/detail/61758
・R05-02-01 裁決 棄却 F0-1-1628
重加算税/内容虚偽の領収書を添付した寄附金控除
URL:https://app6.tains.org/search/detail/61867
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:藤原 眞由美)
マンション購入時に売主から受けた「修繕積立基金」は一時所得に該当!
(令05-05-19 非公開裁決 全部取消し F0-1-1613)

請求人は、居住用マンション(本件物件)を購入した際に売主から修繕積立基
金の負担(本件費用負担)を受けましたが、これを総所得金額に含めずに所得税
等の確定申告をしました。本件は、原処分庁が、この売主の負担は経済的利益で
あり、雑所得に該当するとして更正処分等を行ったことにより争われた事案です。
審判所は、売買契約及び合意において、本件費用負担は、売買契約の目的物で
ある本件物件とは別であり、合意により外部から本件費用負担に係る経済的価値
(本件経済的利益)の流入があったというべきであり、所得税法第36条第1項
括弧書「金銭以外の物又は権利その他経済的な利益」が生じていると認定した上
で、所得区分については次のように判断しました。

本件経済的利益は、営利を目的とする継続的行為から生じたものとは認められ
ない。本件合意により請求人が無償で本件費用負担を受けたものであり、具体的
な役務行為に関連してされたものとは認められない。以上からすれば、本件経済
的利益は、非継続要件及び非対価要件を満たしており、一時所得に該当する。
また、本件経済的利益は、本件物件の購入において当然にその発生が予定され
ていたものではなく、請求人及び売主による売買契約及び本件合意に至る交渉の
結果、1回限りのものとして、偶発的に生じたものであったというべきであって、
一時的又は偶発的なものであるという一時所得の性質に反するものではない。
URL:https://app6.tains.org/search/detail/62360