2024年08月01日
【1】今週のお知らせ
収録した判決の一部を紹介します。
【所得税】
・R05-07-07 最高裁 棄却、不受理、確定 Z888-2579
上告棄却・不受理/不当利得返還請求(修正申告の無効)/発行会社への株式
譲渡(みなし配当)
URL:https://app6.tains.org/search/detail/62317
・R05-01-27 最高裁 棄却、確定 Z888-2569
上告棄却/給与所得の収入金額/給与等の一部が差し押えられた場合
URL:https://app6.tains.org/search/detail/61980
・R05-05-10 最高裁 棄却、確定 Z888-2583
上告棄却/給与所得の収入金額/滞納国税に係る差押相当額を控除することの
可否
URL:https://app6.tains.org/search/detail/62294
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:市野瀬 啻子)
米国で組成したLLPは外国法人、その利益は雑所得と認定された事例
(令05-03-01 非公開裁決 一部取消し F0-1-1587)
法律事務所を営む請求人は、米国において組成したLLP(リミテッド・ライ
アビリティー・パートナーシップ)の事業活動から生じた所得を含めずに申告し
たところ、原処分庁から、本件LLPは任意組合等に該当し、パス・スルー課税
が適用されるとして、その所得を事業所得とする更正処分を受けました。
これに対し、請求人は、本件LLPは外国法人に該当し、その利益は配当所得
になる、また、請求人は所得税法上の非永住者に該当すると主張しています。
国税不服審判所は、本件LLPは、外国法人に該当するが、その利益は配当所
得ではなく雑所得となる。そして、その所得は、非永住者以外の居住者として得
た所得として、その全てが所得税等の課税対象になると判断しました。
請求人は国内に住所を有する居住者であり、過去10年以内において国内に住
所等を有していた期間の合計が5年を超えているから、非永住者には該当しない。
本件LLPは、設立根拠法令である州PS法等の定めによると、自ら法律行為
の当事者となることができ、かつ、その法律効果がLLPに帰属するものという
ことができるから、権利義務の帰属主体と認められ、我が国の租税法上の法人に
該当し、所得税法2条1項7号等に規定する外国法人に該当する。
本件LLPとパートナーとの間において、LLP契約に定める分配は省略され
ていたのであるから、当該利益は配当所得には該当しない。当該利益の額は、純
利益と資本割合によって自動的に定まるものであるから、雑所得に該当する。
URL: https://app6.tains.org/search/detail/62150