TAINSメールニュース No.609 2023.03.02 発行(社)日税連税法データベース

2023年03月02日

【1】今週のお知らせ
 誤りやすい事例集(大阪国税局作成)を収録いたしました。
  大阪国税局が実務で誤りやすいポイントをまとめた資料の収録が完了いたしま
 した。
  〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSコード】に以下の各コードを入力
 で検索いただけます。
 
  譲渡事例大阪局R041101
  譲渡事例大阪局R041102
  贈与事例大阪局R041100
                        (税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:草間 典子)
  試験研究費の特別控除/期限後に行われた移転試験研究費等に係る認定申請等
 (令03-09-09 東京地裁 棄却 Z888-2430)
 
  A社とB社は吸収分割契約を締結し、A社の事業の一部がB社に承継されまし
 た。この移転した事業には移転試験研究費の額が存在せず、A社は移転試験研究
 費等に係る認定申請を、A社及びB社は、その適用に係る届出を期限内に所轄税
 務署長に行っていませんでした。本件は、所轄税務署長が、B社に対し全額加算
 方式を適用して試験研究費の特別控除額を計算し、法人税等の更正処分等を行っ
 た事案です。東京地裁は、B社を吸収合併して訴訟承継人となったA社の請求を
 棄却し、続く東京高裁(Z888-2447)もA社の控訴を棄却しています。
 
  分割法人に生じた試験研究費の額のうち、移転事業における移転試験研究費の
 額とそれ以外の事業に係る試験研究費の額との区分は、分割法人でなければ適切
 に行えないところ、分割法人による区分が恣意的に行われないようにするために
 は、所轄税務署長によってその区分が合理的な方法に従って行われたものである
 か否かを認定する必要がある。また、特別控除の額の算定は、分割法人及び分割
 承継法人において相互に矛盾しないように行う必要があるから、分割法人及び分
 割承継法人の全てがそれぞれ所轄税務署長に対して届出を要するものとしている
 ものである。租税特別措置法施行令27条の4が、移転分加算方式の適用を受け
 るために認定及び届出を要するものとし、これらを欠く場合には全額加算方式が
 適用されることとしたことは、合理的なものである。
 《検索方法》
 〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】Z888-2430