2022年10月13日
【1】今週のお知らせ
(1)公表裁決事例を収録いたしました。
国税不服審判所のホームページに掲載された、令和4年1月から3月分の公表
裁決事例の収録が完了いたしました。
≪検索方法≫
〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】★裁決事例集126集
(2)収録した判決の一部を紹介します。
【法人税】
・R04-03-10 東京高裁 棄却・確定 Z888-2428
移転価格税制/残余利益分割法/重要な無形資産以外の要因を考慮することの
可否
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:市野瀬 啻子)
駐車場収入の帰属/親子間の土地使用貸借契約/高裁で逆転判決
(令04-07-20 大阪高裁 原判決取消し 確定 Z888-2426)
亡甲(一審原告)は、子ら(長男及び長女)との間で、各土地の使用貸借契約
を締結し、駐車場収入は子らに帰属するものとして申告したところ、処分行政庁
から、駐車場収入は亡甲に帰属するとして更正処分を受けました。大阪地裁は、
亡甲の請求を認容しましたが、大阪高裁は、次のように判示して、駐車場の収益
は、土地の所有者である亡甲に帰属すると判断しました。
親子間での土地の使用貸借契約は有効に成立していると認められる。しかし、
本件各取引は、亡甲の相続税対策を主たる目的として、土地の所有権はあくまで
も亡甲が保有することを前提に、土地による所得を子らに形式上分散する目的で、
同人らに対して使用貸借契約に基づく法定果実収取権を付与したものにすぎない
ものと認められる。したがって、たとえ、本件各取引後、駐車場の収益が子らの
口座に振り込まれていたとしても、そのように亡甲が子らに対する土地の法定果
実収取権の付与を継続していたこと自体が、亡甲が所有権者として享受すべき収
益を子に自ら無償で処分している結果であると評価できるのであって、やはりそ
の収益を支配していたのは亡甲というべきであるから、駐車場の収益については、
子らは単なる名義人であって、その収益を享受せず、亡甲がその収益を享受する
場合に当たるというべきである。
≪検索方法≫
〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】 Z888-2426