2022年06月30日
【1】今週のお知らせ
(1)公表裁決事例を収録いたしました。
国税不服審判所のホームページに掲載された、令和3年10月から12月分の
公表裁決事例の収録が完了いたしました。
≪検索方法≫
〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】★裁決事例集125集
(2)収録した裁決を紹介します。
【所得税】
・R04-01-26 裁決 棄却 F0-1-1284
更正の請求/通則法23条1項の規定に該当する事由の有無
【地方税】
・R04-03-31 裁決 認容 F0-7-047
固定資産税等の賦課処分の違法性及び不当性/住宅の認定基準の要件充足性
(税法データベース編集室)
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【2】今週の判決等 (税法データベース編集室:市野瀬 啻子)
みなし譲渡(土地の時価)/みなし贈与(著しく低い価額の対価)
(令02-10-23 東京地裁 一部認容・棄却 控訴 Z270-13473)
本件は、亡Dの相続人である原告A、原告B及び亡Dから不動産の譲渡を受け
た原告C社が、その譲渡は低額譲渡であったとして、所得税、相続税、法人税等
につきそれぞれ更正処分等を受けた事案です。飯田税務署長は、不動産の価額を
4億0840万円と評価しています。東京地裁は、不動産の評価単位を7区分し
た上で、評価通達を準用した方法により時価を2億3489万円余と算定し、各
税目について、次のように判示しました。
本件譲渡に係る売買代金1億2000万円は、各不動産の譲渡時点における評
価額2億3489万円余の2分の1(1億1744万円余)に満たない金額とは
いえないから、本件譲渡に所得税法59条1項2号を適用することはできない。
相続税法9条の関係においては、本件時価(公示価格水準)の80%程度あれ
ば、「著しく低い価額の対価」とはいえないと解されるが、本件譲渡の対価1億
2000万円は不動産評価額の約51.1%であるから、所得税法とは異なり、
「著しく低い価額の対価」で利益を受けさせたものに当たると解され、本件譲渡
によるC株式(原告B保有)の増加益は、原告Bが亡Dから贈与により取得した
ものとみなして相続税の課税価格に加算されることとなる(相基通9-2)。
本件譲渡は、原告C社が、時価に比して低い価額で各不動産の譲渡を受けたも
のであるから、その差額を受贈益として原告C社の益金に加算すべきである。
≪検索方法≫
〔細かい条件を指定して検索〕【TAINSキーワード】 Z270-13473