TAINSメールニュース No.434 2019.10.24 発行(社)日税連税法データベース

2019年10月24日

【1】今週のお知らせ
収録した判決・裁決の一部を紹介します。
【所得税】
・H30-11-27 福岡高裁 棄却、確定 Z888-2265
所得区分/債権譲受会社との合意に基づく債務免除益/不動産貸付業
・H30-05-15 裁決 棄却 F0-1-938
重加算税/学習塾経営業及び不動産賃貸業
・H30-04-20 裁決 棄却 F0-1-985
雑損控除/「横領損失」該当性
・H30-04-10 裁決 棄却 F0-1-943
海外法人から受領する金員の所得区分/税務相談と信義則

【法人税】
・H31-03-14 東京高裁 棄却、上告 Z888-2252
青色取消しと国家賠償請求/みなし解散の登記による2事業年度連続の期限後
申告
・H30-07-18 裁決 棄却 F0-2-874
損金の額/繰越欠損金と青色申告承認申請書の提出

【相続税】
・R01-05-14 東京地裁 棄却 Z888-2258
株式評価/類似業種比準方式/クレーン車売却益の「非経常的な利益」該当性
(税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:藤原 眞由美)
組織再編成に係る行為計算否認~特定資本関係5年超要件を満たす適格合併~
(令01-06-27 東京地裁 棄却・控訴 Z888-2251)

本件は、自動車部品等の製造・販売を行う原告が、その完全子会社(旧子会社
)を被合併法人とする適格合併を行い、その子会社が有していた未処理欠損金額
を法人税法57条2項の適用により原告の欠損金額とみなして損金に算入して法
人税の確定申告をしたところ、処分行政庁から、同法132条の2の適用により
更正処分等を受けたことから、これらの一部の取消しを求めた事案です。
争点は、同法132条の2による未処理欠損金額の損金算入の否認が適法であ
るか否かですが、東京地裁は、平成28年2月29日最高裁判例(Z266-1
2813・ヤフー事件)を参照して検討した上で、次のとおり判断しました。

本件合併は、通常想定されない組織再編成の手順や方法に基づくものであり、
実態とはかい離した形式を作出するものであって、その態様が不自然なものであ
ることに加えて、本件未処理欠損金額の引継ぎによって原告の法人税の負担を減
少させること以外に本件合併を行うことの合理的な理由となる事業目的その他の
事情があったとは認められないことからすれば、法人税法57条2項の本来の趣
旨及び目的から逸脱する態様でその適用を受けるものというべきである。
そうすると、本件合併は、組織再編税制に係る規定を租税回避の手段として濫
用することによって法人税の負担を減少させるものとして、同法132条の2に
いう「法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」に当たる。
≪検索方法≫ 【キーワード】 Z888-2251