TAINSメールニュース No.407 2019.4.11 発行(社)日税連税法データベース

2019年04月11日

【1】今週のお知らせ
(1)公表裁決事例の収録を完了しました。
  国税不服審判所のホームページに掲載された、平成30年7月から9月分の公
 表裁決事例の収録を完了しました。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 ★裁決事例集112集  →9件
 
(2)判決速報を収録しました。
  判決速報1464から1488までの計25件を収録しました。一部を下記に
 紹介します。
 
 ・判決速報1467 債権残高の10%相当額で取得した貸付債権について、当
  該債権の原債権者との免責的債務引受けの存在が否定され、当該債権の回収額
  と取得価額との差額が債権回収益として益金の額に算入されるとされた事例
 ・判決速報1484 不動産鑑定評価額の存在のみでは、財産評価基本通達の定
  める評価方法によるべきではない特別の事情に当たらないとされた事例
 
 ≪検索方法≫
  検索ワード欄に下記キーワードを入れたら、「TAINSコードなど、細かい
 条件を指定して検索」を選択します。「判決・裁決の検索条件」画面が表示され
 ますので、「情報区分」の項目の「行政文書」にチェックを入れて検索します。
 【キーワード】判決速報 ☆2019年03月収録分  →20件
        判決速報 ☆2019年04月収録分  →5件
                        (税法データベース事務局)
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【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:市野瀬 啻子)
  重加算税の賦課要件/税理士に対する意図的な資料の不提示
 (平30-06-29 東京地裁 棄却・確定 Z888-2229)
 
  原告の代理人である税理士は、原告の申告関係資料に不動産の賃料収入を示す
 資料が含まれていなかったことから、賃料収入があることを認識せずに、平成1
 9年ないし平成25年分所得税の申告をしました。本件は、原告の税理士に対す
 る資料の不提示が、過失によるものなのか、脱税の意思に基づくものなのかを争
 点とする事案です。
  裁判所は、「隠蔽又は仮装」の解釈を示した上で、次のように判断しました。
 
  原告が、建物の賃貸人名義を母親名義としていること、土地の賃料変更を税理
 士に伝えていないこと、税務調査において賃料収入を秘匿していたこと等の間接
 事実を総合すれば、原告は、賃料収入に係る不動産所得を申告すべきことを熟知
 しながら、確定的な脱税の意思に基づき、当該所得に関する資料を意図的に税理
 士に提示せず、税理士に過少な申告を記載した申告書を作成させてこれを提出す
 るという「過少申告の意図を外部からもうかがい得る特段の行動」をした上で、
 その意図に基づく過少申告をしたものと認めるのが相当である。
  そうすると、本件申告は「隠蔽又は仮装」に基づく申告であって、重加算税の
 賦課要件を満たすものと認められる。同時に、通則法70条4項にいう「偽りそ
 の他不正の行為」によりその全部又は一部の税額を免れたものともいえる。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】Z888-2229