TAINSメールニュース No.332 2017.10.19 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
(1)最新収録情報のチェックは?
  TAINSに収録された新しい情報をチェックするには、ユーザーのニーズに
 よって様々な方法が考えられます。
 
  ログインしたら、「TAINSキーワード詳細検索」を選び、「検索条件の指
 定」の「日付範囲指定」を選びます。
  「TAINS登録」の条件を「平成29年1月1日~平成29年10月31日
 」と指定すると、平成29年中に収録された情報を知ることができます。
 
  同様に、裁決・判決の年月日を指定すると、本年中に言い渡された最新の判決
 ・裁決を知ることができます。
 
(2)最も多く利用されたキーワードは?
  TAINSにログインすると「検索トップ」には、9個のアイコンが並んでい
 ます。
  このうち、右から2番目の「ランキング20」をクリックすると、TAINS
 のユーザーが、毎月、実際に利用したキーワードの上位20個を知ることができ
 ます。 https://app.tains.org/search-edit/search/rank/
 
  「資産税事務提要」「調査に生かす判決情報」「裁決書起案の手引」などの情
 報公開法により、開示請求を行って収録した行政文書名が目につきますが、常に
 一位を占めているのは「消費税」というキーワードです。   (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:草間 典子)
  みなし譲渡/取引相場のない株式の譲渡対価は時価より低額か否か
 (平29-08-30 東京地裁 却下・棄却 Z888-2119)
 
  先週のメールニュースで、A社の代表取締役であった庚の相続により取得した
 株式について、配当還元方式による評価が認められた判決をご紹介しました。
  本件は、庚がB社にA社株式を譲渡したことにつき、譲渡所得の収入金額を譲
 渡対価と同じ金額(配当還元方式)で申告したところ、譲渡対価はA社株式の時
 価(類似業種比準方式)の2分の1に満たないから、所得税法59条1項2号の
 低額譲渡に当たるとして庚の相続人らが更正処分等を受けた事案です。
  東京地裁は、次のとおり、本件株式の譲渡は低額譲渡に当たると判断しました。
 
  譲渡所得の基因となる資産についての低額譲渡の判定をする場合の計算の基礎
 となる資産の価額は、当該資産を譲渡した後の譲受人にとっての価値ではなく、
 その譲渡直前において元の所有者が所有している状態における当該所有者(譲渡
 人)にとっての価値により評価するのが相当であるから、評価通達188の(1
 )~(4)の定め中のそれぞれの議決権の数も当該株式の譲渡直前の議決権の数
 によることが相当であると解される。
  よって、本件株式は、評価通達188の株式のいずれにも該当しないから、評
 価通達178本文、179の(1)により類似業種比準方式により評価すべきこ
 ととなる。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z888-2119


TAINSメールニュース No.331 2017.10.12 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
(1)TAINSの非公開裁決は1,920件に!
  TAINSの非公開裁決は1,920件に達しました。
  ≪検索方法≫ 【キーワード】 非公開裁決……………………→1,920
  このうちには地方税法8件が含まれます。
(2)非公開裁決の取消割合
  情報公開法に基づいて開示請求を行ったり、審査請求の当事者からTAINS
 の税法データベースに提供された非公開裁決のうち。全部取消しは、下記のとお
 り335件、一部取消しは、752件です。
 ----------------------------
  税 目   非公開裁決 うち全部取消し うち一部取消し
 ----------------------------
  所得税    625件   101件   252件
  法人税    646    146    283
  相続税    441     54    134
  消費税    170     28     76
  その他国税   29      6      6
  地方税      8      0      0
  その他      1      0      1
 ----------------------------
   計   1,920件   335件   752件
 ============================ (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:依田 孝子)
  取引相場のない株式~配当還元方式の適用の可否・「特別の事情」の有無~
 (平29-08-30 東京地裁 一部取消し・確定 Z888-2122)
 
  この事案では、原告がA社の代表取締役であった庚の相続により取得したA社
 株式(本件株式)を、配当還元方式(原告の主張)又は、類似業種比準方式(被
 告の主張)のいずれにより評価すべきかが争われました。なお、庚が、相続開始
 の約5か月前、A社株式の一部をB社に譲渡したことから、庚一族のA社株式の
 議決権の合計割合は、22.79%から14.91%(相続開始日)になりまし
 た。裁判所では、次のとおり判断し、配当還元方式による評価を認めました。
 
  A社における評価通達188の議決権割合の判定に際し、関連会社のC社及び
 B社の有する議決権の数を、A社の議決権総数から除外する、あるいは、原告の
 有する議決権の数に合算する旨の被告の主張は、相当であるとはいえない。
  A社は「同族株主のいない会社」に当たり、また、「株主の1人及びその同族
 関係者の有する議決権の合計数が、その会社の議決権総数の15%未満である場
 合」に取得した株式にも当たる。よって、本件株式は、評価通達188の(3)
 の株式に該当するから、「同族株主以外の株主等が取得した株式」に該当する。
  庚及び原告によるA社並びにC社及びB社に対する実効支配体制が確立されて
 いたとはいえないことから、配当還元方式ではなく、類似業種比準方式により評
 価することが正当と是認される特別な事情があるとする被告の主張は採用するこ
 とができず、本件株式につき、配当還元方式によって適正な時価を算定すること
 ができない特別な事情があるとは認められない。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z888-2122


TAINSメールニュース No.330 2017.10.5 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
(1)TAINSの収録件数が4万2千件に!
  TAINSの税法データベースの収録件数が4万2千件を超えました。
 税目別の内訳は、下記のとおりです。
 
  所得税   14,788件
  法人税   12,902
  相続税    6,591
  消費税    3,683
  その他国税    558
  地方税      334
  その他    3,214
  ---------------
   計    42,070件
  ===============
 
(2)裁決事例集106集を収録
  本年1月~3月までに言い渡された国税不服審判所の裁決事例集第106集が
 審判所のホームページに公表されました。
  http://www.kfs.go.jp/service/JP/idx/106.html
 
  税法データベースに収録済みです。アスタリスクは半角で入力します。
  ≪検索方法≫ 【キーワード】J106-*………… 7件 (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:朝倉 洋子)
  財産の評価/借地権/宅地及び宅地の上に存する権利の評価
 (平29-01-17 裁決 全部取消し J106-3-05)
 
  この事件は、土地上に建物を有していた被相続人が、その土地の所有者に対し
 地代として支払っていた金員が、その土地の固定資産税等年税額を超えていたも
 のの、その他の事実関係からすると、このような事情のみでは、その金員が、本
 件土地の使用収益に対する対価であるとは認めるに足りないというべきであると
 して、被相続人がこの土地上に借地権を有していたとは認めることはできないと
 判断された事例です。審判所は原処分庁の主張を排し下記のように判断しました。
 
  ①被相続人による本件土地の使用収益は、本件金員の支払が開始する以前(本
   件土地を請求人が被相続人の父から相続により取得したとき以前)において
   は使用貸借契約に基づくものであったと認められること、
  ②本件金員の支払開始に当たり、請求人と被相続人との間で契約書が作成され
   たなどの事情は見当たらないこと、
  ③本件金員の支払開始の経緯や本件金員の算定根拠も明らかではないこと、
  ④被相続人と請求人は親子であり、本件金員の支払が開始された当時、請求人
   が未成年者であったことを併せ考慮すると、本件金員が本件土地の使用収益
   に対する対価であると認めるに足りない
  というべきであるから、被相続人による本件土地の使用収益は使用貸借契約に
 基づくものであったと認めるのが相当であり、被相続人が本件土地上に借地権を
 有していたとは認めることはできない。


TAINSメールニュース No.329 2017.9.28 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
(1)全国国税局各部長会議資料(平成28年9月・10月開催)を収録
  ①全国国税局調査査察部長(次長・監理官)会議(調査関係)資料(9/13
   開催)【キーワード】☆2017年09月収録分 調査査察部長会議→1件
  ②全国国税局徴収部長(次長)会議資料(9/27・28開催)
   【キーワード】 ☆2017年09月収録分 徴収部長会議………→ 1件
  ③全国国税局課税(第一・第二)部長(次長)会議資料(9/29・30開催)
   【キーワード】 ☆2017年09月収録分 課税部長会議………→ 1件
  ④全国国税局調査査察部長(次長)会議(査察関係)資料(10/6開催)
   【キーワード】 ☆2017年09月収録分 調査査察部長会議…→ 1件
 
(2)司法書士損害賠償請求事件を収録
  平成21年1月21日東京地裁判決を収録しました。
   この事件は、原告が、司法書士である被告に債務整理を委任したところ、
  ①被告が債権調査を怠り、原告に無断で過払金債権の一部を放棄した和解をす
   るなど、善管注意義務違反があること、
  ②本件契約における報酬等の合意は成立していないか、又は高額であり、暴利
   行為である
  などと主張して、債務不履行による損害賠償、不当利得に基づく返還等を求め
  たという事件です。
  ≪検索方法≫ 【キーワード】 司法書士損害賠償 ………………→ 20件
                 司法書士損害賠償 サラ金…………→ 1件
                              (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:大高 由美子)
  調査担当者による帳簿提示の求めの適法性/仕入税額控除・法人税青色取消し
 (平28-10-21 非公開裁決 棄却 F0-5-177)
 
  原処分庁が、調査において、請求人が帳簿書類を提示しなかったとして、法人
 税については青色申告承認の取消処分を、消費税等については仕入税額控除は認
 められないとする更正処分等を行ったのに対し、請求人が、帳簿書類の提示の求
 めが適法性を欠く、また、帳簿書類の提示の求めに応じ難いとする理由があった
 などと主張して、これらの処分の全部の取消しを求めた事案です。
  金額は不開示ですが、インターネット等の情報によると消費税30億円超の更
 正処分とのことです。審判所は次のとおり、請求人の請求を棄却しました。
 
  調査担当者は、連絡票の送付などにより、消費税等の確定申告の基となった帳
 簿の提示を求めたものであり、担当者による帳簿提示の求めに違法な点は認めら
 れない。そして、その求めに対し、請求人は調査が通則法74条の10の事前通
 知を要しない場合に該当する根拠について、文書による回答などを要求し、回答
 がない限り調査には応じられないなどとして、調査に応じず、求められた帳簿書
 類を提示しなかった。
  請求人が、調査が行われた時点で帳簿書類を保管していたとしても、調査にお
 いて帳簿書類の提示を行わなかったことは、消費税法30条7項の帳簿等を保存
 しない場合に当たり、仕入税額控除は認められない。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 F0-5-177


TAINSメールニュース No.328 2017.9.21 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
  各税理士会からTAINSに提供いただいた相談事例等は、次の通りです。
 提供の税理士会名と参考キーワードで検索してください。(9月20日現在)
 ☆ 情報区分【相談事例】
 ------------------------------------
  提供税理士会名  (参考キーワード)   件数
 ------------------------------------
  東京税理士会   会員相談室      89件
  東京地方税理士会 税務相談事例Q&A 101件
  千葉県税理士会  相談事例Q&A   125件
  近畿税理士会   業務相談室だより   12件
  近畿税理士会   業務対策部だより   13件
  東海税理士会   税務相談事例      6件
  北陸税理士会   相談事例        9件
  九州北部税理士会 会員相談室       1件
  南九州税理士会  会員税務相談室    12件  合計 368件
 ------------------------------------
 ☆ 情報区分【その他文書】
 ------------------------------------
  名古屋税理士会  税務研究        4件
  近畿税理士会   論壇         26件
  近畿税理士会   研究レポート     15件  合計  45件
 ------------------------------------
                        (税法データベース編集室)


【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:市野瀬 啻子)
 消費税法上の「事業」該当性/勤務するホテルから委託された調理場の運営業務
 (平29-02-09 非公開裁決・一部取消し F0-5-179)
 
  本件は、請求人甲が、勤務するホテルから調理場の運営業務を委託され、その
 対価として給与とは別の金員を受領したとして、消費税等の決定処分を受けたの
 に対し、ホテルから指示された業務を従業員の立場で行ったにすぎないとして、
 原処分の取消しを求めた事案です。審判所は、次のように判断しました。
 
  甲は、料理長としてメニューの考案等をしていたほか、調理場において勤務す
 る甲以外の各料理人を確保し、給与の支給や出勤状況の管理等をしていたが、ホ
 テルを経営するA社は、料理人の採否の決定に関与しておらず、料理人の人数も
 把握していなかったこと、給与の計算方法等に関し、甲に具体的な指示をしてお
 らず、甲からの報告も受けていなかったことが認められる。
  以上の事実関係によれば、甲は、甲の判断で各料理人を採用して、指揮監督し
 ながら、調理場における業務を行っていたものということができ、甲の業務の全
 てが、A社との雇用契約に基づく料理長としての業務に包含されるものとは評価
 できない。そして、現に甲は、A社から給与とは別に毎月「調理場委託料」名下
 の本件金員を受領して、この中から甲が定めた給与を各料理人に支払っていたと
 いうのであるから、甲は、独立の立場で、反復、継続して各料理人を雇って調理
 場を運営していたものと認められる。(本件金員の額につき一部取消し)
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 F0-5-179


TAINSメールニュース No.327 2017.9.14 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
(1)全国国税不服審判所長会議資料を収録
  平成29年5月12日開催の全国国税不服審判所長会議資料を収録しました。
 ≪検索方法≫【キーワード】全国国税不服審判所長会議 平成29年5月→1件
 
(2)全国国税局長会議資料を収録
  平成29年1月19・20日開催、平成29年6月1・2日開催の全国国税局
 長会議資料を収録しました。
 ≪検索方法≫【キーワード】全国国税局長会議 平成29年1月 …→ 1件
       【キーワード】全国国税局長会議 平成29年6月 …→ 1件
 
(3)全国国税局調査査察部長会議資料を収録
  平成29年5月18日開催の調査査察部長会議資料を収録しました。
 ≪検索方法≫【キーワード】調査査察部長会議 平成29年5月 …→ 1件
 
(4)全国国税局徴収部長会議資料を収録
  平成29年5月25・26日開催の徴収部長会議資料を収録しました。
 ≪検索方法≫【キーワード】徴収部長会議 平成29年5月…………→ 1件
 
(5)全国国税局課税部長会議資料を収録
  平成29年5月29・30日開催の課税部長会議資料を収録しました。
 ≪検索方法≫【キーワード】課税部長会議 平成29年5月……………→1件
                              (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:藤原 眞由美)
  寄附金~事業譲渡に伴って行われた子会社に対する債権放棄
 (平29-01-19 東京地裁 棄却 Z888-2111)
 
  本件は、原告が、原告の子会社2社に対して有する債権の放棄をし、その債権
 の額(本件債権放棄額)を損金の額に算入して法人税の確定申告をしたところ、
 青森税務署長から、本件債権放棄額は法人税法37条の寄附金の額に該当すると
 して、法人税の更正処分を受けたため、処分の一部の取消しを求める事案です。
  裁判所は、争点(1)の「貸倒損失該当性」については、基本通達9-6-1
 (2)若しくは(4)により貸倒損失に該当するものとして法人税法22条3項
 3号に従って損金算入を認めることはできないと判断し、争点(2)の「寄附金
 該当性」については、次のとおり判断し、請求を棄却しました。
 
  基本通達9-4-1(子会社を整理する場合の損失負担等)について、本件債
 権放棄は、当時の状況の下で経済的合理性の観点から特段の必要性があったとは
 認め難く、相当な理由があったとはいえないから、客観的にみて法人の収益を生
 み出すのに必要な費用又は法人がより大きな損失を被ることを避けるために必要
 な費用に当たるとはいえない。基本通達9-4-2について、見出しとその本文
 も専ら子会社等の「再建」(合理的な再建計画)の場合が対象とされていること
 等からすれば、本件子会社2社の解散後に行われた本件債権放棄については、既
 に本件子会社2社が解散により整理されている以上、子会社等を再建する場合に
 関する同通達9-4-2はその適用対象とならず、寄附金に該当する。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z888-2111


TAINSメールニュース No.326 2017.9.7 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
  税賠保険適用約款を収録
(1) 損害保険ジャパン日本興亜株式会社の提供する税理士職業賠償責任保険適
   用約款(平成29年7月改定)を収録しました。
    平成29年7月改定約款の内容は、下記のとおりです。
    ・賠償責任保険普通保険約款
    ・税理士特約条項
    ・受託物担保追加条項(税理士特約条項用)
    ・事前税務相談業務担保追加条項(税理士特約条項用)
    ・情報漏えい担保追加条項(税理士特約条項用)
    ・日付データ処理等に関する不担保追加条項
    ・共同保険に関する特約条項
    ・保険料支払に関する特約条項
    ・保険料払込に関する追加条項
    ・保険料算出基礎に関する追加条項
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 税賠事故例 ☆2017年09月収録分→1件
 
(2)税賠事故例の税目別内訳
    ・税賠事故例 所得税……………→ 49件
    ・税賠事故例 法人税……………→ 66件
    ・税賠事故例 相続税……………→ 28件
    ・税賠事故例 贈与税……………→  4件
    ・税賠事故例 消費税……………→ 78件      (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:岩崎 宇多子)
  介護付有料老人ホーム等の附属駐車場の「住宅用地」該当性~固定資産税等~
 (平29-08-24 東京高裁 棄却 Z999-8390)
 
  被控訴人(A社)が、控訴人(東京都練馬都税事務所長)から、被控訴人が所
 有する本件各土地のうち駐車場として使用されている各部分については地方税法
 349条の3の2及び702条の3に規定する固定資産税及び都市計画税の課税
 標準の特例の適用を受ける住宅用地に該当しないとして固定資産税等の賦課決定
 を受けたところ、本件各駐車場も住宅用地に該当する旨を主張して、本件各処分
 の一部の取消しを求めた事件で、原審が被控訴人の請求をいずれも認容したこと
 から、控訴人が控訴した事案です。
  東京高裁は、被控訴人の請求をいずれも認容した原判決は相当であるとし、控
 訴人の主張に対して次のように判示し、棄却しました。
 
  控訴人は、本件特例は、専ら人の居住の用に供する家屋又はその一部を人の居
 住の用に供する家屋で政令で定めるものの敷地の「用に供している」土地とは、
 居住部分の用に供されるとの意味と解すべきであると主張するが、敷地が、家屋
 のうち居住部分の用に供されるものに限られると解すべき法令上の根拠はない。
  本件各駐車場は、いずれも、A社の営む介護付き有料老人ホーム等の事業の効
 用を果たすものであると主張するが、上記事業は本件家屋で営まれており、本件
 各駐車場が本件各家屋とは独立した事業の用に供されているものではないから、
 本件各駐車場は本件家屋の敷地の用に供されている土地ということができる。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z999-8390


TAINSメールニュース No.325 2017.8.31 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
(1)サービス停止のお知らせ
  下記の日程でサーバメンテナンスを行います。
  会員の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご理解の程宜しくお願い申し上
 げます。
                        (システム部長:髙橋 誠)
  日時:平成29年9月2日(土)8:00~15:00まで
  作業時間帯はすべての機能のご利用ができません。
 
(2)全国国税不服審判所長会議資料を収録
  平成28年9月9日と平成29年5月12日に開催された全国国税不服審判所
 長会議資料を収録しました。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】
  全国国税不服審判所長会議資料 ☆2017年08月収録分 ……→2件
 
  ・全国国税不服審判所長会議日程
  ・全国国税不服審判所長会議出席者名簿
  ・全国国税不服審判所長会議資料目録
    管理室からの連絡事項
    監督評価官室 当面の課題
    審判部からの連絡事項
    審判所当面の諸課題                 (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:小菅 貴子)
  所得の帰属/経営主体が親から子に移っていたか否かが争点となった事例
 (平28-08-10 非公開裁決 全部取消し F0-1-667)
  本件は、請求人が営むものとして申告されていた焼肉店の事業に係る所得につ
 いて、原処分庁が、請求人の子に帰属するとして、所得税等の更正処分等を行っ
 た事案です。審判所は、次のとおり判断して更正処分等の全部を取り消しました。
 
  収入が何人の所得に属するかは、何人の勤労によるかではなく、何人の収入に
 帰したかで判断される問題であり、事業所得が帰属する事業者については、当該
 事業の遂行に際して行われる法律行為の名義のほか、当該事業への出資の状況、
 収支の管理状況、従業員に対する指揮監督状況などを総合し、経営主体としての
 実体を有するかを社会通念に従って判断すべきである。
 
  焼肉店の店舗の賃貸借契約は請求人の名義になっていたこと、焼肉店の事業は、
 おおむね請求人の所有する物的設備等によって営まれていること、焼肉店の経営
 は請求人の資金力に大きく依存していたということができること、売上げ、仕入
 れ及び経費等並びに口座の管理については、子らによって行われ、また、従業員
 の採用等の決定も子が行っていたとしても、これらのことは、請求人が、ゆくゆ
 くは事業承継する子らに店長としてかなりの裁量を持たせ、また、職務上口座の
 入出金や管理をさせていたにすぎなかったといえるにとどまること等を総合して
 考慮すれば、経営主体が請求人から子に移っていたと認定することはできず、本
 件各年においては、焼肉店の経営主体は請求人であったとみるべきである。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 F0-1-667


TAINSメールニュース No.324 2017.8.24 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
(1)サービス停止のお知らせ
  下記の日程でサーバメンテナンスを行います。
  会員の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご理解の程宜しくお願い申し上
 げます。
                        (システム部長:髙橋 誠)
  日時:平成29年9月2日(土)8:00~15:00まで
  作業時間帯はすべての機能のご利用ができません。
 
(2)「調査に生かす判決情報」を収録
  東京国税局課税第一部国税訟務官室からの情報「調査に生かす判決情報」のう
 ち、033から072までの40件を収録しました。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 判決情報 ☆2017年08月収録分 40件
 
  主な判決情報を紹介すると下記のとおりです。
 ・ 必要経費か、家事費か、それが問題-業務との関連がポイント-
 ・ 証拠収集の重要性-隠ぺい又は仮装の認識を推認するための立証には-
 ・ タックスヘイブン-課税事案における適用除外基準の立証責任-
 ・ 「偽りその他不正の行為」-国税通則法70条4項の解釈適用-
 ・ 間接証拠等に基づく他人名義の株式等の帰属認定
 ・ 証拠収集の重要性(必要経費非該当性の立証)
 ・ 判決情報の探し方・活用方法              (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:草間 典子)
  分掌変更による役員退職給与/退任後の月額報酬が激減した前代表者
 (平29-01-12 東京地裁 棄却 Z888-2115)
 
  本件は、原告が、原告の前代表者Aに対して支払った退職慰労金は損金の額に
 算入されるべきであったとして更正の請求をしたのに対し、大森税務署長が、A
 は退任後も原告の取締役として退任前と同様の業務を行っているため、損金の額
 に算入することはできないとして、更正をすべき理由がない旨の通知処分をした
 事案です。原告は、Aの月額報酬が退任前の約3分の1に激減していることから、
 役員としての地位や職務上の権限及び責任に激変があったと主張しましたが、東
 京地裁は、下記判断をし、納税者の請求を棄却しています。
 
  Aが退任後も引き続き原告の経営判断に関与して後任の代表者Bへの指導や助
 言を続けていたことなどに照らすと、A・B両名の変更後の月額報酬は、Aが引
 き続き原告の経営判断への関与及びBへの指導や助言を続けていたことを前提と
 して定められたものとみるのが相当であり、報酬の減額の事実は、Aの役員とし
 ての地位又は職務の内容が激変して実質的には退職したと同様の事情にあるとま
 では認められないとの判断を左右するものではない。Aは、法人税基本通達9-
 2-32の「その分掌変更等の後においてもその法人の経営上主要な地位を占め
 ていると認められる者」に該当するというべきであるから、Aについて本件通達
 における役員の給与の激減に係る基準を充足するものであるとは認められない。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z888-2115


TAINSメールニュース No.323 2017.8.17 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
  専門家責任に関する情報の件数
  平成29年8月16日現在、TAINSに収録されている情報のうち、税理士
 ・弁護士等の専門家責任に関する情報は、下記のとおりです。
 
  重複等も含めて、総合計数は必ずしも、一致しません。
  ---------------
    士業別      件数
  ---------------
    税理士     135件
    司法書士     19件
    弁護士      14件
    公認会計士     7件
    行政書士      2件
    土地家屋調査士   1件
  ---------------
      計     177件
  ===============
 
   キーワードは、「〇〇士損害賠償」で検索できますが、これらの中には、税
  理士報酬請求事件等も含まれています。
                              (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:依田 孝子)
  不動産取得税の非課税~複数の共有地を現物分割と代金分割した場合~
 (平28-11-30 東京地裁 請求認容・確定 Z999-8388)
 
  原告及びAは、相続により取得した共有地を一括して共有物の分割の対象とす
 る意思の下、共有地を3筆に分筆し、原告は土地1を、Aは土地3を単独所有し、
 土地2はBに譲渡し、その売買代金を合意した割合に従って分配しました。この
 事案は、原告が、土地1に係るAの持分を取得(本件取得)したところ、立川都
 税事務所長から、不動産取得税の賦課決定を受けたことから、同持分の取得は、
 「共有物の分割による不動産の取得」であり、地方税法73条の7第2号の3の
 適用により非課税とされるべきであるとして、その取消しを求めたものです。
  裁判所では、次のとおり判断し、原告の請求を認めました。
 
  分割前の各土地における原告の持分に相当する面積の割合と、分割後の各土地
 の総面積に占める原告の取得地(土地1)の面積の割合とを比較すると、前者が
 原告の分筆前土地の持分割合と同じ358080分の156750(約43.8
 %)であるのに対し、後者が総面積362.37㎡(各土地の地積の合計)に対
 して109.18㎡という割合(約30.1%)であって、後者は前者を大きく
 下回るものであるから、原告の土地1に係る本件取得には、地方税法73条の7
 第2号の3の括弧書きにいう「当該不動産の取得者の分割前の当該共有物に係る
 持分の割合を超える部分の取得」に当たる部分がないものと認められる。
  したがって、本件取得は、地方税法73条の7第2号の3の「共有物の分割に
 よる不動産の取得」に当たり不動産取得税は非課税となる。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z999-8388


TAINSメールニュース No.322 2017.8.10 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
  収録判決・裁決総件数と「全部取消し」「一部取消し」の件数
  平成29年8月9日現在、TAINSに収録されている税目別の判決・裁決の
 うち、
   ①判決収録件数、
   ②裁決収録件数、
  及び「全部取消し」と「一部取消し」の各件数は、下記のとおりとなっていま
 す。
  -----------------------------------
  税目 ①判決(うち全部・一部取消し) ②裁決(うち全部・一部取消し)
  -----------------------------------
  所得税  5,971件 (596件)  1,640件  (648件)
  法人税  3,168件 (469件)  1,302件  (599件)
  相続税  1,444件 (143件)    932件  (353件)
  消費税    274件  (12件)    347件  (126件)
  その他国税  242件  (27件)    132件   (49件)
  地方税    321件  (81件)      8件      0
  その他    731件   (3件)      1件    (1件)
  -----------------------------------
   計  12,151件(1,331件)  4,362件(1,776件)
  ===================================
                              (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:朝倉 洋子)
  刑事事件/相続財産である現金・預貯金の隠匿による相続税過少申告
 (平29-06-01 名古屋地裁 有罪 Z999-9151)
 
  この事件は、実父の死亡に伴う相続に当たり、相続財産の一部を隠匿して過少
 申告し、被告人自身及び共同相続人である実母及び夫の各相続税を免れたという
 事案です。
 
  被相続人Aの長女(被告人)は、Aの財産を同人の妻であるB及びAの養子で
 あるCと共同相続し、共同相続人B及びCからの委任により、その相続に関する
 事務に従事していたものですが、被告人、B及びCの相続財産に関し、相続税を
 免れようと考え、相続財産から現金、預貯金等の一部を除外するなどの方法によ
 り相続税の課税価格を減少させた上、相続人全員分の実際の相続税課税価格は、
 6億9851万6000円であったにもかかわらず、一宮税務署長に対し、相続
 人全員分の相続税課税価格が合計1億7640万6000円である旨の内容虚偽
 の相続税申告書を、その事情を知らない税理士を介して提出し、そのまま法定納
 期限を徒過させ、もって不正の行為により、合計1億7676万6200円の相
 続税額を免れました。
  【内訳】  被告人 4222万6600円
        B   9249万8300円
        C   4204万1300円
  名古屋地裁は、偽りその他不正の行為に当たるとして、罰金2500万円、懲
 役1年6月(執行猶予3年)を言い渡しました。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z999-9151


TAINSメールニュース No.321 2017.8.3 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
  「資産税事務提要」の収録について
  資産税事務提要(平成28年6月)は、キーワード「資産税事務提要」で検索
 します。概要の「表紙・凡例・目次」の「原本URL→原本へ」をクリックする
 と、下記の添付ファイルごとに原本の全文を出力することができます。
 
  第01章 総則           第02章   事務管理
  第03章 納税者管理に関する事務  第03章の2 調査手続
  第04章 相続税事務
  第05章 贈与税事務
  第06章 譲渡所得事務
  第07章 山林所得事務
  第08章 地価税事務
  第09章 財産評価事務
  第10章 有価証券取引税事務
  第11章 登録免許税事務
  第12章 納税猶予に関する事務
  第13章 措法第40条の規定による承認申請に関する事務
  第14章 会計検査院に関する事務
  第15章 更正の請求、再調査の請求、審査請求及び訴訟に関する事務
  第16章 統計事務
  第17章 資産課税課所管事案に関する事務
  第18章 雑則 別表 KSKシステム下の局署番号表   (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:大高 由美子)
  信義則/医療費控除/母の入所していた介護事業所への支払
 (平28-10-26 東京高裁 棄却・上告受理申立て Z888-2101)
 
  控訴人が、母親が入所していた介護事業所に対する支払を医療費控除の対象と
 して、平成24年分所得税の確定申告を行ったところ、柏税務署長が、本件支払
 は医療費控除の対象とはならないとして更正処分等を行った事案です。
  控訴人は、従前医療費控除の対象とされていた本件支払が、更正処分では控除
 の対象でないとされているところ、これは、関係法令が変わっていないにもかか
 わらず、税務署が表示した公式見解を覆したものであって、信義則に反し違法で
 ある、と主張しましたが、裁判所は次のとおり、控訴人の請求を棄却しました。
 
  控訴人は、確定申告をする以前に、平成22年分及び平成23年分の所得税に
 関して、柏税務署の職員から、本件支払の医療費控除該当性について見直しを求
 められ、その支払を医療費控除の対象から除外する内容の修正申告書を提出して
 いるから、確定申告の時点で、本件支払が医療費控除の対象でないことを認識し
 ていたと認められる。そうすると、本件支払が医療費控除の対象になると信じて
 確定申告をしたものではないから、更正処分が信義則に反して違法とはいえない。
  控訴人は、柏税務署の職員がした事業所に対する医療費控除対象額等の照会は、
 個人情報の保護に関する法律に反し違法である旨主張するが、本件照会は、国税
 通則法74条の2第1項の質問検査権に基づくもので、違法ではない。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z888-2101


TAINSメールニュース No.320 2017.7.27 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
(1)税務訴訟資料第265号の編集・収録完了
  税務大学校のホームページに公表された税務訴訟資料集第265号について、
 全195件の編集・収録が完了いたしました。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 ★税資265号 …………→195件
  内訳は、所得税→ 90件、法人税→  52件、相続税→ 44件
      消費税→  8件、その他国税→ 1件
 
(2)「歩道状空地」の用に供されている宅地の取扱いについて
  本年7月24日、国税庁ホームページの新着情報に、最高裁判決を踏まえた「
 歩道状空地」の取扱いに関する「お知らせ」が掲載されました。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 歩道状空地 ………………→ 8件
 
  8件の内訳は下記のとおりです。
  ① 平27-07-16東京地裁(棄却・控訴)
  ② 平28-01-13東京高裁(棄却・上告・上告受理申立て)
  ③ 平29-02-28最高裁 (破棄差戻し)
  ④ お知らせ 「歩道状空地」の用に供されている宅地の取扱い
  ⑤ 相事例1387 歩道状空地の用に供されている宅地の評価
  ⑥ 判決速報1356 平27-07-16東京地裁
  ⑦ 判決速報1375 平28-01-13東京高裁
  ⑧ 判決速報1425 平29-02-28最高裁     (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:市野瀬 啻子)
  使用人兼務役員該当性/特許業務法人が社員弁理士に支給した歩合給
 (平29-01-18 東京地裁 棄却・控訴 Z888-2105)
 
  本件は、特許業務法人である原告A社が、代表社員以外の社員乙ら3名に対し
 て支給した給与のうち、歩合給につき、芝税務署長から、乙らが役員に該当し、
 かつ、使用人兼務役員に該当しないとした上、本件歩合給が法人税法34条1項
 各号の給与のいずれにも該当しないから、損金の額に算入することはできないと
 して更正処分等を受けた事案です。裁判所は、次のように判示しました。
 
  弁理士法の規定によれば、特許業務法人の社員は、全ての社員がその業務を執
 行する権利を有し、義務を負うとされる上、各社員は、連帯して債務弁済の責め
 に任ずるとされる。したがって、上記の権限や責任を伴う特許業務法人の社員は、
 法人の経営に従事していると一般的・類型的に評価し得るものであり、役員に該
 当すると解されるから、その地位にある乙らは、A社の役員に該当する。
  業務を執行する役員と特許業務法人との関係には民法の委任に関する規定が準
 用され、両者は一般には雇用契約等に基づく使用人と事業主との関係に立つもの
 ではないというべきであるから、弁理士である役員が従事する具体的な職務の中
 に使用人である弁理士が行う職務と同種の職務が含まれている場合であっても、
 それは使用人としての立場で従事するものではないと一般的・類型的に評価し得
 るものである。したがって、乙らは、使用人兼務役員には該当しない。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z888-2105


TAINSメールニュース No.319 2017.7.20 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
(1)税務訴訟資料第265号を収録中
  税務大学校のホームページに公表された税務訴訟資料集第265号を、引き続
 き、編集・収録中です。
 
(2)税資第265号中の全部取消し判決は本日現在3件
  現在編集中の税資265号中の全部取消し判決は、既に「Z888-」のコー
 ドにより、収録済みであった下記の3件です。それぞれ「Z265-」のコード
 を加えました。
 ①航空機リース事業/債務免除益 Z265-12666 平27-05-21
 ②ホンダ事件/移転価格税制   Z265-12659 平27-05-13
 ③IBM事件/行為計算否認   Z265-12639 平27-03-25
 
(3)税資265号中の一部取消し判決は本日現在5件
 ①税理士業における青専給与適正額Z265-12775 平27-12-18
 ②税理士業の必要経費/業務提携した社会保険労務士への支援料等
                 Z265-12592 平27-01-23
 ③所得区分/匿名組合契約による航空機リース事業の損益
                 Z265-12678 平27-06-12
 ④寄附金/抹消登記手続申請書類の取得対価
                 Z265-12600 平27-02-05
 ⑤金地金の贈与時期       Z265-12750 平27-10-30
                              (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:藤原 眞由美)
  更正の請求の特則~相続税法施行令8条1号に規定する「判決」とは
 (平27-05-13 東京地裁 棄却・確定 Z265-12660)
 
  本件は、父(乙)の相続により財産を取得した原告が、共同相続人である丙が
 本件相続により取得したAに対する貸付金(1億9015万円の法定相続分であ
 る3分の1)について支払を求めた貸金請求事件に係る判決(本件判決)が相続
 税法施行令8条1号(平成18年改正前)に規定する「判決」に該当するとし、
 本件判決を知った日の翌日から4月以内に更正の請求をしたところ、札幌南税務
 署長から更正をすべき理由がない旨の通知処分を受けたため、処分の違法を訴え
 てその取消しを求めた事案です。主な争点は、相続税法施行令8条1号に規定す
 る事由の有無です。裁判所は、次のとおり判断し、請求を棄却しました。
 
  相続税法32条1号ないし4号に規定する事由に準ずるものとして相続税法施
 行令8条1号の規定において定められた事由である相続税法32条5号の「相続
 (中略)により取得した財産についての権利の帰属に関する訴え」には、相続、
 遺贈又は贈与の対象である権利の存否についての訴えは含まれず、権利の存在を
 前提としたその帰属に関する訴えに限られるというべきである。
  本件判決は、乙のAに対する貸付金の存否に関するものであるところ、本件相
 続の対象である権利の存否についての訴えに係る判決であって、「相続(中略)
 により取得した財産についての権利の帰属に関する訴え」に係る判決ではないか
 ら、相続税法施行令8条1号に規定する「判決」には該当しない。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z265-12660


TAINSメールニュース No.318 2017.7.13 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
(1)金地金の贈与時期に係る判決を収録
  本件は、原告が、金地金は平成18年4月4日に贈与を受けたものではなく、
 ①平成6年、②平成12年、③平成16年の3回にわたり贈与を受けたもので
 あるから、贈与税決定処分及び重加算税賦課決定処分は違法であると主張して、
 その各取消しを求めたという事案です。
 
  平成27年10月30日、京都地裁は、次のように判断し、確定しました。
 
  贈与税の納税義務の成立時期は、書面によらない贈与の場合は、その履行が完
 了した時と解するのが相当である。
  本件金地金の贈与に関する証人Dの主張自体が不自然であり、原告がその裏付
 けとして主張するのは、本件明細書のみであって、その記載もれを認めるに足り
 る的確な証拠がない。本件明細書をもって、平成16年12月6日に本件金地金
 のうち7㎏の贈与及び引渡しがあったことを十分に窺わせる証拠とは認め難い。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z265-12750………→ 1件
 
(2)税務訴訟資料第265号を収録中
  税務大学校のホームページに公表された税務訴訟資料集第265号を、引き続
 き、編集・収録中です。
 http://www.nta.go.jp/ntc/soshoshiryo/kazei/2015/index.htm
                              (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:岩崎 宇多子)
  相続税の申告納付を受任した税理士法人の指導助言義務~損害賠償請求事件~
 (平28-02-26 名古屋地裁 一部認容 一部棄却 Z999-0170)
 
  原告が税理士法人である被告との間で、相続税の申告納付についての準委任契
 約を締結したところ、被告の社員である税理士Eが、相続税の物納について十分
 な説明を行わないなど善管注意義務に違反し、その結果、原告は物納ができない
 と誤信したまま、物納対象となり得た株式を相続開始時の価額よりも低額で売却
 し、差額分の損害が生じたと主張して、損害賠償等の支払を求めた事案です。
  裁判所は、結論として、原告の過失割合は3割と認定したうえ、被告は原告に
 対して約2400万円余の損害額の支払義務を負うと判断しました。
  なお、争点の一つである被告の負う注意義務の内容及びその違反の有無につい
 ては、次のように判示しています。
 
  被告は、原告との間で締結した準委任契約上の善管注意義務を負い、委任者に
 おいて適正な納税を行い、かつ、最も利益となるように申告手続及び納付手続を
 行うべき注意義務、そのための助言指導義務を負っていると解すべきである。注
 意義務の具体的な内容は、契約のそれぞれの時点において異なるが、申告手続に
 ついて委託を受けた税理士には、納税の方法について委任者に確認し、必要な助
 言指導を行う義務が発生しているというべきである。Eが納税方法について何ら
 確認せず、物納についての検討を行わなかったことは、注意義務に違反するもの
 と言わざるを得ない。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z999-0170


TAINSメールニュース No.317 2017.7.6 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
(1)サービス停止のお知らせ
  下記の日程でシステム改修に伴う臨時メンテナンスを行います。
  会員の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご理解の程宜しくお願い申し上
 げます。
                        (システム部長:髙橋 誠)
  日時:平成29年7月10日(月)19:00~19:30まで
  作業時間帯はすべての機能のご利用ができません。
 
(2)税理士損害賠償請求事件を収録
  税理士に係る損害賠償請求事件は、本日現在、135件が収録されています。
  今週は、平成26年4月9日東京地裁判決を収録しました。
 
  「税理士法人の社員税理士が在任中に行った新事務所開設準備行為」(控訴)
 
  原告は、税理士法人であり、被告は原告の元社員税理士であったが、平成24
 年6月30日に原告の社員を辞任して原告から脱退した者である。
  争点は、甲事件(1)原告の顧客奪取に係る任務懈怠責任、不法行為の成否、
 (2)原告の損害、(3)報酬減額の同意の有無、乙事件(4)原告の被告に払
 い戻すべき持分額、である。
 
  東京地裁の判断は甲事件は請求棄却、乙事件は認容(控訴)。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z999-0150     (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:小菅 貴子)
  還付金請求権の消滅時効/民法158条(成年被後見人と時効停止)類推適用
 (平28-06-22 広島地裁 棄却 Z888-2049)
  本件は、成年被後見人であることを登記された原告が、平成19年分及び平成
 20年分の所得税の還付金請求権の消滅時効について、民法158条1項の類推
 適用を主張した事案です。裁判所の判断は、次のとおりです。
 
  精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にあるものの、いまだ後見
 開始の審判を受けていない者の、還付金等に係る請求権の消滅時効の完成につい
 ては、国税通則法74条等の趣旨である納税者間の公平性や事務処理の画一性の
 要請を考慮し、国(当該請求権に係る税務官署)の予見可能性、法的安定性を不
 当に害さないといえる事情が認められる場合に、成年被後見人について時効の停
 止を認めた民法158条1項の類推適用を肯定するのが相当というべきである。
  原告は、本件各還付金請求権の時効期間満了前6か月の期間中、重度認知症に
 より、時効中断の措置をとることができなかったものと推認でき、成年被後見人
 と同様に保護する必要性があったものと認められる。しかしながら、他方、原告
 については、本件各還付金請求権の時効期間満了前に後見開始の審判の申立ても
 されておらず、その他、被告において時効が停止することについて一定程度予見
 可能であったといえるような形式的、画一的な事情は認められず、被告の予見可
 能性、法的安定性を不当に害さないといえる事情があったとはいい難い。
  したがって、本件各還付金請求権の消滅時効について、民法158条1項を類
 推適用することはできないと解するのが相当というべきである。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z888-2049


TAINSメールニュース No.316 2017.6.29 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
(1)裁決事例集105集を収録
  国税不服審判所のホームページに公表された平成28年10月~12月分の裁
 決事例集105集の9件を編集、収録しました。
  http://www.kfs.go.jp/service/JP/idx/105.html
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 ★裁決事例集105集…………→ 9件
  このうち、全部又は一部取消しは、下記の6件です。
 【所得税】
 J105-1-01 全部取消し 実質所得者課税 他人名義による飲食店事業
 J105-1-02 一部取消し 不動産所得/必要経費 証拠書類等の提出
 【法人税】
 J105-2-05 一部取消し 決定処分を受けた後、審査請求に至って初め
                 て審判所に提出した追加経費に係る証拠資料
 【相続税】
 J105-3-08 一部取消し 財産の評価(使用貸借)/宅地及び宅地の上
                 に存する権利
 J105-3-06 一部取消し 相続税の課税財産の認定/家族名義預金
 J105-3-07 一部取消し 評価単位/青地(旧水路)により分断されて
                 いる2つの土地
(2)税務訴訟資料第265号を収録中
  先週に引き続き、税務訴訟資料第265号を編集・収録中です。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 ★税資265号…………→ 107件
                              (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:草間 典子)
  組合の理事長に対する債務免除益/賞与と認定し源泉徴収税額ありと判断
 (平29-02-08 広島高裁 一部取消し・棄却 Z888-2087)
 
  本件は、被控訴人が、理事長であった乙に対し、乙の被控訴人に対する借入金
 債務の免除をしたところ、倉敷税務署長から、債務免除に係る経済的利益が乙に
 対する賞与に該当するとして、給与所得に係る源泉所得税の納税告知処分等を受
 けた事案です。最高裁が、債務免除当時に乙が資力を喪失して債務を弁済するこ
 とが著しく困難であったかなどの審理を尽くさせるため、広島高裁に差戻した裁
 判で、裁判所は、被控訴人に徴収すべき源泉徴収税額ありとの判断をしました。
 
  本件債務免除当時(直前)の負債が52億7722万9692円(本件債務を
 除き4億4040万8457円)、資産が17億2519万9510円と認めら
 れるのであり、資産よりも負債が3倍以上と大幅に上回っており、乙が資力を喪
 失して債務全額を弁済することが著しく困難であったと認めることができる。
  本件債務免除をした後、乙は資産が負債を大幅に上回る状態になることが認め
 られるのであり、その上回った部分である12億8479万1053円〔17億
 2519万9510円(乙の資産)-4億4040万8457円(本件債務を除
 く乙の債務)〕は、本件債務免除によって乙の担税力を増加させるものであり、
 所得税法36条1項の「経済的な利益」に該当することが認められ、この部分に
 ついては、債務を弁済することが著しく困難であるとはいえないことになる。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z888-2087


TAINSメールニュース No.315 2017.6.22 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
(1)税務訴訟資料第265号を収録中
  先週に引き続き、税務訴訟資料第265号を編集・収録中です。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 ★税資265号…………→ 77件
 
(2)税理士業における青色事業専従者給与の適正額
  この事件は、税理士業を営む原告が、妻乙に支給した青色事業専従者給与の額
 等を、事業所得の金額の計算上必要経費に算入して申告したところ、鳥取税務署
 長が、乙の労務の対価として相当であると認められる金額を超える部分等は必要
 経費に算入することはできないとして更正処分等を行ったという事案です。鳥取
 地裁は、次のように判示して、課税処分の一部を取り消しました。
 
  乙は税理士資格を有していないが、乙の労務の性質は、各使用人のそれとは質
 的に異なるものであるというべきである。また、労務の提供の程度という点にお
 いても、会計帳簿や納税申告書の最終段階のチェックを行ったり、原告事務所の
 維持に必要不可欠な労務管理の一翼を担ったりしていることを併せ考慮すると、
 使用人のそれとは質的に差があるというべきである。
  被告が類似同業者比準方式に基づいて算出した平均値は、乙の労務の性質及び
 提供の程度について、過度の抽象化に至っているとの批判を免れないというべき
 であるから、当該平均値をもって乙の労務の対価との対価関係が明確な部分の上
 限となり、これを超える部分が直ちに必要経費ではなくなるということにはなら
 ないというべきである。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z265-12775    (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:依田 孝子)
  損害賠償請求~通関業者の善管注意義務の範囲~
 (平28-09-09 東京地裁 棄却・確定 Z999-5389)
 
  この事案は、ベトナム子会社との間でジュエリー製品等の輸出入を継続的に行
 っていた原告が、その輸出入に係る通関手続を委任していた被告(通関業者)に対
 し、通関業者が通関手続において関税の特恵待遇を受けることのできる要件等の
 調査及び確認並びに原告に対する指導又は助言を怠ったことなどにより、関税の
 特恵待遇を受けることができない取引について特恵税率による輸入申告を行った
 ことから過少申告加算税を課せられ、あるいは、本来であれば特恵待遇により関
 税が免除されたにもかかわらず関税を納付せざるを得なくなったなどと主張して、
 債務不履行に基づく損害賠償を求めたものです。
  東京地裁では、次のとおり判示し、本件各取引における通関業務に関し、通関
 業者に委任契約上の債務不履行があったとは認められないと判断しました。
 
  本件各取引において、原告は、通関業者に対し、ベトナム商工省が発行したC
 TC(関税分類変更基準)による原産地証明書を添付した上で、日ASEAN包
 括的経済連携協定又は日ベトナム経済連携協定による特恵関税制度を利用した輸
 入申告手続を依頼したものというべきであり、通関業者としては、原告が依頼し
 た輸入申告手続が法令又は条約等に照らし適切でないことを容易に認識できたと
 か、提供した資料に形式的な不備があるなどといった特段の事情がない限り、原
 告が依頼したとおりの輸入申告手続を行えば足りるというべきである。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z999-5389


TAINSメールニュース No.314 2017.6.15 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
(1)TAINS研修サイトの開設について
  研修サイトを開設いたしました。ログイン後、「TAINS研修」のアイコン
 をクリックするとサイトに移動し、オンデマンド研修を受講できます。また、こ
 の研修は税理士会が実施する研修となり、視聴後に受講管理システムへのリンク
 ボタンが表示され、受講時間を登録することができます。
                         (事業部長:細田 俊男)
-------------------------------------
(2)税務訴訟資料第265号を収録中
  国税庁の<税務大学校>のホームページに公表された税務訴訟資料第265号
 の195件を編集・収録中です。
  http://www.nta.go.jp/ntc/soshoshiryo/kazei/2015/index.htm
  ≪検索方法≫ 【キーワード】Z265-*…………→ 39件
 
(3)非公開裁決/「寄附金」で一部取消し
  製造販売業等を営む請求人が、販売業務の一部を日本国の販売業者に移転した
 ことにより金員を受領し、これに伴い国外関連者に金員を支払ったところ、原処
 分庁が、この受領した金員は請求人の販売業務を当該販売業者に許諾又は譲渡し
 た対価であり、請求人に帰属し、また、当該支払った金員は国外関連者に対する
 寄附金に当たるなどとして、更正処分等を行ったという事案です。
  国税不服審判所は、下記のとおり判断し、課税処分の一部を取り消しています。
  本件総支払額には、販売権等譲渡収益に係る原価となる○○に支払うべき金額
 が含まれており、その金額は明らかではないものの総支払額の全額が寄附金と認
 められないことから、損金の額に算入されないとした部分は、取り消すべきであ
 る。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 F0-2-624→ 1件  (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:朝倉 洋子)
  交際費/専ら従業員等の慰安のために行われた「感謝の集い」
 (平29-04-25 福岡地裁 一部取消し Z888-2083)
 
  この事件は、原告が、①従業員等に対する「感謝の集い」と名付けられた行事
 に係る費用の一部及び②原告の工場内の下請企業の従業員に対して支給した「表
 彰金」と名付けられた金員を損金の額に算入して確定申告をしたところ、いずれ
 も「交際費等」に当たり、損金の額に算入することはできないとの判断に基づき、
 課税処分を受けたことから、その取消しを求めた事件です。福岡地裁は次のとお
 り判断し、更正処分等の一部を取り消しました。
 
  本件調査の際、旅行会社からも、慰安旅行において従業員に対して「目玉とし
 て食事内容をグレードアップ」し、「日ごろ口に出来ない食材を提供」すること
 の意義等が指摘されているところであって、このような旅行会社の指摘内容等に
 照らせば、旅行先それ自体に非日常性が乏しい場合、従業員の慰安目的を達成す
 るために、旅行先において従業員に提供される料理や食事の場所及び娯楽等の質
 ないし等級を上げるという形態を選択することも、社会通念上一般的に行われて
 いることであるものと認められる。
 
  本件行事に係る費用について、「日帰り慰安旅行」に係る費用額との比較を行
 うことも十分な合理性を有するというべきであり、本件行事に係る費用は、「日
 帰り慰安旅行」に係る費用額と比較すれば、通常要する程度であるといえる。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z888-2083


TAINSメールニュース No.313 2017.6.8 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
(1)税務訴訟資料第265号を収録中
  国税庁の<税務大学校>のホームページに、税務訴訟資料第265号が、公表
 されました。平成27年1月~12月言渡しの「課税関係判決」195件です。
  http://www.nta.go.jp/ntc/soshoshiryo/kazei/2015/index.htm
 
  内訳は、下記のとおりです。
    所得税   90件
    法人税   52件
    相続税   44件
    消費税    8件
    その他国税  1件
 
(2)平成29年分の路線価図等の公開予定日について
  平成29年分の路線価図等は、7月3日(月)午前10時に公開される予定で
 す。
  http://www.nta.go.jp/pdf/0017004-028.pdf
 
(3)キーワードランキング第一位は?
  平成28年6月から、平成29年5月までの「検索キーワードランキング20
 」の検索結果では、12か月中11か月で消費税が第一位を占めています。
  https://app.tains.org/search-edit/search/rank/
                              (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:大高 由美子)
 固定資産税評価額で売買された船舶/適正額(請求人評価額)との差額は寄附金
 (平28-05-19 非公開裁決 一部取消し F0-2-647)
 
  請求人が関連法人に船舶を譲渡したことに関し、原処分庁が、譲渡価格は、適
 正な価額に比して低額であるとして法人税の更正処分等を行ったのに対し、請求
 人が、譲渡価格は適正な価額であるなどとして、原処分の全部の取消しを求めた
 事案です。審判所は次のとおり判断し、更正処分等の一部を取り消しました。
 
  法人税法には、船舶を譲渡した場合における適正な価額を評価する方法につい
 ての定めがないことから、船舶の適正な価額の算定に当たっては、船舶の事実的
 支配が移転した時点における現況を考慮した評価方法によるべきである。
  請求人が、コストアプローチ(原価法)、マーケットアプローチ(取引事例比
 較法)及びインカムアプローチ(収益還元法)の三方式の中からコストアプロー
 チによる評価額を採用したことについて合理性が担保されているといえる。
  請求人評価額は、船舶の事実的支配が移転した時点における現況を考慮し、合
 理的かつ適切な評価方法により算定されたものといえることから、請求人評価額
 をもって適正な価額と認めることが相当である。
  請求人は、船舶の譲渡において、関連法人に対して適正な価額と取引金額(固
 定資産税評価額)の差額に相当する金額を実質的に贈与したものというべきであ
 り、その差額は法人税法第37条第1項の寄附金に該当する。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 F0-2-647


TAINSメールニュース No.312 2017.6.1 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
(1)一部サービス停止のお知らせ
  下記の日程でシステム改修に伴う臨時メンテナンスを行います。
  会員の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご理解の程宜しくお願い申し上
 げます。
                        (システム部長:髙橋 誠)
  日時:平成29年6月7日(水)19:00~20:00まで
  作業時間帯はすべてのご利用ができません。
 
(2)非公開裁決が1840件に!
  裁決事例の収録件数は、本日現在、4,323件ですが、そのうち、非公開裁
 決は、1,840件です。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 非公開裁決…………………→1840件
 
  非公開裁決のうち、全部取消しは、334件、一部取消しは、739件です。
 公表裁決の場合は、全部取消しは、260件、一部取消しは、490件です。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 非公開裁決 全部取消し……→334件
                非公開裁決 一部取消し……→739件
                              (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:市野瀬 啻子)
  使用人兼務役員該当性/株主名簿に記載されていない取締役
 (平28-06-24 非公開裁決 棄却 F0-2-635)
 
  本件は、請求人A社が、取締役甲(代表者の長男)に支給した給与について、
 原処分庁が、甲は使用人兼務役員とは認められないとして、更正処分を行ったの
 に対し、A社が、甲は株主名簿に株主として記載されていないことなどから、法
 人税法上の株主には当たらず、支給した給与はその全額が損金の額に算入される
 として、処分の取消しを求めた事案です。審判所は、次のように判断しました。
 
  A社における株主名簿については、昭和63年頃から名義書換えがされておら
 ず、株主を把握する機能を果たすことなく形骸化しているため、法基通9-2-
 7の取扱いの趣旨及び本件事実関係の下での株式の実際の権利者については、株
 式の取得経緯、株式の譲渡承認、株主総会における議決権の行使状況、取得後の
 利益配当等を総合的に考慮して認定されるべきである。
  甲は、前代表者(祖父)から遺贈により株式を取得し、取締役会において当該
 株式の譲渡が承認され、株主総会において議決権を行使していたこと等の事情を
 総合的に考慮すると、甲はA社の株主であることが認められる。
  以上によれば、甲は、同族会社であるA社の役員で、その第1順位の株主グル
 ープに属し、かつ、A社に係る株式の所有割合が5パーセントを超えていること
 から、甲は、使用人兼務役員に該当しないこととなる。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 F0-2-635


TAINSメールニュース No.311 2017.5.25 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
 税賠事故例16件を収録
  「税理士界平成29年5月号」から、税理士職業賠償責任保険の事故例16件
 を収録しました。
 ☆保険金が支払われた事例 14件
 ・前事業年度が特定期間に該当しなかったため還付不可税額が発生した事例
 ・所得拡大促進税制の適用を失念し過大納付税額が発生した事例
 ・課税仕入れ等に係る消費税の区分を誤って過大納付税額が発生した事例
 ・受取配当等の益金不算入/控除負債利子が過大となった事例
 ・小規模宅地の特例/適用地の選択ミスにより相続税が過大納付となった事案
 ・株式を誤って過大評価したことで過大納付税額が発生した事例
 ・不整形地の評価減を失念した結果過大納付税額が発生した事例
 ・宗教法人への遺贈/相続税を過大に納付した事例
 ・依頼者の法人県民税及び法人市民税/均等割が過大納付となった事案
 ・コンテナフレートステーションの課税標準の特例の適用を失念した事例
 ・「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」提出失念/還付不能となった事例
 ・「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」の提出を失念した事例
 ・決算賞与の損金算入失念により過大納付となった事例
 ・相続時精算課税選択届出書提出失念により過大納付税額が発生した事例
 
 ★保険金が支払われなかった事例
 ・措置法26条(社保診療報酬の所得計算の特例)の適用を失念した事案
 ・ふるさと納税制度に係る控除限度額の算定を誤った事例   (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:藤原 眞由美)
  非課税取引~「住宅の貸付け」に転貸及び再転貸が含まれるか否か
 (平28-09-07 公表裁決 棄却 J104-6-12)
 
  本件は、請求人が、建物の賃貸借取引について、課税資産の譲渡等に該当する
 として当該建物に係る消費税及び地方消費税の還付を求める旨の確定申告を行っ
 たところ、原処分庁が、消費税等の更正処分等をしたのに対し、請求人がその全
 部の取消しを求めた事案です。請求人は、建物を平成26年8月18日にF社か
 ら売買により取得し、同日付でF社との間で本件賃貸借契約を締結しています。
  審判所は、次のとおり判断し、請求を棄却しました。
 
  消費税法上、住宅の貸付けが非課税とされている趣旨は、住宅の貸付けを行う
 事業者が賃借人に対し、消費税相当額を転嫁しないことにより、住宅賃借人を政
 策的に保護することにあり、消費税法第6条《非課税》に規定する別表第一第1
 3号に掲げる「住宅の貸付け」の貸付けとは「当該貸付けに係る契約において人
 の居住の用に供することが明らかにされているものに限る」とされていることか
 らすれば、消費税法基本通達6-13-7《転貸する場合の取扱い》の適用範囲
 を限定しようとする請求人の主張に合理性は認められず採用できない。
  本件賃貸借契約において、賃借人であるF社が本物件を住宅(人の居住の用に
 供する家屋等)として転貸することが本件賃貸借契約書その他において明らかで
 あるから、本件賃貸借取引は「住宅の貸付け」に該当し、全額が非課税取引とな
 る。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 J104-6-12


TAINSメールニュース No.310 2017.5.18 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
 判決速報8件を収録
 ・判決速報1413 所法212条1項は、国内源泉所得の支払者に支払の相手
  が「非居住者」であるか否かを確認すべき義務を負わせているものと解するの
  が相当であるから、支払者は、その支払の際に、支払の相手に対し客観的な事
  情を具体的に質問して確認する必要があるとされた事例
 ・判決速報1414 米国ワシントン州に所在する本件のLPSは、我が国の租
  税法上の法人に該当し、その事業により生じた損益は、原告ではなく当該LP
  Sに帰属する。
 ・判決速報1415 X社が計上した商業ビルの譲渡原価は架空であり、損金と
  して主張する簿外の経費及び貸倒損失はいずれも存在しない。
 ・判決速報1416 前代表取締役の分掌変更後も、役員としての地位又は職務
  の内容が激変して実質的に退職したと同様の事情にあったとは認められない
 ・判決速報1417 特許業務法人の社員は、法人税法上の役員に該当し、使用
  人兼務役員には該当しないとされた事例
 ・判決速報1418 匿名組合契約に基づく「利益の分配」と称してされた支払
  行為については、匿名組合員に「利益の分配」としての経済的利益が帰属し、
  課税要件が充足された以上、その経済的利益が解消されない限り、「利益の分
  配」に当たることを否定することはできないとされた事例
 ・判決速報1422 米国ワシントン州に所在する本件LPSは、我が国の租税
  法上の法人に該当し、その事業により生じた損益は原告ではなくLPSに帰属
 ・判決速報1426 ①国税通則法23条2項1号の「計算の基礎となった事実
  の範囲について争われた事例、②職務執行停止仮処分中の役員報酬等の損金算
  入の可否について争われた事例              (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:岩崎 宇多子)
  ロータリークラブの会費は必要経費に算入されるか否か
 (平28-07-19 非公開裁決 棄却 F0-1-651)
 
  弁護士業を営む請求人が、ロータリークラブの会費を事業所得の金額の計算上
 必要経費に算入して申告したところ、原処分庁が、当該会費は必要経費に算入さ
 れないとして所得税等の更正処分等をした事案です。
  審判所は、次のように判断し、請求人の主張を棄却しました。
 
  本件ロータリークラブは、定款に従って、各種の奉仕活動等をしていたものと
 認められるが、請求人が本件クラブの会員として行う活動を社会通念に照らして
 客観的にみれば、その活動はいずれも営利性、有償性を有しておらず、請求人が
 弁護士としてその計算と危険において報酬を得ることを目的として継続的に法律
 事務を行う経済活動に該当するものではないというべきである。
  本件各会費は、請求人が本件クラブの会員であることから支出したものであり、
 請求人の所得を生ずべき事業と直接関係し、かつ、当該事業の遂行上必要である
 とは認められず、事業所得の金額の計算上必要経費に算入されない。
  請求人は、所得税法第37条第1項に規定する「所得を生ずべき業務について
 生じた費用」の解釈について、東京高裁判決(平24年9月19日・Z262-
 12040)が判示するとおり、法令の文言の解釈を逸脱している旨主張するが、
 高裁判決は、弁護士が、弁護士会等の役員等として行う活動で支出した費用の一
 部について、必要経費に算入することを認めた事案であって、かかる事情を認め
 ることができない本件とは事案を異にするものといわざるを得ない。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 F0-1-651


TAINSメールニュース No.309 2017.5.11 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
(1)収録済み情報の総件数
  TAINSの総収録件数が、4万1000件を超えました。
  TAINSにログインし、検索トップ画面上部中央の「収録情報の一覧」とい
 うアイコンをクリックすると、現在の収録情報の税目別・情報区分別の一覧表が
 表示されます。
 
  収録判決の総件数も1万2000件を超えました。
 
(2)「士」業に関する損害賠償請求事件を収録中
  税理士損害賠償請求事件については、悉皆的に収録していますが、その他にも、
 司法書士、弁護士等の専門家責任に関する損害賠償請求事件に関する判決を収録
 中です。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】
  税理士損害賠償……………………→ 136件
  司法書士損害賠償…………………→  19件
  弁護士損害賠償……………………→  14件
  公認会計士損害賠償………………→   7件
  行政書士損害賠償…………………→   2件
  監査法人損害賠償…………………→   2件
  土地家屋調査士損害賠償…………→   1件
                              (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:小菅 貴子)
  先物取引に係る損失の繰越控除/確定申告書の連続申告要件
 (平28-06-06 非公開裁決 棄却 F0-1-617)
  本件は、請求人が、平成23年中に生じた先物取引の差金等決済に係る損失の
 金額を平成25年分の先物取引に係る雑所得の金額の計算上控除すべきであると
 して更正の請求をしたところ、原処分庁が、平成24年分の確定申告書を提出す
 る前に平成25年分の確定申告書を提出したことにより租税特別措置法第41条
 の15第3項に規定する「連続して確定申告書を提出している場合」には当たら
 ないとして更正をすべき理由がない旨の通知処分を行ったため、請求人がその取
 消しを求めた事案です。審判所の判断は次のとおりです。
 
  措置法が、同法第41条の15第3項所定の手続要件を満たした場合に限って
 先物取引の差金等決済に係る損失の金額の繰越控除の特例を認めるのは、本件特
 例が飽くまで例外であり、適用を受けるか否かを納税者の選択に委ねるとともに、
 申告納税制度の下では、納付すべき税額は確定申告書の提出により確定するため、
 先物取引に係る雑所得等の金額についても、繰越控除を受けようとする年分の確
 定申告書の提出時に、繰越控除をすることができる損失の金額が確定している場
 合に限るとの趣旨と解され、本件特例の手続要件は、繰越控除を受けようとする
 年分の確定申告書の提出時に充足していることを要するものと解される。
  本件は、請求人が、本件繰越損失額を控除する旨の平成25年分確定申告書を
 提出した時に、平成24年分の確定申告書が提出されていないから、同条同項に
 規定する「連続して確定申告書を提出している場合」に該当しない。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 F0-1-617


TAINSメールニュース No.308 2017.4.27 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
(1)一部サービス停止のお知らせ
  下記の日程でシステム改修に伴う臨時メンテナンスを行います。
  会員の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご理解の程宜しくお願い申し上
 げます。
                        (システム部長:髙橋 誠)
  日時:平成29年5月8日(月)19:00~20:00まで
  作業時間帯は情報の保存(GW)及び情報の共有(SNS)機能のご利用がで
 きません。
  なお、ホームページと検索機能は通常どおりご利用いただけます。
 
(2)司法書士損害賠償請求事件を収録
  認定司法書士の代理権の範囲について判示した、平成28年6月27日最高裁
 判決は、既に本年1月に裁判所のホームページから収録済みでしたが、今週、下
 級審判決を収録しました。
 
  平成24年3月13日和歌山地裁判決 Z999-2149
  平成26年5月29日大阪高裁判決  Z999-2150
 
  なお、司法書士損害賠償請求訴訟の収録件数は下記のとおりです。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 司法書士損害賠償…………→  18件
                              (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:草間 典子)
  タックスヘイブン対策税制/主たる事業を「地域統括事業」と判断
 (平29-01-26 名古屋地裁 一部取消し・却下 Z888-2066)
 
  デンソー事件は、平成20年3月期及び同21年3月期の事業年度についてタ
 ックスヘイブン対策税制の適用があるか否かが争われた訴訟では、デンソー側が
 最高裁に上告をしています。平成22年3月期及び同23年3月期の更正処分に
 ついても訴訟が提起され、名古屋地裁で判断がありました。
  裁判所は、従業員の大半が地域統括業務に従事している等の認定事実により、
 シンガポール子会社であるA社の主たる事業は株式保有業ではなく、地域統括事
 業であったとし、A社は、タックスヘイブン対策税制の適用除外要件をいずれも
 満たすと判断しました。
 
  特定外国子会社等が株式の保有に係る事業の他に実体的な事業活動をしており、
 これを当該国において行うことに十分な経済合理性がある場合には、当該事業が
 主たる事業であるかどうかを検討しなければならないのは当然のことであり、た
 とえ株式の配当による所得金額が大きいとしても、株式保有以外の実体的な事業
 活動が現実に行われており、当該事業活動に相応の経営資源が投入されている場
 合には、事業基準(株式の保有等を主たる事業とするものでないこと)を満たす
 と解することこそが、タックスヘイブン対策税制の制度趣旨にかなうものという
 べきである。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z888-2066


TAINSメールニュース No.307 2017.4.20 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
(1)「消費税の軽減税率制度に関するQ&A」を収録
  消費税法改正により、平成31年10月1日から消費税及び地方消費税の税率
 が8%から10%へ引き上げられます。
 
  平成28年4月、「国税庁消費税軽減税率制度対応室」作成の「消費税の軽減
 税率制度に関するQ&A」(制度概要編)と(個別事例編)を収録しました。
 
 ≪検索方法≫ 【税区分】   消費税
        【キーワード】 軽減税率制度 平成28年4月・・・109件
 
(2)ランキング20から
  TAINSの税法データベースにログインすると、画面上部に8つのアイコン
 が並んでいます。
 
  このうち、右から4番目のアイコンが「ランキング20」で、毎月、税法デー
 タベースを利用するに当たって使われたキーワードの上位20個のランキングを
 知ることができます。
 
  平成28年4月から29年3月までの過去1年間に、検索に使われたキーワー
 ドランキングでは、12か月中10か月までを「消費税」が占めています。
 
                              (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:依田 孝子)
  小規模宅地等の特例~区分所有建物の登記がされている二世帯住宅の敷地~
 (平28-09-29 公表裁決 棄却 J104-4-10)
 
  被相続人の長男(兄E)及び二男(弟G)は、相続財産である238.38㎡
 の宅地(本件宅地)の持分を2分の1ずつ相続により取得しました。本件宅地上
 には1棟の建物(本件建物)があり、1階の専有部分(被相続人と弟Gの共有)と2
 階の専有部分(兄Eの単独所有)で、それぞれ区分登記がされていました。
  この事案では本件宅地全体に小規模宅地等の特例(平成23年改正前の措置法
 69条の4)を適用することができるか否かが争われました。
 
  本件建物は、1階部分及び2階部分がそれぞれ区分登記され、構造上も各々別
 々に生活できる設備・構造を備え、現実に生活も別々に営まれていたから、被相
 続人の居住の用に供されていた「家屋」は、本件建物の1階部分に限られ、2階
 部分に居住していた兄Eは、同居していた親族に該当しない。また、兄Eは、本
 件建物の2階部分を区分所有し、そこに居住していたのであるから措置法69条
 の4第3項2号ロの要件を満たさない。さらに、兄Eは被相続人と生計を一にし
 ていた親族に該当しないので、同項2号ハの要件を満たさない。
  したがって、本件宅地のうち、被相続人らの居住の用に供されていた1階部分
 の敷地に相当する宅地で、被相続人と同居していた弟Gが相続した部分のみが、
 特定居住用宅地等として小規模宅地等の特例の適用対象となり、その他の部分は
 特例を適用することができない。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 J104-4-10


TAINSメールニュース No.306 2017.4.13 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
(1)残波事件控訴審判決を収録
  残波事件の控訴審判決(平成29年2月23日東京高裁)を収録しました。
 
  昨年、ゴールデンウィーク直前の4月28日付け「TAINSメールニュース
 ナンバー261」で、判決要旨をご紹介し、その後、全文を収録した残波事件の
 控訴審判決です。
  東京高裁判決は、下欄【2】今週の判決等で紹介するとおりですが、下記のキ
 ーワードにより、裁決から、地裁判決、高裁判決までの3件を、一気に検索する
 ことができます。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 残波事件…………→ 3件
 
(2)最新収録情報の探し方
  例えば、今月、データベースに収録されたばかりの最新情報を知りたいという
 場合には、下記のとおり検索してください。(TAINSキーワード詳細検索を
 選びます。)
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 ☆2017年04月収録分…→23件
  同様に、今年、データベースに収録された情報のすべてを知りたいという場合
 は、下記のとおり検索します(アスタリスクは半角です。)。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 ☆2017年*…→ 675件(朝倉 洋子)


【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:朝倉 洋子)
  残波事件/役員報酬、役員給与の適正額
 (平29-02-23 東京高裁 棄却 Z888-2065)
 
  役員の経営能力を別個の判断要素として考慮することは、何をもって役員の能
 力と評価すべきかあいまいであり、主観的・恣意的要素を判断要素に加えること
 になるから相当ではない。控訴人の指摘する経営分析指標と個々の役員報酬額と
 の関係について確立された一般的な理解があるとはうかがわれず、控訴人の経営
 分析に係る指標の数値は、類似法人の代表取締役又は取締役の役員報酬ないし役
 員給与の最高額を超える額を支給することが不相当であるとの認定判断を覆すに
 足りるものではない。
 
  使用人に対する給与の支払の状況を本件役員給与に不相当に高額な金額がある
 か否かの判断要素の一つとすることは、旧法人税法施行令等の定めからして当然
 である。
  控訴人は、平成19年2月期の役員給与支給額は平成19年2月期の収益状況
 により増減させることはできないのであるから、平成19年2月期の収益状況悪
 化を根拠に、本件役員らの給与が過大であるとすることは不当である旨主張する
 が、控訴人の収益状況が客観的にいかなる状態であったかを本件役員ら給与に、
 不相当に高額な金額があるか否かの判断要素の一つとすることは、旧法人税法施
 行令等の定めからして当然であり、控訴人の主張は失当である。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z888-2065


TAINSメールニュース No.305 2017.4.6 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
 「資産税審理研修資料」を収録
  平成28年7月、「東京国税局課税第一部資産課税課・資産評価官」作成の「
 資産税審理研修資料」を「相談事例」と「個別通達」に収録しました。
 
  収録項目は、下記のとおりです。
 
 Ⅰ 平成28年度税制改正の概要
 Ⅱ 未成年者である場合の相続手続及び相続税の申告について
 Ⅲ 相続税及び贈与税に係る国際課税の基礎知識
 Ⅳ 公益法人等に財産を寄附した場合の譲渡所得等の非課税の特例(措法40)
  のあらまし
 Ⅴ 延滞税・加算税に係る平成28年度改正の概要
 Ⅵ 送達及び更正通知書に係る基礎知識
 Ⅶ 個人立幼稚園の教育用財産に対する相続税の非課税事務
 Ⅷ 相続税の審理上の留意点
 Ⅸ 贈与税の審理上の留意点
 Ⅹ 譲渡所得の審理上の留意点
 ⅩⅠ 財産評価の審理上の留意点
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 資産税審理研修資料 平成28年7月
  所得税 4件、相続税 36件、その他 1件(URL原本) 計41件
                              (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:大高 由美子)
  消費税の帳簿不提示/無申告加算税/やむを得ない事情に当たらない
 (平28-6-21 非公開裁決 棄却 F0-5-162)
 
  請求人が、消費税等の確定申告をしなかったところ、原処分庁が、消費税法3
 0条7項に規定する帳簿及び請求書等を保存しない場合に該当するとして、仕入
 税額控除をしないで、消費税等の各決定処分及び無申告加算税の各賦課決定処分
 を行ったのに対し、請求人が各決定処分は調査により行われたものではなく、帳
 簿及び請求書等を保存しており、それらを提示できなかったことについてやむを
 得ない事情があったとして、処分の全部の取消しを求めた事案です。
  審判所は次のとおり、処分は調査により行われたものであり、帳簿保存ができ
 なかったやむを得ない事情はなかったと判断しました。
 
  調査担当職員が、取引先金融機関に対し、請求人の預金口座に係る調査を行っ
 たことは認定したとおりであり、これ自体が通則法25条の調査に該当すること
 は明らかというべきである。
  請求人は、調査の時期が、請求人の繁忙期や、代表者の所得税の確定申告に関
 する調査の時期と重なってしまったなどと主張する。しかしながら、かかる事情
 が消費税法30条7項ただし書に規定する「災害その他やむを得ない事情」に該
 当する事情でないことは明らかである。経理担当者のパソコンが壊れたのも、各
 課税期間より前の出来事である。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 F0-5-162


TAINSメールニュース No.304 2017.3.30 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
(1)今週収録した裁決のうち、課税処分の一部が取り消された裁決の一覧です。
 ・平28-09-08公表裁決 請求人が立替払したと認められる金額は、全て
    総収入金額から除外したとの原処分庁の主張を一部排斥した事例
 ・平28-09-08公表裁決 原処分庁が選定した類似同業者の中に選定基準
    に該当しない事業者が含まれていたと認定した事例
 ・平28-08-10公表裁決 本件における飲食店の経営主体が請求人である
    旨の原処分庁の主張を排斥した事例
 ・平28-07-06公表裁決 請求人の子会社が複数の外国法人と締結した契
    約の当事者が、当該子会社ではなく請求人であるとはいえないとした事例
 ・平28-07-04公表裁決 当初から所得を過少に申告する意図を有してい
    たと認められるものの、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動を
    認めることはできないとして、重加算税の賦課決定処分を取り消した事例
 ・平28-08-22公表裁決 各店舗の収益の帰属は、当該各店舗の営業許可
    の名義人ではなく請求人であるとした事例
 ・平16-10-12非公開裁決 宗教法人が、法要代行者に支払った金員が給
    与に該当するとして行われた源泉徴収に係る納税告知処分が全部取り消さ
    れた事例
 ・平28-09-26公表裁決 審判所認定地域が各土地に係る広大地通達に定
    める「その地域」に当たると判断した事例
 ・平28-09-28公表裁決 登録価格のない土地の課税標準について、当該
    土地の近傍に存する土地の登録価格を基礎として算定した事例     
                              (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:市野瀬 啻子)
  重加算税/「過少申告の意図を外部からもうかがい得る特段の行動」の有無 
 (平28-07-04公表裁決 一部取消し J104-1-02)
 
  本件は、原処分庁が、請求人は、医療機関に対する診療放射線技師の派遣事業
 で多額の利益が生じているにもかかわらず、税を免れることを意図し、その意図
 に基づいて帳簿書類をあえて作成せずに、内容虚偽の所得税等の申告を行ったこ
 とが認められるとして重加算税の賦課決定処分をした事案です。
  審判所は、請求人は当初から所得を過少に申告する意図を有していたと認めら
 れるものの、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動を認めることはでき
 ないとして、重加算税の一部を取り消しました
 
  請求人は、請求書等については自らパソコンで作成していること、事業収入は、
 全て請求人が管理する口座に入金されていること、契約書、請求書などの書類等
 についてもこれらを破棄することなく、パソコン等に保存していたことからする
 と、請求人が帳簿を作成していないのは、これらの書類等により、派遣事業に関
 する収入金額、必要経費及びおおよその利益を把握することができたためである
 可能性が残り、請求人が派遣事業に関する正当な収入金額、必要経費及び所得金
 額を秘匿するためにあえて帳簿を作成しなかったとまでは断定し難い。
  したがって、請求人が帳簿を作成していなかったことをもって、過少申告等の
 意図を外部からもうかがい得る特段の行動とまでは評価することができない。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 J104-1-02


TAINSメールニュース No.303 2017.3.23 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
(1)士業に係る損害賠償請求訴訟
  税理士損害賠償請求訴訟を初めとして、「士業」に係る損害賠償請求訴訟は増
 加の一途を、たどっています。
  士業全体に係る損害賠償請求訴訟を検索する方法は、下記のとおりです。
  【地裁・高裁・最高裁】を選びます。
    *士損害賠償……………………→166件
 
(2)各士業別の検索結果
  各士業別の検索については、下記のとおりです(重複あり)。
    税理士損害賠償………………→ 133件
    司法書士損害賠償……………→  16件
    弁護士損害賠償………………→  10件
    公認会計士損害賠償…………→   7件
    行政書士損害賠償……………→   2件
 
(3)年代別の検索結果
  年代別に検索すると、下記のとおりとなります。
    昭和   ……………………→   3件
    平成元~10年………………→  38件
    平成11年~20年…………→  81件
    平成21年~29年…………→  44件
                              (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:藤原 眞由美)
  移転価格税制~独立企業間価格の算定(残余利益分割法)で一部取消し
 (平28-06-21 非公開裁決 一部取消し・棄却 F0-2-636)
 
  本件は、請求人が国外関連者との間で行ったライセンス契約に基づくロイヤル
 ティに係る取引について、当該国外関連者から支払を受ける対価の額が独立企業
 間価格に満たないなどとして、原処分庁が更正処分等を行ったのに対し、請求人
 がその一部の取消しを求めた事案です。争点は、(1)原処分庁がした残余利益
 分割法による独立企業間価格の算定の適否、(2)原処分庁が独立企業間価格の
 算定方法として、残余利益分割法を適用したことの合理性の有無です。
 
  原処分庁は、利益分割法の一態様として認められる残余利益分割法を適用して
 独立企業間価格を算定しているところ、その適否については措置法66条の4の
 規定等に従って算定されているか否かという観点から問題とされるべきであり、
 そうした算定過程の検証とは別に、計算結果そのものを捉えてその適否を論じる
 余地はない。本件においては、請求人及び国外関連者が、いずれも重要な無形資
 産を有し、その貢献により重要な無形資産を有しない非関連者間取引において通
 常得られる利益(基本的利益)を超える利益(残余利益)を得ていたと認めるこ
 とができるから、独立企業間価格の算定に当たっては、残余利益分割法を用いて
 行うのが最も適切であるというべきである。なお、原処分には、比較対象法人の
 選定に誤りがあり、残余利益の分割に係る指標は、各事業年度分の1年間の売上
 高の金額を用いて算出することが合理的であり、一部を取り消す。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 F0-2-636


TAINSメールニュース No.302 2017.3.16 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
(1)サービス停止のお知らせ
  下記の日程でシステム改修に伴う臨時メンテナンスを行います。
  会員の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご理解の程宜しくお願い申し上
 げます。
                        (システム部長:髙橋 誠)
  日時:平成29年3月16日(木)19:00~21:00まで
  作業時間帯はすべてのご利用ができません。
 
(2)最新収録情報から
  確定申告期間中にTAINSに収録された情報は74件、このうち、納税者の
 主張が認められた判決・裁決は1件です。
  (重加算税/インターネット販売における売上除外)F0-1-610
  当初から電子教材販売業に係る所得を過少に申告する意図の下、クレジット決
 済分のみ売上げに計上し、銀行振込分に係る売上げを隠匿又は故意に脱漏し、自
 宅用の土地建物の取得資金などに充てていたものと認められるとして重加算税の
 賦課要件を満たしていると認めた事例(平28-04-15裁決)
  なお、重加算税の全部又は一部が取り消された判決・裁決を検索する方法は、
 下記のとおりです。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 220重加算税(全部取消し)→188件
                110重加算税(一部取消し)→302件
                              (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:岩崎 宇多子)
  歩道状空地の「私道の用に供されている宅地」の減額の要否及び程度
 (平29-02-28 最高裁 破棄差戻し Z888-2047)
 
  共同相続人である上告人らが、相続財産である土地の一部(各歩道状空地)に
 つき、財産評価基本通達の24に定める私道の用に供されている宅地として相続
 税の申告をしたところ、相模原税務署長から、これを貸家建付地として評価すべ
 きであるとしてそれぞれ更正処分等を受けたため、被上告人を相手に、各処分の
 取消しを求める事案です。
  この事案は、メールニュース№278で東京高裁の判決をご紹介しましたが、
 最高裁判所において、「原審の判断には、相続税法22条の解釈適用を誤った違
 法がある」とし、次のように説示して、裁判官全員一致の意見で、原判決を破棄
 し、更に審理を尽くさせるため、東京高等裁判所に差し戻しました。
 
  相続税に係る財産の評価において、私道の用に供されている宅地につき客観的
 交換価値が低下するものとして減額されるべき場合を、建築基準法等の法令によ
 って建築制限や私道の変更等の制限などの制約が課されている場合に限定する理
 由はなく、そのような宅地の相続税に係る財産の評価における減額の要否及び程
 度は、私道としての利用に関する建築基準法等の法令上の制約の有無のみならず、
 当該宅地の位置関係、形状等や道路としての利用状況、これらを踏まえた道路以
 外の用途への転用の難易等に照らし、当該宅地の客観的交換価値に低下が認めら
 れるか否か、また、その低下がどの程度かを考慮して決定する必要があるという
 べきである。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z888-2047


TAINSメールニュース No.301 2017.3.9 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
(1)サービス停止のお知らせ
  下記の日程でシステム改修に伴う臨時メンテナンスを行います。
  会員の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご理解の程宜しくお願い申し上
 げます。
                        (システム部長:髙橋 誠)
  日時:平成29年3月16日(木)19:00~21:00まで
  作業時間帯はすべてのご利用ができません。
 
(2)個別通達「番号制度導入後の申告書等の閲覧及び扶養是正情報等の提供に係
  る運用について」(指示)(課個1-83)を収録
 
  ≪検索方法≫ 【キーワード】 番号制度 扶養是正情報 ……→ 1件
 
(3)「検索キーワードランキング20」から
  TAINSの会員は、実際に毎月検索で使用されたキーワードの上位20位ま
 でについて、下記のURLで、確認することができます。
 
   https://app.tains.org/search-edit/search/rank/
 
  これによれば、過去12か月中、10か月はキーワード「消費税」が第一位を
 占めているということが判ります。
                              (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:小菅 貴子)
  無申告加算税の正当な理由/e-Taxによる申告データの送信
 (平28-05-24 非公開裁決 棄却 F0-1-619)
  本件は、請求人が、原処分庁の指摘を受けて法定申告期限後に平成26年分の
 所得税等の確定申告書を提出したところ、原処分庁が、無申告加算税の賦課決定
 処分を行ったのに対し、請求人が、当該賦課決定処分の全部の取消しを求めた事
 案です。審判所は、次のとおり判断し、請求人の請求を棄却しました。
 
  請求人が送信したとする申告データは、法定申告期限までに国税庁の電子計算
 機に備えられたファイルに記録されていないことが認められるから、請求人が、
 法定申告期限内に所得税等の確定申告書を提出したとは認められない。
  請求人は、法定申告期限内に申告できなかったのは、エラーメッセージが表示
 されないe-Taxのシステムに原因があり、請求人に落ち度はない旨主張する
 が、e-Taxでは、申告データを送信した際、正常に受信できなかった場合は、
 その旨のエラーメッセージが表示されると認められるところ、本件申告データの
 送信に係るエラーメッセージの表示がされなかったとすれば、それは請求人が本
 件申告データの送信をしなかったことを裏付ける事実にほかならない。
  そうすると、請求人が確定申告書を法定申告期限までに提出できなかった理由
 は、請求人が申告データの送信をしなかったからであるといわざるを得ないから、
 真に請求人の責めに帰することのできない客観的な事情があるとはいえず、無申
 告加算税の趣旨に照らしてもなお請求人に無申告加算税を賦課することが不当又
 は酷になるとはいえない。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 F0-1-619


TAINSメールニュース No.300 2017.3.2 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
 ☆★☆ メールニュース 300号です!
 今週収録した最新判決・裁決
 ・F0-1-615  還付申告/給与所得発生の有無
 ・F0-1-616  重加算税/架空源泉徴収票による還付申告
 ・F0-1-619  無申告加算税の正当な理由/e-Taxによる申告デー
            タの送信
 ・F0-1-620  FX取引に係る損益の確定時期
 ・F0-1-614  勤務医の通勤手当/医療法人が用意したマンションと病
            院間の往復か、遠方の自宅とマンション又は病院間か
 ・F0-1-593  所得区分/鉄砲の製造等に係る業務から生じた損失
 ・Z888-2043 出資持分の低額譲受/配当還元方式でなく原則的評価方
            式
 ・F0-2-640  国庫補助金該当性/土地区画整理事業
 ・F0-3-467  無申告加算税/正当な理由
 ・Z888-2040 貸付金債権の評価/評基通205「その回収が不可能又
            は著しく困難」の意義
 ・Z888-2039 面大地の評価/路線価方式・広大地補正率・宅地造成費
            の合理性/無利息保証金
 ・Z999-5373 売買契約における「動機の錯誤の有無/公園用地に係る
            収用等の場合の課税特例の不適用
 ・Z999-6100 濫用的会社分割/詐害行為取消権行使に基づき会社分割
            の取消しと価格賠償を認容      (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:草間 典子)
  不動産売買代金に対する源泉徴収義務と非居住者であるかの調査確認の程度
 (平28-05-19 東京地裁 棄却 Z888-2035)
 
  本件は、不動産会社である原告が、Pとの間で不動産の売買契約を締結し、売
 買代金等を支払ったところ、処分行政庁から、Pは非居住者に該当し、原告は不
 動産売買代金について源泉徴収義務を負うとして、源泉所得税の納税告知処分を
 受けたことに対し、その処分の取消しを求めた事案です。
  争点は、Pが非居住者であるか及びPが非居住者であるかの調査確認を原告が
 十分に行っていたのかです。
 
  Pは、本件支払日において、①日本国内に住所を有しておらず、②支払日まで
 引き続いて1年以上日本国内に居所を有していなかったのであるから、本件支払
 日において、所得税法上の「非居住者」であったというべきである。
  原告の担当者は、Pの住所として、米国住所を送金依頼書に記入していたこと
 に鑑みれば、Pが非居住者である可能性をも踏まえて、Pに対し、その具体的な
 生活状況等(例えば、Pの出入国の有無・頻度、米国における滞在期間、米国に
 おける家族関係や資産状況等)に関する質問をするなどして、Pが非居住者であ
 るか否かを確認すべき注意義務を負っていたというべきであり、Pの住民票等の
 公的な書類を確認したからといって、そのことのみをもって、原告が本件注意義
 務を尽くしたということはできない。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z888-2035


TAINSメールニュース No.299 2017.2.23 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
 最新判決・裁決の検索方法
  TAINSに収録されている最新の判決・裁決を検索するには、下記のように、
 検索してください。
 
 ・ログインしたら、画面左下の「TAINSキーワード詳細検索」をクリックし
  ます。
 ・例えば、キーワード入力窓に、判決年を「H29-*」と入力してみます。
  (アスタリスクは半角、「-」は全角のマイナスを入力します。)
 ・検索結果は、下記の「今週の判決等」で紹介する最高裁判決ほか1件の平成2
  9年に言い渡された判決が収録されているということが判ります。
 
 ≪検索結果≫
 1.税目/相続税 平成29年1月25日東京高裁判決
   広大地の評価/その地域における標準的な宅地との比較(棄却)
 
 2.税目/その他 平成29年1月31日最高裁判決
   節税目的の養子縁組の有効性/「当事者間に縁組をする意思がないとき」の
   当否(破棄自判)
 
 ・同様に、「H28-*」で検索すると、平成28年に言い渡された最新判決が
  55件、最新裁決が73件であるということが判ります。
                              (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:依田 孝子)
  節税目的の養子縁組~「当事者間に縁組をする意思がないとき」の当否
 (平29-01-31 最高裁 破棄自判 Z999-5372)
 
  Aは、税理士等から、上告人(Aの長男の子、孫)を養子とした場合、相続税の
 節税効果がある旨の説明を受け、上告人と養子縁組をしました。この事案は、被
 上告人ら(Aの長女・二女)が、民法802条1号に基づき、養子縁組は縁組を
 する意思を欠き無効であるとして、その確認を求めたものです。最高裁では、原
 判決を破棄し、次のとおり、節税目的の養子縁組は有効であると判断しました。
 
  養子縁組は、嫡出親子関係を創設するものであり、養子は養親の相続人となる
 ところ、養子縁組をすることによる相続税の節税効果は、相続人の数が増加する
 ことに伴い遺産に係る基礎控除額を相続人の数に応じて算出するものとするなど
 の相続税法の規定によって発生し得るものである。相続税の節税のために養子縁
 組をすることは、このような節税効果を発生させることを動機として養子縁組を
 するものにほかならず、相続税の節税の動機と縁組をする意思とは、併存し得る
 ものである。
  したがって、専ら相続税の節税のために養子縁組をする場合であっても、直ち
 に当該養子縁組について民法802条1号にいう「当事者間に縁組をする意思が
 ないとき」に当たるとすることはできない。そして、事実関係の下においては、
 養子縁組について、縁組をする意思がないことをうかがわせる事情はなく、「当
 事者間に縁組をする意思がないとき」に当たるとすることはできない。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z999-5372


TAINSメールニュース No.298 2017.2.16 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
(1)サービス停止のお知らせ
  下記の日程で基盤仮想ネットワークの切り替え作業の実施に伴う臨時メンテナ
 ンスを行います。
  会員の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご理解の程宜しくお願い申し上
 げます。                   (システム部長:髙橋 誠)
  日時:平成29年2月22日(水)0:00~05:00まで
  作業時間帯はすべてのご利用ができません。
 
(2)判決速報8件を収録
 ・判決速報1397 過少申告加算税に係る「正当な理由」の存否
 ・判決速報1398 中国で納付した税に係る外国税額控除の適用事業年度
 ・判決速報1399 ニューヨーク州法に基づくプラチナの所有権移転時期は買
           取選択権の行使により当該プラチナを自由に使用収益及び
           処分をする権利を取得した時である。
 ・判決速報1400 路線価方式により時価を適切に評価できない特別の事情
 ・判決速報1401 評価通達/別途減算がされるべきであるとはいえない。
 ・判決速報1403 未分割特例対象宅地等の取得/添付書類(選択同意書)
 ・判決速報1405 通則法68条・法人税法127条にいう「仮装」とは
 ・判決速報1411 納税者が調査担当者と交渉するために税務署を訪問した際
           に調査担当者の上司が調査担当者を同署の裏口から逃走さ
           せ、調査担当者との面談交渉を妨害したことが違法である
           との納税者の主張が排斥された事例   (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:朝倉 洋子)
  馬券払戻金の所得区分と外れ馬券の必要経費性
 (平28-03-04 東京地裁 棄却・控訴 Z888-2026)
 
  原告の馬券購入行為については、行為の期間、回数、頻度その他の態様、利益
 発生の規模、期間その他の状況等の事情を総合考慮しても、一連の馬券の購入が
 一体の経済活動の実態を有するものということはできず、本件払戻金は、営利を
 目的とする継続的行為から生じた所得に該当するということはできない。
  原告は、本件払戻金を構成する収入である払戻金の交付者であるJRAに対し
 何ら役務を提供していないことに加え、競馬の払戻金は、購入した馬券が的中す
 ることによって生ずるものであり、仮に原告が購入する馬券の選択に当たって何
 らかのノウハウを活用したとしても、それによって必ず払戻金を得られるわけで
 はないから、本件払戻金は「労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性
 質を有しないもの」に該当する。
  本件払戻金を構成する収入は的中馬券による払戻金であるところ、原告による
 一連の馬券の購入は一体の経済活動の実態を有するものということはできないこ
 とからすれば、的中馬券による払戻金に関して「その収入を生じた行為をするた
 め直接要した金額」又は「その収入を生じた原因の発生に伴い直接要した金額」
 は、当該払戻金に個別的に対応する馬券の購入代金、すなわち的中馬券の購入代
 金というほかはないことになるから、一時所得である本件払戻金に係る総収入金
 額から控除されるのは的中馬券の購入代金に限られるというべきである。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z888-2026


TAINSメールニュース No.297 2017.2.9 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
(1)サービス停止のお知らせ
  下記の日程で基盤仮想ネットワークの切り替え作業及びシステム改修リリース
 の実施に伴う臨時メンテナンスを行います。
  会員の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご理解の程宜しくお願い申し上
 げます。
                        (システム部長:髙橋 誠)
  日時:平成29年2月22日(水)0:00~05:00まで
     平成29年3月16日(木)19:00~21:00まで
     作業時間帯はすべてのご利用ができません。
 
(2)「審査事務の手引」手続編を収録
  「審査事務の手引(平成26年7月)」手続編を収録しました。
 
  ≪検索方法≫
  【キーワード】審査事務の手引 ☆2017年02月収録分…………→ 1件
 
(3)「資産税事務提要」を収録
  「資産税事務提要(平成28年6月)」を収録しました。
 
  ≪検索方法≫ 
  【キーワード】資産税事務提要 ☆2017年02月収録分…………→ 1件
                              (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:大高 由美子)
  雑損控除/東日本大震災により液状化した土地の損失
 (平27-12-08 非公開裁決 棄却 F0-1-597)
 
  請求人が東日本大震災に基因した地盤の液状化により、居住用建物と敷地に損
 失が生じたとし、雑損控除の適用と、翌年の雑損失の繰越控除の適用などを求め
 て更正の請求をしたところ、原処分庁が建物に係る損失のみを雑損控除の対象と
 する各更正処分をしたことから、請求人が敷地の地価の下落分は雑損控除の対象
 となる損失に該当するなどとして原処分の一部の取消しを求めた事案です。
 
  審判所は、①建物の被害として評価される内容を超えて宅地自体に生活に通常
 必要な資産としての毀損が生じたといえる事実は認められず、地盤の液状化によ
 り宅地に被害があったとしても、建物の損失として反映されているものについて
 は、既に更正処分において課税上斟酌されており、その他の被害については、原
 状回復費用等の具体的な内容が生じた際に、その内容に応じて「損失」又は災害
 関連支出として考慮されるべきものとなる、②被災直後における土地そのものの
 被害状況を離れ、他の要因によって評価額が下落することも生じ得る、③震災の
 前後で宅地の評価額が下落しているとしても、下落幅が生活に通常必要な資産と
 しての毀損による損失の額自体を反映したものとまではいい難く、評価額が下落
 している点をしてこのような毀損が生じたことを推認し得るものでもない、など
 として請求を棄却しました。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 F0-1-597


TAINSメールニュース No.296 2017.2.2 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
  各税理士会からTAINSに提供された相談事例等は、次の通りです。(1月
 31日現在) 提供の税理士会名と参考のキーワードで検索してください。
 ☆ 情報区分【相談事例】
 ------------------------------------------------------------------------
  提供税理士会名  (参考キーワード)   件数
 ------------------------------------------------------------------------
  東京税理士会   会員相談室      74件(1月収録分40件)
  東京地方税理士会 税務相談事例Q&A 101件
  千葉県税理士会  相談事例Q&A    99件
  近畿税理士会   業務相談室だより   12件
  近畿税理士会   業務対策部だより   13件
  東海税理士会   税務相談事例      6件
  北陸税理士会   相談事例        9件
  九州北部税理士会 会員相談室       1件  合計 315件
 ------------------------------------------------------------------------
 ☆ 情報区分【その他文書】
 ------------------------------------------------------------------------
  名古屋税理士会  税務研究        3件
  近畿税理士会   論壇          9件
  近畿税理士会   研究レポート      5件  合計  17件
 ------------------------------------------------------------------------
                        (税法データベース編集室)


【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:市野瀬 啻子)
  必要経費/従業員を被保険者とする養老保険契約の保険料
 (平28-04-20 広島高裁 棄却・確定 Z888-2037)
 
  本件は、個人事業者である控訴人ら(眼科医及び歯科医)が、雇用する従業員
 を被保険者とする養老保険契約及びがん保険契約を締結し、その保険料の一部を
 福利厚生費として必要経費に算入して申告したところ、各更正処分を受けたこと
 から、その取消しを求めた事案です。広島高裁は、次のように判示しました。
 
  満期保険金等の受取人が従業員ではなく控訴人であること、解約返戻金等は、
 退職金規程に基づく支給予定額の1.9倍以上となっていること、従業員退職後
 も保険契約が継続していること等が認められ、これらの事情は、控訴人において、
 保険契約が従業員の福利厚生のためといえるだけの必要な整備をとっておらず、
 かつ、現実にも、福利厚生のために利用していないことを明らかにしているもの
 といわざるをえない。したがって、各保険契約が福利厚生目的とは認められない。
  本件養老保険契約は、控訴人らが多額の解約返戻金等のある保険契約を締結し、
 実質的に自己資金を留保しつつ、その保険料を必要経費に算入することを企図し
 たものと認められるのであるから、死亡保険金の受取人を従業員の家族としてい
 ることを考慮しても、支払保険料全体が家事関連費に該当するというほかないし、
 当該支払保険料の中で業務の遂行上必要な部分として明らかに区分することがで
 きるとは認められない。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z888-2037


TAINSメールニュース No.295 2017.1.26 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
(1)サービス停止のお知らせ
  下記の日程で基盤仮想ネットワークの切り替え作業及びシステム改修リリース
 の実施に伴う臨時メンテナンスを行います。
  会員の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご理解の程宜しくお願い申し上
 げます。
                        (システム部長:髙橋 誠)
  日時:平成29年2月22日(水)0:00~05:00まで
     平成29年3月16日(木)19:00~21:00まで
     作業時間帯はすべてのご利用ができません。
 
(2)裁決の「全部取消し」と「一部取消し」について
  TAINSの税法データベースに収録されている裁決は、現在4,172件で、
 このうち、40%を超える1,710件が非公開裁決です。
 
  本日現在、公表裁決と、非公開裁決の取消割合は、下記のとおりです。
           収録件数   うち全部取消し   うち一部取消し
  公表裁決    2,462件    258件       483件
  非公開裁決   1,710件    333件       720件
  --------------------------------------------------------------------
   計      4,172件    591件     1,203件
 ===================================
                              (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:藤原 眞由美)
  同族会社の行為計算否認~グループ法人税制回避目的の第三者割当増資
 (平28-01-06 非公開裁決 棄却 F0-2-629)
 
  不動産業を営む同族会社である請求人は、関連会社であるA社との間に完全支
 配関係がありましたが、従業員に対する第三者割当増資を行い、その結果、完全
 支配関係は解消されました。その後、請求人は、3期にわたりA社に対し固定資
 産を譲渡し、譲渡損を損金に算入して確定申告をしました。本件は、原処分庁が
 法人税法第132条第1項を適用して第三者割当増資を否認し、同法第61条の
 13第1項に基づき損金算入を否認する更正処分等を行ったことから争われた事
 案であり、争点は、第三者割当増資が、同法第132条第1項に規定する「不当
 」に当たるか否かです。審判所は、次のとおり判断し、請求を棄却しました。
 
  本件割当増資における株式の発行条件等は、繰延制度の適用を免れるという観
 点から定められ、他方、請求人が、割当増資に当たり、経済的合理性の観点から
 財産状況や経営状態等を具体的に検討等した形跡はうかがわれない。また、請求
 人は、約1000名の従業員を擁する中で、割当ての対象者は、総務経理部長と
 して第三者割当増資による繰延制度の適用回避に向けた立案等に深く関与した乙
 ただ一人であり、同人以外の従業員に対しては、募集の周知すらしていない。
  これらに鑑みれば、本件割当増資は、経済的、実質的見地において純粋経済人
 として不合理・不自然な行為であるといわざるを得ず、法人税法第132条第1
 項に規定する「不当」な行為であると認めるのが相当である。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 F0-2-629


TAINSメールニュース No.294 2017.1.19 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
 「裁決書起案の手引」を収録
  平成26年7月、国税不服審判所の「裁決書起案の手引」を収録しました。
 「原本へ」にpdfで収録されています。
  ≪検索方法≫ 裁決書起案の手引 平成26年7月…………………→  1件
  内容は、下記のとおりです。
  01 目次(第1編・第2編)
  02 第1編理論、第2編説明
  03 目次(第3編)
  04 第3編基礎書式
  05 目次(第4編)
  06 第4編
  07 目次(第5編)
  08 通則事例01-04
  09 所得事例01-20
  10 法人事例01-08
  11 相続事例01-06
  12 登録免許事例01-03
  13 消費事例01-06
  14 徴収事例01-06
  15 目次(第6編)
  16 事例分類索引
  17 第6編                      (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:岩崎 宇多子)
  収用により受領した設計工事管理費用等は対価補償金に該当するか否か
 (平28-02-23 非公開裁決 棄却 F0-2-622)
 
  請求人が所有する土地が土地収用法に基づいて収用されたことにより取得した
 土地及び当該土地上の建物等に係る補償金等について、措置法64条1項に規定
 する課税の特例を適用して申告したところ、原処分庁が、移転雑費補償金として
 支払われた設計工事監理費用等については特例対象にはならないとして更正処分
 を行ったので、請求人がその取消しを求めた事案です。
  審判所は、特例の解釈適用を誤った違法があるとした請求人の主張を、次のよ
 うに判断して棄却しました。
 
  本件設計工事監理費用等は、損失補償基準運用方針第24第3項所定の法令上
 の手続に要する費用として算定したことが認められ、これらの事実に照らせば、
 本件各土地の上にある本件建物の対価に相当する部分は、建物移転料名目の補償
 費に包含されており、請求人が主張する本件設計工事監理費用等がこれに当たら
 ないことは明らかで、本件特例の適用を受ける対価補償金に該当しない。
  本件特例の適用を受ける対価補償金とは、収用等された土地の上にある資産の
 対価に相当する部分に限られ、措置法通達64(2)-8の定める対価補償金に
 当たるものとして取り扱われる「移築するために要する費用として交付を受ける
 補償金」も、飽くまで収用等された土地の上にある資産の対価に相当する部分に
 限られ、したがって、請求人の主張は採用できない。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 F0-2-622


TAINSメールニュース No.293 2017.1.12 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
  補佐人税理士の活躍!
  平成13年に補佐人税理士制度が発足してから、15年。税務訴訟において、
 その活躍を確認しました。
 
  TAINSにログインしたら、画面左下の「TAINSキーワード詳細検索」
 を選びます。
 
  情報区分の「地裁」「高裁」「最高裁」にチェックを入れます。
  キーワード入力窓に「補佐人税理士」と入力します。→ 716件
 
  次に、スペースを入れてから「全部取消し」 ……………→ 58件
               「一部取消し」 ……………→ 79件
  「全部取消し」と「一部取消し」を合わせて「*部取消し」→ 137件
 
  補佐人税理士が関与した税務訴訟716件のうち、納税者の主張の全部又は一
 部が認められた事案は、実に19.13%と2割に迫っています。
  最近の全部取消しを紹介すると、下記のとおりです。
 ・平成27年6月16日福岡地裁 Z999-7187
  第二次納税義務/徴法39の「著しく低い額の対価による譲渡」に該当せず
 ・平成28年11月30日東京地裁 Z999-8376
  固定資産税/「住宅用地」該当性/介護付有料老人ホーム等の附属駐車場
                              (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:小菅 貴子)
  譲渡所得/優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の課税の特例
 (平28-06-03 公表裁決 棄却 J103-2-09)
  本件は、請求人らが、不動産信託の受益者としての権利を譲渡し、当該譲渡が
 優良住宅地等のための譲渡に該当するとして租税特別措置法第31条の2第1項
 に規定する特例を適用し、所得税等の申告をしたところ、原処分庁が、当該譲渡
 は本件特例の適用を受けられないことを理由に更正処分等をしたため、請求人ら
 が、その取消しを求めた事案です。審判所の判断は次のとおりです。
 
  本件信託契約が締結されている各土地について開発許可を受けたのは受託者で
 あって、本件受益権の売買契約の譲受人ではなく、本件開発許可について都市計
 画法第44条又は第45条に規定する開発許可に基づく地位の承継があった事実
 も認められないから、本件譲受人は、開発許可を受けて住宅建設の用に供される
 一団の宅地の造成を行う法人に当たらない。
  信託法第16条第1項は、信託財産の範囲を規定するものであり、また、所得
 税法第13条第1項は、信託の受益者は当該信託の信託財産に属する資産及び負
 債を有するものとみなして所得税を課税する旨の規定であるが、受託者の行為と
 受益者の行為を同一人格の行為とみなす旨を規定したものではない。
  したがって、請求人らの、信託財産に関し、受託者の行為と受益者の行為は同
 一人格の行為とみなされることから、本件受託者の本件開発許可を受けた地位は、
 信託財産である本件各土地に関し本件受託者と同一人格である本件譲受人もこれ
 を有する旨の主張は採用することができない。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 J103-2-09


TAINSメールニュース No.292 2017.1.5 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
(1)平成28年中のTAINS収録情報は、1,810件!
  昨年1年間にTAINSに収録された全情報を検索するには、下記のとおり検
 索してください。
  ログインしたら、画面左下の【TAINSキーワード詳細検索】を選びます。
 「日付範囲指定」の「TAINS登録」の日付範囲を平成28年1月1日から平
 成28年12月31日に指定して、検索ボタンをクリックしてください。
  【検索結果】…………………→1,810件
 
(2)前記(1)のうち、情報公開法に基づき入手した情報を検索するには?
  【キーワード】情報公開 …→  357件
 
(3)前記(2)「情報公開」の内訳は?
  税法データベース検索結果一覧表によれば、その内訳は下記のとおりです。
  地裁・高裁・最高裁 ……→ 50件  裁決 ………→  186件
  個別通達……………………→ 77件  相談事例他………→ 44件
 
(4)前記(3)裁決186件の内訳は?
  所得税 ……→22件 法人税………→98件 相続税………→49件
  消費税 ……→10件 その他国税…→ 7件 地方税………→ 0件
 
(5)前記(3)個別通達77件の内訳は?
  所得税…→2件 相続税…→2件 消費税…→1件 
  その他→72件                     (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:草間 典子)
  固定資産税/介護付有料老人ホーム等の附属駐車場を住宅用地に該当と判断!
 (平28-11-30 東京地裁 認容・控訴 Z999-8376)
 
  原告は、その所有する土地の上に家屋を新築し、介護付有料老人ホーム等及び
 その附属施設としての駐車場として、A社に賃貸しました。その後、都税事務所
 から、上記土地のうち駐車場として使用されている部分については、固定資産税
 等の課税標準の特例の適用を受ける住宅用地には該当しないとした固定資産税等
 の賦課決定を受けたため、その取消しを求めた事案です。
  東京地裁は、次のように判断し、納税者の主張を認めています。
 
  本件駐車場については、入居者がA社との入居契約書に基づき、共用施設とし
 て、来訪者用駐車場として利用し得るものとなっている上、A社の介護付有料老
 人ホームの運営に係る外部の業者等が駐車場として利用することもあるものの、
 その利用は、家屋の賃借人であるA社が家屋で行う事業のためのものであると同
 時に入居者の生活等のためのものでもあるので、いずれにせよ、その利用状況に
 照らし、家屋と一体のものとして利用されているものというべきである。
  したがって、本件駐車場は、いずれも土地等の一部として、併用住宅である家
 屋を維持し又はその効用を果たすために使用されている一画地の土地に含まれる
 ものということができ、本件家屋の「敷地の用に供されている土地」に該当する
 というべきである。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z999-8376 


TAINSメールニュース No.291 2016.12.22 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
(1)メールニュース次回の配信は、来年1月5日(木)
  来週の木曜日12月29日はメールニュースは休み。次回の配信は来年の1月
 5日となります。
(2)国税不服審判所の最新裁決16件を収録
  12/20、国税不服審判所がホームページに公表した裁決103集の16件
 を収録しました。http://www.kfs.go.jp/service/JP/idx/103.html
 H28-05-20 J103-1-01 更正又は決定等  棄却
 H28-04-19 J103-1-02 重加算税     一部取消し
 H28-05-13 J103-1-03 重加算税     一取り・全取り
 H28-05-20 J103-1-04 重加算税     一取り・全取り
 H28-04-19 J103-1-05 重加算税     一部取消し
 H28-04-25 J103-1-06 重加算税     一部取消し
 H28-06-02 J103-2-07 雑所得・収入金額 棄却
 H28-05-30 J103-2-08 行為計算否認   一取り・棄却
 H28-06-03 J103-2-09 優良住宅地    棄却
 H28-04-07 J103-2-10 措置法関係    棄却
 H28-04-14 J103-3-11 貸倒損失・債権放棄 一部取消し
 H28-06-28 J103-4-12 相続税の課税財産 全部取消し
 H28-05-06 J103-4-13 財産の評価・宅地等 一取り・棄却
 H28-06-08 J103-5-14 登録免許税 ・建物 一部取消し
 H28-04-07 J103-5-15 課税台帳価格のない土地 一部取消
 H28-05-10 J103-6-16 第二次納税義務  全部取消し 
                              (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:依田 孝子)
  借地権相当額のみなし贈与~借地権の取引慣行の有無~
 (平25-04-24 非公開裁決 棄却 F0-3-452)
  この事案は、審査請求人甲が、その母の所有するA土地及びB土地について、
 権利金等の支払を行うことなく、賃貸借契約を締結し、建物を建築したところ、
 原処分庁が、借地権相当価額の利益を受けたとして、みなし贈与課税(相法9)
 を行ったことから、甲が、各土地が所在する地域には借地権の取引慣行がなく、
 何ら利益を受けていないとして、その取消しを求めたものです。
  審判所では、次のとおり判断し、甲の請求を棄却しました。
 
  沖縄国税事務所長は、借地権の取引慣行の有無の判定を含む借地権の評定に当
 たって、評価通達27の定めに基づき、借地権の取引に精通している不動産鑑定
 士等から借地権の取引慣行の有無及び借地権割合について意見を求め、売買実例
 価額、地代の額等を勘案して借地権割合を評定していることが認められる。
  A土地の平成17年分及びB土地の平成20年分の借地権割合は、40%であ
 る。この借地権割合は、不動産鑑定士等の精通者による借地権の取引慣行がある
 地域であるとの意見を基に評定されていると認められ、また、各土地が所在する
 市内で、借地権の設定された土地は、借地権相当額を控除した価額で売買されて
 いることからすると、各土地の所在する地域は、平成17年中及び平成20年中
 ともに借地権の取引慣行のある地域、すなわち、借地権の設定に際しその設定の
 対価として通常権利金等を支払う取引上の慣行がある地域であると認められる。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 F0-3-452


TAINSメールニュース No.290 2016.12.15 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
  最新情報の検索方法は?
  新しく、TAINSの税法データベースに収録された情報を検索する方法には、
 次のように、様々な方法があります。
(1)キーワード「☆2016年12月収録分」と入力する方法
  今月、収録された全ての情報は、このキーワード一つで検索することができま
 す。
 
(2)TAINSに登録された期間を指定する方法
  ログイン後、画面左下の「TAINSキーワード詳細検索」を選び、「検索条
 件の指定」の三番目の「日付範囲指定」の「TAINS登録」の期間を、直近の
 期間に指定します。
  例えば「平成28年12月1日」~「平成28年12月31日」などと指定す
 ると、今月中に収録された全ての情報を知ることができます。
 
  もちろん、TAINSに登録された期間を、直近の期間に設定するとさらに最
 新の収録情報に絞り込むことができます。
 
(3)トップ画面の「収録情報」から税目別に指定する方法
  TAINSのトップ画面の「収録情報(http://www.tains.org/)」の8個の
 アイコンのうち、「所得税」「法人税」などの税目を選ぶと、税目ごとの収録情
 報のうち、最新収録情報が赤色で表示されています。     (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:朝倉 洋子)
  代表者に対する役員給与か貸付金か/架空請求により取得した簿外資金
 (平28-03-02 東京地裁 棄却・確定 Z888-2022)
 
  本件は、神奈川税務署長が、原告において、取引先等との間で架空取引により
 簿外資金を作出した上、原告の代表者である甲が簿外資金を利得し、所得税法2
 8条1項に規定する給与等の支払を受けたとして、原告に対し、源泉所得税に係
 る各告知処分及び各賦課決定処分をしたところ、原告が、甲に対し簿外資金を貸
 し付けたにすぎず、給与等の支払をしたものではない旨を主張して、各処分の取
 消しを求めたという事案です。裁判所は次のように判断しました。
 
  甲は、原告の代表者として経営の実権を掌握し、法人を実質的に支配しており
 自己の権限を濫用して、原告の事業活動を通じて各簿外資金を利得していたとい
 うことができるのであって、各簿外資金は原告の資産から支出されたものである
 ことは明らかであるから、甲が利得した簿外資金については、甲が原告の代表者
 として提供した労務又は役務の対価として受けた給付と評価することができると
 いうべきである。
  以上によれば、原告は、甲に対し、各簿外資金を所得税法28条1項に規定す
 る給与等として支払ったものというべきである。これを基に原告が各期間におい
 て納付すべき源泉所得税の税額を算定すると、本件各告知処分における納付すべ
 き税額と同額である。したがって、本件各告知処分は適法である。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z888-2022


TAINSメールニュース No.289 2016.12.8 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
(1)「全管特別国税調査官会議」資料を収録
  東京国税局課税第一部個人課税課が平成27年8月7日開催した「「全管特別
 国税調査官(所得税等担当)会議」資料を収録しました。
 
  個人課税部門(所得税等及び資料情報担当)統括国税調査官等会議資料です。
 
 内容は、下記のとおりです。
 ○平成27事務年度の課税部門共通の事務運営に当たっての基本的な考え方及び
  留意事項
 
 ○平成27事務年度の個人課税部門の事務運営に当たっての基本的な考え方及び
  留意事項
 
 ≪検索方法≫【キーワード】統括国税調査官会議…………→  2件
 
  「参考資料、平成27事務年度 主な機能別職員の広域運営等の状況」は、別
 紙リンクに収録されています。
 
  下向きになっている別紙リンクの、赤い二重山印をクリックして、上むきにす
 ると参考資料を出力することができます。
                              (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:大高由美子)
 税理士の妻/他に職業を有する者とされ、青色専従者給与が認められず!
 (H28-09-30東京地裁 却下・棄却 Z888-2030)
 
  税理士業等を営む原告が、原告の妻乙を青色事業専従者であるとし、乙に対し
 支払った給与の額を事業所得の必要経費に算入して申告したところ、原処分庁が
 、乙は他に職業を有しており、原告の営む事業に専ら従事するとは認められない
 として更正処分等を行った事案です。
  裁判所は次のとおり、乙は、各係争年分のいずれにおいても、本件事業に係る
 青色事業専従者には該当しないと判断しました(他の争点は省略)。
 
  乙は、平成21年ないし平成23年において、本件事業に従事するほか、A社
 の代表取締役、B社及びC社の取締役として、関連会社の業務に従事していたの
 であって、上記の期間を通じて「他に職業を有する者」であったことは明らかで
 あるから、乙が「その職業に従事する時間が短い者その他当該事業に専ら従事す
 ることが妨げられないと認められる者」に該当しない限り、事業専従期間は存在
 しないことになる。
  乙は、関連会社の業務と甲事務所の本件事業に係る業務とを、主として自宅又
 は甲事務所において行っていたことになるのであるから、各業務の性質、内容、
 従事する態様等に照らし、乙の関連会社の業務について、本件事業に専ら従事す
 ることが妨げられないものであったとまでは認め難いというべきである。
 
   ≪検索方法≫【キーワード】Z888-2030


TAINSメールニュース No.288 2016.12.1 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
(1)収録件数が4万件を超えました!
  1982年12月に、僅か600件ほどの判決・裁決を編集してスタートした
 TAINS税法データベースの収録件数は、今年、2016年11月30日に、
 4万件を超えました。内訳は、下記のとおりです。
 ------------------------------------------------------------------------
 税目   判 決   裁 決    通 達  相談事例他    計
 ------------------------------------------------------------------------
 所法 5,888 1,549  3,438  3,657 14,532件
 法法 3,115 1,245  4,640  3,502 12,502件
 相法 1,406   892  1,770  2,342  6,410件
 消法   269   325    719  1,554  2,867件
 他国税  201   104     17    119    441件
 地方税  311     8      0      0    319件
 その他  693     1  2,027    289  3,010件
 ------------------------------------------------------------------------
 計 11,883 4,124 12,611 11,463 40,081件
 ====================================
 
(2)TAINSの主なキーワードで検索すると?
  ログインしたら画面左の下の「TAINSキーワード詳細検索」を選びます。
  「全部取消し」は、1,149件、「一部取消し」は、1,956件、
  「非公開裁決」は、1,687件、収録されています。   (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:市野瀬 啻子)
  相続税に係る納税地/介護付有料老人ホームに入居していた被相続人
 (平28-05-17 非公開裁決 全部取消し F0-3-453)
 
  本件は、請求人が、原処分庁(被相続人所有家屋の所在地の所轄庁)の調査を
 受けて相続税の期限後申告をしたところ、原処分庁が重加算税の賦課決定処分を
 した事案です。争点は、①被相続人の納税地はどこであるか、②請求人に仮装、
 隠ぺいが認められるか否かです。審判所は、次のように判断しました。
 
  相続税に係る納税地は、被相続人の死亡の時における住所地とされているとこ
 ろ、一定の場所がある者の住所であるか否かは、客観的に生活の本拠たる実体を
 具備しているか否かにより決すべきものと解するのが相当である。
  被相続人は、家庭裁判所から後見開始の審判を受け、成年後見人が締結した介
 護付有料老人ホーム(本件施設)に入居していたものであり、その体調は死亡時
 まで回復することはなく、被相続人がその所有家屋で起居することは不可能な状
 況にあった。以上の事情に照らせば、被相続人の死亡の時における生活の本拠た
 る実体を有していたのは、本件施設であると認めるのが相当である。
  通則法33条1項の規定により、賦課決定は、その賦課決定の際における国税
  の納税地を所轄する税務署長が行うべきものであるから、原処分庁には、相続税
 について、加算税の賦課決定権限はない。したがって、争点②について判断する
 までもなく、原処分は、その全部が取り消されるべきである。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 F0-3-453


TAINSメールニュース No.287 2016.11.24 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
  司法書士損害賠償請求訴訟を収録しました。
  テーマは、「無償による相続放棄申述手続の受任」です。
 
  この事件は、亡Aの相続人である原告らが、司法書士である被告に対し、平成
 21年9月17日に死亡した亡Aの相続放棄申述手続に係る事務を委任したにも
 かかわらず、被告が委任事務を遂行しなかったため、原告らの相続放棄の申述が
 なされないまま民法915条1項所定の熟慮期間が経過し、亡Aの保証協会に対
 する求償金債務を相続することを余儀なくされ、債務の元本491万4405円
 、確定遅延損害金等の損害を被ったと主張し、委任契約の債務不履行又は不法行
 為による損害賠償請求権に基づき、以上の損害について原告らの相続分に応じて
 各4分の1の金員の支払を求めたという事案です。
 
  平成25年7月1日東京地裁判決は、次のように判示しました。
 
  原告らは被告との間で委任契約に関する書面を作成しておらず、相続放棄申述
 書や委任状などの被告が委任契約を履行するために必要な原告ら作成書類の交付
 すらしていなかったのであるから、原告らにおいて、こうした書面を交付しなく
 ても、被告が同申述手続をしてくれるものと思ったとしても、そのような信頼は
 法的保護に値するものとはいえないと解される。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z999-2145
                              (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:藤原 眞由美)
  広大地の評価~公共公益的施設用地の負担が必要であるとして全部取消し
 (平28-02-09 公表裁決 全部取消し J102-4-14)
 
  本件は、被相続人の妻が相続により取得した土地の評価において、財産評価基
 本通達24-4《広大地の評価》の「都市計画法第4条《定義》第12項に規定
 する開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要と認められる
 もの」か否かが争われた事案です。
  審判所は、次のとおり判断し、原処分の全部を取り消しました。
 
  原処分庁は、請求人ら以外の4人の第三者(本件私道所有者ら)が所有する本
 件位置指定道路に接する本件土地について、開発行為を行うとした場合、本件位
 置指定道路の利用が経済的に最も合理的であるなどと主張する。
  しかしながら、被相続人及び請求人らは本件位置指定道路に係る権利を何ら有
 していない。そのため、本件位置指定道路を利用した開発の可否は、本件私道所
 有者らの意向に左右されるものであるところ、本件土地については、請求人らの
 主張するように、本件土地の敷地内に新たな道路を開設して行う開発方法が想定
 でき、その開発の方法が十分合理性を有するものである以上、このような場合に
 まで、第三者の所有に係る土地を利用しての開発方法を想定することに合理性が
 あるとはいえない。
  そして、請求人らの主張する開発方法においては、公共公益的施設用地の負担
 が必要であると認められるから、本件土地は広大地に該当する。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 J102-4-14


TAINSメールニュース No.286 2016.11.17 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
(1)東京国税局審理課長回答を収録
 
  特定資産の買換えの場合の課税の特例(第9号)における買換資産の範囲及び
 面積要件の判定についての事前照会に対する東京国税局審理課長回答を収録しま
 した。
 
  事前照会 特定の資産の買換えの場合の課税の特例(第9号)における買換資
 産の範囲及び面積要件の判定について 平成28年10月
 
  ≪検索方法≫
  【キーワード】 特定資産買換え ☆2016年11月収録分……→  1件
 
(2)全部取消しの非公開裁決が333件に!
  本日現在収録済みの非公開裁決1672件のうち、課税処分の全部が取り消さ
 れた裁決が333件となりました。
 
  ≪検索方法≫
  ログインしたら画面左の下の「TAINSキーワード詳細検索」を選びます。
  【キーワード】 非公開裁決  全部取消し………………→ 333件
 
                              (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:岩崎 宇多子)
  当初申告において措置法の特例適用を失念した場合の更正の請求の可否
 (平28-07-08 東京地裁 棄却・控訴 Z888-2018)
 
  原告が、法人税の確定申告において、措置法42条12の4に規定する特別控
 除(雇用者給与等支給額が増加した場合の法人税額の特別控除)の適用を失念し
 ていたとして、同条4項に規定する書類を添付し、特例を適用して計算し直した
 上で更正の請求をしたところ、所沢税務署長から、確定申告書に控除の対象とな
 る雇用者給与等支給増加額等の控除明細書の添付がないなどとして、更正をすべ
 き理由がない旨の通知処分を受けたので、その取消しを求める事案です。
  争点は、更正の請求により、本件特別控除の適用を受けることができるか否か
 ですが、裁判所は次のように判示し、原告の請求を斥けました。
 
  本件特別控除の制度については、いわゆる当初申告要件が設けられているもの
 というべきところ、これは、納税者である法人が、中間申告及び確定申告におい
 て同制度の適用を受けることを選択しなかった以上、後になってこれを覆し、同
 制度の適用を受けることを追加的に選択する趣旨で更正の請求等をすることを許
 さないこととしたものと解され、中間申告書及び確定申告書に控除明細書の添付
 がなければ、本件特別控除によって控除される金額はないことになる。
  原告は、法人税確定申告書に控除明細書を添付せず、更正の請求をするに至っ
 て初めて控除明細書を添付したのであるから、本件特別控除の適用を受けること
 はできない。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z888-2018


TAINSメールニュース No.285 2016.11.10 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
  全国国税局長会議資料を収録
   平成28年1月21・22日開催の全国国税局長会議資料を収録しました。
 
  主な内容は、下記のとおりです。
 
  議事日程
  全国国税局長名簿
  配席図
  平成28年度予算(案)の概要
  社会保障・税番号制度
  特定個人情報等の安全管理措置への対応状況等について
  酒税課・鑑定企画官当面の課題
  徴収部当面の課題
  調査査察部当面の課題
  税務行政上の国際的課題
  国税組織の中長期的課題への対応
  ≪検索方法≫
  【キーワード】
   全国国税局長会議 ☆2016年11月収録分→ 1件
                              (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:小菅 貴子)
  役員給与/みなし役員/代表取締役に就任する前の業務委託契約に基づく報酬
 (平28-03-31 公表裁決 一部取消し・棄却 J102-3-09)
  本件は、原処分庁が、請求人の代表取締役であるEは、代表取締役に就任する
 前から請求人の発行済株式の50%を超える株式を保有していたこと等から、法
 人税法上の役員に該当するため、Eに対して支払った業務委託契約に基づく報酬
 は損金の額に算入されない役員給与に該当する等として更正処分等を行ったのに
 対し、請求人がその取消しを求めた事案です。審判所の判断は次のとおりです。
 
  原処分庁は、Eが請求人の人事や資金計画に関わっていたことについて、Eの
 調査担当職員に対する申述等を根拠の一つに挙げている。しかしながら、これら
 の内容からはいつの時点においていかなる役割を担っていたのかが必ずしも明ら
 かでないところ、これを具体的に裏付ける証拠資料の収集がされていない上、請
 求人は、この点について、Eが切り盛りしていたのは営業のことであり、また、
 資金繰りについても代表取締役に再度就任した後に関与したものである旨主張し
 ているが、この主張を排斥するだけの証拠資料も存しない。
 
  原処分庁は、請求人の役員や従業員に対し、経営状況及びEの請求人との関わ
 りや職務内容の確認を行っておらず、Eが本件における経営に従事していたとす
 る具体的な事実関係が証拠資料上明らかではない。原処分庁の主張する事実をも
 って、Eが経営に従事していたとは認めるに足りず、また、当審判所の調査の結
 果によっても、これを認めるに足りる証拠資料は存しない。以上によれば、Eは
 代表取締役に就任する前において、法人税法上の役員に該当するとはいえない。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 J102-3-09


TAINSメールニュース No.284 2016.10.27 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
(1)サービス停止のお知らせ
  下記の日程で基盤仮想ネットワークの切り替え作業の実施に伴う臨時メンテナ
 ンスを行います。
  会員の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご理解の程宜しくお願い申し上
 げます。
                        (システム部長:髙橋 誠)
  日時:平成28年11月9日(水)0:00~05:00まで
  作業時間帯はすべてのご利用ができません。
-------------------------------------
(2)資産税事務提要を収録
  平成27年6月、国税庁資産課税課資産評価企画官による「資産税事務提要(
 事務手続編)」を収録しました。タイトル欄でお知らせしているとおり、「概要」
 には目次のみを収録しており、全文・別紙は「原本URL→原本へ」に収録済み。
 ≪検索方法≫【キーワード】資産税事務提要 ☆2016年10月収録分→1件
  最下行の「原本URL」の赤い二重山印「原本へ」をクリックします。次に原
 本のpdfのアイコンをクリックすると、全文を出力することができます。
 
(3)税理士損害賠償に広島地裁判決を収録
  「その他」の税目で「地裁」「高裁」「最高裁」を選び、キーワード欄に、「
 税理士損害賠償」と入力すると、132件が収録されています。このうち、最新
 収録判決は、上から二番目の平成27年5月15日広島地裁判決です。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z999-0154     (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:草間 典子)
 使途を記録した書類の提示がない商品券購入費用は、全額が損金不算入と判断!
 (平27-09-09 東京地裁 棄却・確定 Z888-2005)
 
  本件は、平成19年3月期に購入した商品券(確定申告時は、接待交際費とし
 て処理)について、使途が明らかでないとして、購入費用200万円の全額が損
 金の額に算入できないと更正処分を受けた事案です。
  納税者は、調査を担当した税務職員より、商品券の使用状況のわかる書類の提
 示を求められていましたが、「商品券を渡した相手は多数で、特に明細は作って
 いません。」と回答をし、提示をすることはありませんでした。
 
 ≪東京地裁の判断≫
  法人税法22条1項及び3項の定めに照らせば、その使途を特定することがで
 きず、そのために当該法人の業務の遂行上必要と認めることができない支出につ
 いて、これを損金の額に算入することはできないというべきである。
  本件商品券の使途を具体的に特定する事項を記録した書面等は何ら存在しない
 ところ、商品券の使途に関する原告の主張には変遷がみられる上、原告がその主
 張に沿うものとして提出する書証によっても、これを裏付けることはできない。
  本件全証拠によっても商品券の使途は全く明らかでないというほかはなく、業
 務の遂行上必要であると認めることはできない以上、本件商品券の購入のための
 費用は、損金の額に算入することができないというべきである。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z888-2005 


TAINSメールニュース No.283 2016.10.20 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
 最高裁が判例の見直しへ
  相続に際し遺産分割の対象に預貯金を含むか否かという争いに関して、昨日、
 10月19日、最高裁大法廷は弁論を開きました、従来の判例を変更するものと
 みられています。
 
  TAINSの税法データベースのキーワード検索で、「預貯金」の帰属につい
 て、どのような情報が収録されているでしょうか。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 預貯金 ……………→ 371件
   内訳               判  決   119件
                    裁  決   103件
                    通達その他   79件
                    相談事例    70件
 
  判決・裁決合わせて222件のうち、納税者の主張が認められたものは、下記
 のとおりです。
  全部取消し(220預貯金)2件(Z250-8849、J20-4-02)
  一部取消し(110預貯金)5件(F0-3-385、J74-4-18、
                  F0-3-309、
                  F0-3-158、F0-3-042、)
  最高裁は、昨日の弁論の結果を踏まえて、年内にも結論を示す方針であるとい
 うことです。                       (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:依田 孝子)
  小規模宅地等の特例~特例対象宅地等を取得した相続人ら全員の選択同意書
 (平28-07-22 東京地裁 棄却・控訴 Z888-2017)
 
  原告は、亡母から、相続させる旨の遺言により、診療所及びその敷地等(R区
 土地相続分)を取得しましたが、その他の相続財産は、相続税の申告期限の時点
 において、Q市各建物(不動産賃貸用)及びその敷地(Q市土地相続分)を含め
 未分割でした。この事案は、原告が、R区土地相続分について、亡母と生計を一
 にしていた原告の事業の用に供されていた宅地等であるとして小規模宅地等の特
 例(措法69条の4第1項)を適用して相続税申告をしたところ、処分行政庁が、
 その適用は認められないとして更正処分等を行ったことから争われたものです。
 
  Q市土地相続分は、相続税の申告期限の時点において未分割財産であり、被相
 続人の共同相続人である相続人らの共有に属していたことになるから、相続によ
 り、R区土地相続分及びQ市土地相続分から成る特例対象宅地等を取得したのは、
 相続人ら全員ということになる。
  したがって、本件相続において、特例対象宅地等の選択をして小規模宅地等の
 適用を受けるためには、特例対象宅地等を取得した全ての相続人である相続人ら
 の選択同意書を相続税の申告書に添付してしなければならないということになる
 (措令40条の2第3項本文)。
  原告は、相続税申告において、相続人らの選択同意書を添付していないのであ
 るから、R区土地相続分について、本件特例を適用することはできない。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z888-2017


TAINSメールニュース No.282 2016.10.13 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
 税理士懲戒処分について
  TAINSの税法データベースのキーワード検索で、「懲戒処分」について検
 索すると、60件もの情報が出力されます。
 
  このうち、平成26年9月30日東京地裁判決は、税理士が不正に計算した所
 得税期限後申告書を作成した行為について下記のように判断を示しています。
 
  原告の責任を問い得る不正所得金額は極めて多額に上り、原告の行為の性質及
 び態様は悪質で、その効果も重大であることが認められる。
 
  原告には懲戒処分歴がなく、本件各確定申告に際して自身の特別の利益を得よ
 うとしたというような内心が存在することはうかがわれないという事情を考慮し
 たとしても、処分行政庁が、上記前提事実の不利益処分の原因となる事実を理由
 として、原告に対して税理士業務の禁止の処分を選択したという判断は社会通念
 上著しく妥当を欠いて裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとは認めら
 れず、本件処分は適法であるというべきである。
 
  また、平成28年8月、国税庁のホームページに「税理士法違反行為Q&A」
 が掲載されたことなど、税理士懲戒処分に関して、注目が集まっています。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 懲戒処分………→ 60件
                              (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:朝倉 洋子)
  固定資産税/無道路地・不整形地の登録価格/無道路地補正率の適用
 (平27-12-25 大阪地裁 一部認容 Z999-8372)
 
  第1事件は、土地1から土地5までを所有する原告Aが、第2事件は、土地6
 を所有する原告Bが、豊中市長が固定資産課税台帳に登録した各土地の平成20
 年度から平成24年度までの各登録価格(修正価格)を不服として、豊中市固定
 資産評価審査委員会に対して審査の申出をしたところ、いずれについても棄却さ
 れたことから、第1事件各決定、第2事件各決定の取消しを求めたという事案で
 す。
 
  固定資産評価基準が無道路地について無道路地補正率等により評点数を補正す
 ることとした趣旨は、無道路地が公路に接続しない不便な状態の土地であること
 に鑑み、無道路地において建物の建築等による使用収益が困難であること等によ
 る減価を反映した補正率を適用することにより、当該土地の適正な価格、すなわ
 ち、客観的な交換価値に近接することができると考えられた点にあるものと解さ
 れる。
  このような無道路地補正の趣旨に鑑みれば、公図上公道に接続しない土地であ
 っても、当該土地及びその周辺の個別具体的な状況に照らし、実際の利用上何ら
 かの通路が開設されている場合には、無道路地補正率等を適用することはかえっ
 て不相当な減価をもたらすこととなるから、無道路地に該当しないと解するのが
 相当である。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z999-8372


TAINSメールニュース No.281 2016.10.6 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
  裁決事例集102集を収録
  ◎は全部取消し、○は一部取消し
  平成28年1月~3月までの裁決17件を収録しました。
  所 J102-2-07 居住用財産の譲渡所得の特別控除
 ○所 J102-2-05 同業者率を用いた推計の合理性 推計の柱の金額…
 ○所 J102-2-06 長期譲渡所得及び短期譲渡所得の課税の特例 ……
  所 J102-2-08 譲渡所得に係るその他の特例 上場株式等
 ○所 J102-2-04 不動産所得 必要経費 その他
 ○法 J102-3-09 役員給与 役員の範囲 みなし役員
  法 J102-3-11 受取配当金の益金不算入の特例
  法 J102-3-12 移転価格税制
 ○法 J102-3-10 貸倒損失 その他
 ○法 J102-1-03 重加算税 その他
  法 J102-1-01 納税の猶予
 ○相 J102-1-02 重加算税 隠ぺい、仮装の意図
 ○相 J102-4-15 財産の評価 宅地及び宅地の上に存する権利 ……
 ◎相 J102-4-14 財産の評価 宅地及び宅地の上に存する権利 ……
  相 J102-4-13 財産の評価 評価の原則 その他
 ◎他 J102-5-16 課税標準 固定資産課税台帳価格によらない場合
  他 J102-6-17 無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務…
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 ★裁決事例集102集………→ 17件
                              (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:大高 由美子)
  造成工事等の費用の一部を不動産所得の必要経費と認める!
 (平28-03-03 公表裁決 一部取消し J102-2-04)
 
  請求人が、不動産所得の金額の計算上、土地の新たな貸付けに当たり、建物の
 解体及び土地の造成等に係る費用の額を必要経費に算入したところ、原処分庁が、
 これらの工事に係る費用は家事上の経費又は土地の取得費に算入されるべきであ
 るから必要経費に算入することができないとして、更正処分等をした事案です。
 
  本件建物は、平成21年12月以降は、使用貸借契約に基づき、K社が無償で
 これを使用していたのであって、賃貸の用に供されていない非業務用資産に該当
 し、その取壊しは、業務の用に供されていない資産を任意に処分する行為にすぎ
 ないことになるから、解体工事に係る費用は、家事費である。
  外構造成工事(掘削、埋戻し、整地等)は、土地の形質を変更し改良する工事
 と認められるので、土地の取得費に算入されるべきものである。
  土留め工事、境界等整備及び土壌汚染調査は、土地を改良したり、価値を増加
 させるものではないから、不動産所得の必要経費に算入される。
  乗入側溝改修工事に係る費用は、支出の効果がその支出の日以後1年以上に及
 ぶものであり、請求人が便益を受ける公共的施設の設置又は改良のために支出す
 る費用に該当することから、繰延資産に該当し、その償却費は、必要経費に算入
 すべきである。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 J102-2-04


TAINSメールニュース No.280 2016.9.29 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
  キーワード「マイナンバー」から
   「個人番号関係事務における特定個人情報等の適切な取扱いについて(平成
  27年10月5日 官人5-27 事務運営指針)」を収録
   内容は、下記のとおりです。
  Ⅰ 総論
   1 用語の定義 2 個人番号関係事務の範囲
   3 特定個人情報等の範囲
   4 特定個人情報等の管理段階
   5 その他法令等の遵守
  Ⅱ 個人番号関係事務における特定個人情報等の取扱い
   1 取得する段階 2 利用する段階
   3 保存する段階
   4 廃棄又は削除する段階
  Ⅲ 個人番号関係事務における事務手続
   1 源泉徴収票等作成事務 2 支払調書等作成事務
   3 雇用保険等関連事務 4 年金関係事務 5 共済組合関係事務
  Ⅳ 特定個人情報等の取扱いに関する研修の実施
  Ⅴ 委託先の監督等
  Ⅵ 安全確保上の問題への対応
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 マイナンバー ………………→ 28件
                マイナンバー 事務手続……→ 1件
                              (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:市野瀬 啻子)
 相続開始後に認知された者の支払請求/民法910条の遺産の価額算定の基準時
 (平28-02-26 最高裁 棄却・確定 Z999-5346)
 
  本件は、相続開始後の認知によって相続人となった上告人が、既に遺産分割を
 していた他の相続人に対し、民法910条に基づく価額の支払を求めた事案であ
 り、同条の定める価額の支払請求をする場合における遺産の価額算定の基準時及
 び遅延損害金の起算日が争われています。遺産の評価額は下記のとおりです。
 ① 遺産分割時(平成19年6月25日)    17億8670万3828円
 ② 上告人の支払請求時(平成23年5月6日)  7億9239万5924円
 ③ 本件訴訟における第1審口頭弁論終結時
           (平成25年9月30日) 10億0696万8471円
 
  相続の開始後認知によって相続人となった者が他の共同相続人に対して民法9
 10条に基づき価額の支払を請求する場合における遺産の価額算定の基準時は、
 価額の支払を請求した時であると解するのが相当である。そうすると、本件の価
 額算定の基準時は、上告人が価額の支払を請求した日である平成23年5月6日
 (上記②)ということになる。
  民法910条に基づく他の共同相続人の価額の支払債務は、期限の定めのない
 債務であって、履行の請求を受けた時に遅滞に陥ると解するのが相当であるから、
 遅延損害金の起算日は、上告人が請求した日の翌日ということになる。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z999-5346


TAINSメールニュース No.279 2016.9.15 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
(1)税務雑誌目次検索で最新の税務情報を!
  TAINSにログインしたら、画面左側を注目してください。上から二番目の
 「雑誌目次の検索条件設定」をクリックします。
 
  入力窓に何も入力せず「検索」をクリックすると、約92、000件もの、税
 務雑誌目次情報の中から最新の項目を、50件、知ることができます。
 
(2)読みたい雑誌に絞ってみましょう!
  例えば、「税理」を選択すると、税務雑誌目次検索システムに収録されている
 「税理」の最新号の目次だけを読むことができます。
 
(3)執筆者の肩書で絞ってみると?
  ここで、肩書欄に「教授」と入力すると「教授」「准教授」「名誉教授」等の
 肩書を持つ方々が、どの雑誌の最新号にどのような記事を書かれているかを知る
 ことができます。
  もちろん、「弁護士」、「公認会計士」、「税理士」、「司法書士」などと入
 力すると、それらの肩書の方々が税務雑誌に執筆された最新の情報を知ることが
 できます。
  また、「士」と入力して「検索」ボタンをクリックすると「不動産鑑定士」、
 「司法書士」、「行政書士」、「税理士法人」などのさまざまなサムライ業に属
 する肩書を持つ執筆者による雑誌目次の最新情報を知ることができます。
                              (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:藤原 眞由美)
  課税仕入れを行った日/コンピュータプログラムの引渡しを受けた日
 (平27-10-07 非公開裁決 一部取消し F0-5-155)
 
  本件は、請求人が、ソフトウエア開発会社に委託したプログラム開発業務に係
 る支払金額を課税仕入れに係る支払対価の額に含めて消費税等の確定申告をした
 ところ、原処分庁が、その開発業務は当課税期間内に完了していないとして更正
 処分等を行ったのに対し、請求人が、当課税期間内に完了しているなどとして、
 これらの処分の全部の取消しを求めた事案です。主な争点は、本件開発業務に係
 る支払金額が仕入税額控除できるか否か及びその業務に係る目的物の全部の完成
 及び引渡しに関して、事実の隠ぺい又は仮装があったか否かです。審判所は、次
 のように判断し、重加算税の賦課決定処分については一部を取り消しました。
 
  平成25年3月31日を納入日付及び検収年月日と記載した納品書等が存在す
 るものの、開発業務に係る委託プログラムのうち8件の機能に係る委託プログラ
 ムの納品が平成25年4月1日以後に行われたと認められ、開発業務に係る支払
 金額は課税期間の課税仕入れに係る支払対価の額に含まれない。
  平成25年3月31日時点で、請求人に代わって開発業務に係る実務上の作業
 を行っているプロジェクトリーダに、委託プログラム全ての配信が完了せずに検
 収ができる状況でないとの認識があったとは認められず、他に開発業務の目的物
 の全部の引渡しに関して請求人が事実を隠ぺい又は仮装したと評価できる客観的
 証拠も認められず、請求人が、事実を隠ぺい又は仮装したとは認められない。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 F0-5-155


TAINSメールニュース No.278 2016.9.8 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
(1)判決・裁決の収録件数
  本日、午前9時現在、判決・裁決の収録件数は、下記のとおりです。
 
        件数     うち全部取消し  うち一部取消し
   判決 11,840件    554件     771件
   裁決  4,068件    583件   1,163件
  ----------------------------------------------------------
    計 15,908件  1,137件   1,934件
  =============================
 
(2)「国税庁職員矯正措置規程」を収録
  TAINS会員から、開示請求のご要望があった『平成25年12月19日
 国税庁訓令第19号「国税庁職員矯正措置規程」』を収録しました。
  内容は、下記の6条と附則から成っています。
 
  第1条 趣旨         第2条 非違行為
  第3条 矯正措置の目的    第4条 矯正措置ができる場合
  第5条 矯正措置権者     第6条 矯正措置の形式
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】矯正措置…………→ 1件   (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:岩崎 宇多子)
  歩道状空地の「私道の用に供されている宅地」評価の該当性
 (平28-01-13 東京高裁 棄却・上告等 Z888-2003)
 
  控訴人らが、相続により取得した各土地の一部(各歩道状空地)につき、評価
 通達24に定める私道の用に供されている宅地(私道供用宅地)として価額算定
 をし、相続税の申告をしたのに対し、処分行政庁が、上記一部は私道供用宅地に
 は該当せず、貸家建付地として評価すべきとして、更正処分等をしたことから、
 控訴人らが、処分取消しを求めて提訴しましたが、原審の東京地裁が控訴人らの
 請求をいずれも棄却したので、控訴人らが控訴した事案です。
 
  裁判所は、原判決は相当であり、本件控訴はいずれも理由がないとして原判決
 を引用するとともに、次のように原判決を補正し、棄却しました。
  なお、控訴人は、上告及び上告受理申立てをしています。
 
  本件各土地は、いずれも公道に接しているのであり、本件各歩道状空地は、接
 道義務を果たすために設けられたものではない。したがって、本件各歩道状空地
 の利用について、私道としての建築基準法上の利用制限が課されることになるわ
 けではない。また、利用形態の変更が制限されていない本件各歩道状空地は、控
 訴人らの主観的事情によって左右されるものではない。
  控訴人らは、本件各歩道状空地を除いても建物を建てることができることを理
 由として、本件各歩道状空地が上記価値を有することを否定する主張をするが、
 本件各歩道状空地が建物敷地としての役割を果たしており、それに相応する価値
 を現に有していることは明らかであるから、控訴人らの主張は採用できない。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z888-2003


TAINSメールニュース No.277 2016.9.1 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
(1)税務訴訟資料264号は収録済み
  平成26年中に言い渡された税務訴訟資料264号の収録が完了しました。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 ★税資264号……→202件
 
(2)税務訴訟資料264号中の全部取消事案
  税務訴訟資料264号のうち、課税処分の全部が取り消された事案の検索方法
 は下記のとおりです。
 ≪検索方法≫
 ログインしたら画面左の下の「TAINSキーワード詳細検索」を選びます。
 【キーワード】 ★税資264号 全部取消し……→ 9件
 
 H26-08-28東京地裁  Z264-12520 移転価格税制
 H26-05-09東京地裁  Z264-12469 IBM事件
 H26-04-24名古屋地裁 Z264-12462 架空外注費
 H26-01-24東京地裁  Z264-12394 寄附金/売上値引
 H26-12-11名古屋高裁 Z264-12574 架空外注費
 H26-08-29東京高裁  Z264-12523 住宅ローン債権の譲渡
 H26-01-30広島高裁  Z264-12402 納税の告知/認定賞与
 H26-09-11東京高裁  Z264-12526 定期金給付契約
 H26-02-18東京地裁  Z264-12411 不課税取引
                              (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:小菅 貴子)
  重加算税/被相続人の同族会社に対する貸付金を減少させる協議の有無
 (平27-10-01 公表裁決 一部取消し J101-1-01)
  本件は、相続人である請求人が、相続の開始前に、自らが実質的に経営する同
 族会社における被相続人からの借入金の帳簿上の残高を、同社における価値のな
 い資産等と相殺させることにより減少させる仕訳を行い、仕訳により減少させた
 後の帳簿上の借入金の残高を被相続人の同族会社に対する貸付金の額であるとし
 て相続税の期限後申告をした後、貸付金の額に誤りがあったなどとして修正申告
 をしたところ、原処分庁が、請求人は、根拠となる私法上の行為が存在しない仕
 訳を故意に行ったとして重加算税の賦課決定処分をしたことに対し、請求人が、
 仕訳は被相続人と協議の上で行ったものであるから、事実を仮装したものではな
 いとして、賦課決定処分のうち過少申告加算税相当額を超える部分の取消しを求
 めた事案です。審判所は次のとおり判断して、上記処分の一部を取り消しました。
 
  請求人は、被相続人と協議していない旨の自らに不利な事実を認める答述もし
 ており、仕訳ごとに区別して答述している様子が窺える等のことから、請求人と
 被相続人との間で請求人が答述するような協議があった可能性を十分に認めるこ
 とができることを前提にすると、当該各仕訳の一部は、被相続人からの借入金の
 額を減少させるという被相続人の意思に基づき行われた可能性が十分に認められ
 ることになり、そうすると、当該各仕訳に係る請求人の行為は、本件相続税の課
 税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実を隠ぺいし、故意に脱漏し、あ
 るいは故意にわい曲したものであるとまでは認めることができない。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 J101-1-01


TAINSメールニュース No.276 2016.8.25 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
(1)税務訴訟資料264号を収録中
  平成26年中に言い渡された税務訴訟資料264号を収録中です。
 
 ≪検索方法≫
 ログインしたら画面左の下の「TAINSキーワード詳細検索」を選びます。
 【キーワード】Z264-*……→190件
 
(2)税理士退職慰労金請求事件を収録
  税理士法人の社員であった税理士の退職慰労金請求事件を収録しました。
  この事件は、原告税理士が、被告である税理士法人に対して、退職慰労金の支
 払と、出資持分の払戻等の支払を求めたという事案です。
 
  争点は、次の2点です。
  ・原告の被告に対する出資金払戻請求権の有無
  ・相殺の抗弁の成否
 
  東京地裁は、被告の社員であるDが作成した「提案書」に基づき、本件合意書
 第6項が税理士法の各条項及び税理士監理官の指示事項に反することを前提とす
 る公序良俗違反、錯誤、実現不可能である旨の被告の主張は、すべて理由がない
 として、退けました(平28-01-29)。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】Z999-0164……………………→  1件
                              (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:草間 典子)
  常勤の監査役に対する役員給与/不相当に高額な部分の金額の判断基準は!
 (平26-07-29 非公開裁決 棄却 F0-2-605)
 
  質屋業を営む審査請求人が、平成21年3月期から平成24年3月期までに損
 金の額に算入した常勤監査役の役員給与について、原処分庁が不相当に高額な部
 分の金額があるとして法人税の更正処分等を行ったことから、請求人がその処分
 の取消しを求めた事案です。請求人は、監査役は実質的に取締役と同様の職責を
 担っており、役員給与は取締役の給与として判断されるべきと主張しましたが、
 審判所は、次のように判断をし、請求を棄却しています。
 
  「不相当に高額な部分の金額」の前提となる適正役員給与額の判断要素は、そ
 の監査役の職務の内容、請求人の収益及びその使用人に対する給与の支給の状況、
 類似法人の役員に対する給与の支給の状況等に照らして、検討する。
  本件監査役の職務の実態は、請求人の会計や取締役の職務執行に対する監査業
 務とは認められない。本件役員給与支給額は、平成20年3月期を基準とすると、
 請求人の収益が減少したにもかかわらず、いずれの事業年度においてもこれを上
 回る額となっており、収益の状況に比して高額であったと認めるのが相当である。
  本件役員給与支給額は、いずれの事業年度においても類似法人の監査役に対す
 る給与支給額の平均額を大幅に上回っており、法人税法第34条第2項に規定す
 る「不相当に高額な部分の金額」がある。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 F0-2-605


TAINSメールニュース No.275 2016.8.18 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
(1)税理士法違反行為Q&Aを収録
  本年8月、国税庁ホームページに掲載された「税理士法違反行為Q&A」を、
 収録しました。
 1.税理士の使命
 2.非税理士により行うことが禁止される税理士業務
 3.税理士が遵守すべき税理士法上の義務等と懲戒処分
 4.税理士法人が遵守すべき税理士法上の義務等と処分
 
  ≪検索方法≫
  【キーワード】税理士法違反行為 ☆2016年08月収録分……→1件
 
(2)判決速報5件を収録
  判決速報1391から1395までを収録しました。
  課税関係訴訟事件判決速報NO.1391 信義則/過去の申告相談
  課税関係訴訟事件判決速報NO.1392 出資持分の評価
  課税関係訴訟事件判決速報NO.1393 LPS/損益の帰属
  課税関係訴訟事件判決速報NO.1394 外国子会社合算税制
  課税関係訴訟事件判決速報NO.1395 源泉徴収義務者/非居住者
 
  ≪検索方法≫
  【キーワード】判決速報139*……………………→  5件
                              (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:依田 孝子)
  国家賠償請求~固定資産税の「住宅用地の特例」の適用漏れは違法と判断!
 (平27-10-26 東京地裁 一部認容 Z999-8363)
 
  原告の父(亡甲)は、固定資産税等の住宅用地の特例(地方税法349条の3
 の2・702条の3)が適用されるべき土地を所有していました。本件は、世田
 谷都税事務所長が平成11年度から平成21年度まで同土地に住宅用地の特例を
 適用しないで、固定資産税等の賦課徴収をしたことから、原告が国家賠償法1条
 1項に基づき、被告東京都に対し、過納付相当額の支払を求めた事案です。
  裁判所では、次のとおり判断し、亡甲は、違法な課税処分により、過納付によ
 る損害を被ったとして、損害額(1割過失相殺)の支払を認めました。
 
  地方税法の規定からすれば、被告担当職員は、納税義務者からの住宅用地の申
 告の有無にかかわらず、住宅用地の特例の適用要件の有無を調査し、同特例が適
 用される土地については同特例を適用し、固定資産税等の課税を行うべき職務上
 の義務を負っているというべきである。そして、世田谷都税事務所長が固定資産
 税等の課税処分にあたり、被告担当職員において、通常尽くすべき職務上の注意
 義務を尽くしていなかったものと認められる。
  したがって、世田谷都税事務所長の課税処分は、住宅用地の適用を前提とすれ
 ば固定資産税等の賦課徴収が認められない納税額を通知して徴収した点において、
 国家賠償法上違法であり、被告担当職員である世田谷都税事務所長に過失があっ
 たと認められる。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z999-8363


TAINSメールニュース No.274 2016.8.4 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
(1)次号メールニュースは8月18日に送信
  次週8月11日は「山の日」で休日のため、メールニュース275号は8月
 18日に配信いたします。
 
(2)税務訴訟資料264号を収録中
  税務大学校のホームページに公表された、平成26年1月~平成26年12月
 までの税務訴訟資料集264号202件は、順調に編集収録中です。
 
  http://www.nta.go.jp/ntc/soshoshiryo/kazei/2014/index.htm
 
  収録された税資264号の判決を検索する方法は、下記のとおりです。
 ・ ログインしたら画面左の下の「TAINSキーワード詳細検索」を選びます。
 ・ 次に、入力窓に下記のとおり入力します。
 
  ≪検索方法≫ 【キーワード】★税資264号……………………→114件
 
(3)士業に対する損害賠償請求事件が159件に
  税理士、弁護士、司法書士等の「士業」に対して専門家責任を問う損害賠償請
 求事件や報酬に関するトラブルが訴訟に発展した事例が150件を超えました。
 
  ≪検索方法≫ 【キーワード】*士損害賠償…………→159件
                              (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等         (税法データベース編集室:朝倉 洋子)
 税理士損害賠償/医療法人設立時に税務上有利となる資本金額に設定すべき義務
 (平27-05-28 東京地裁 一部認容・一部棄却 Z999-0157)
 
  この事件は、医療法人である原告設立の際、原告代表者であるAが、当時自身
 の顧問税理士であった被告との間で、その設立手続の一部を被告が行う旨の契約
 を締結したことに端を発する事案です。原告は、被告税理士が、原告設立時に原
 告の資本金を設立後2期分の消費税の免除を受けられるなど税務上有利とするた
 めに、1000万円未満とするよう、Aに指導すべき義務があったにもかかわら
 ず、これを怠り、原告に設立後2期分の消費税を支払わせるなどの税務上の損害
 を与えたとして、その賠償を求めたという事案です。
 
  原告の設立の主な目的は節税であったことが認められ、そうであるとすれば、
 Aから相談を受け、設立手続の一部に協力する旨の本件契約を締結した被告とし
 ては、その目的に沿うよう、Aに対し、資産総額についても正しく説明・指導す
 る義務があったと認められる。しかしながら、被告は、消費税については、2期
 分の免除の適用はない旨、誤った認識に基づく回答をし、設立の際に正しい説明
 をしたことや、Aの強い希望で資本金額を1億円以上としたことについては全く
 触れなかったことが認められる。
  原告は、被告の誤った税務指導により、免除されるはずであった2期分の消費
 税を支払うことになったものであり、その額は、1574万8300円であるこ
 とが認められる。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z999-0157


TAINSメールニュース No.273 2016.7.28 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
(1)判決速報4件を収録
   東京国税局 課税第一部国税訟務官室発信の判決速報です。
 ・判決速報1379 平成28年2月9日判決 国側勝訴(上告受理申立て)
  訪日ツアーを主催する海外の旅行会社に対して日本国内部分の旅程に係る役務
  を提供する取引は、輸出免税とはならない!とされた事例
 
 ・判決速報1380 平成28年2月17日判決 国側敗訴(上告受理申立て)
  債務が免除されたことによる経済的利益(債務免除益)の所得区分
 
 ・判決速報1381 平成28年2月18日判決 国側勝訴(相手側控訴)
  相手側が計上した商業ビルの譲渡原価は架空のものであり、損金として主張す
  る簿外の経費及び貸倒損失はいずれも存在したとは認められないとされた事例
 
 ・判決速報1384 平成28年2月29日判決 国側勝訴
  法人税法132条の2(組織再編成に係る行為又は計算の否認)にいう「法人
  税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」の意義
 
(2)税務訴訟資料第264号を収録中
  税務大学校のホームページに公表された税務訴訟資料集第264号を、引き続
 き、編集・収録中です。
  http://www.nta.go.jp/ntc/soshoshiryo/kazei/2014/index.htm
                              (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:大高 由美子)
  文書提出命令一部認容/税務職員の「職務上の秘密」の範囲
 (平26-04-21 福岡地裁 一部認容・却下 Z264-12456)
 
  申立人(基本事件原告)が、税務調査の際の申立人及び甲ら申立人の家族と税
 務調査の担当者である乙とのやり取りの内容及び調査状況等を明らかにするため
 に証拠調べが必要であるとして、民事訴訟法220条4号に基づき、文書1「個
 人課税部門重要事案審議会審議表(付表)」・文書2「調査経過等の報告事項」
 ・文書3「調査事績・事項等兼チェックシート」・文書4「担当者自身が自らの
 備忘を目的として記録したメモ」の提出を求める文書提出命令申立の事案です。
 
  民訴法220条4号ロにいう「公務員の職務上の秘密」とは、公務員の所掌事
 務に属する秘密だけでなく、それが基本事件において公にされることにより、私
 人との関係が損なわれ、公務の公正かつ円滑な運営に支障を来すこととなるもの
 も含まれると解すべきである。
  文書1・2はその提出により税務行政の適正な執行に著しい支障を生ずる具体
 的おそれがあるというべきであり、同号ロに該当し、文書4は同号ニ所定の「専
 ら文書の所持者の利用に供するための文書」に該当するから、申立人の主張は採
 用できない。
  相手方は、文書3のうち、事前通知欄の「指示内容」を除く部分、現況調査欄
 の「指示」部分を除く部分、借用簿書記録欄の提出義務を負う。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z264-12456


TAINSメールニュース No.272 2016.7.21 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
(1)緊急メンテナンスによるサービス停止について
  先日実施したシステム改修に対する追加改修のため、下記の日程でメンテナン
 スを行います。会員の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご理解の程宜しく
 お願い申し上げます。             (システム部長:髙橋 誠)
 
  日時:平成28年7月25日(月)18:00~18:30まで
      作業時間帯はすべてのご利用ができません。
 
(2)キーワード「☆2016年○○月収録分」
  TAINSに最近収録された情報のみを検索する方法は、期間を指定すること
 も可能ですが、キーワード1個で最新収録情報を検索することもできます。
 
  例えば、「☆2016年07月収録分」と入力してみましょう。
  このキーワードで検索すれば、その月に収録された最新の情報を知ることがで
 きます。
  判決  48件 Z264-12421 同族会社に支払った業務委託料など
  裁決   6件 F0-1-582 駐車場賃貸料/重加算税など
  個別通達 6件 熊本地震関連法令解釈通達など
  相談事例 2件
  ・国税庁ホームページに公表された最新の熊本地震に関する質疑応答事例
  ・大阪国税局WAN質疑応答事例検索システムの「登録免許税関係」ほか
   この情報は、「原本へ」に収録されています。      (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:市野瀬 啻子)
  所得区分/職務発明の対価として受領した和解金は雑所得
 (平26-04-10 大津地裁 棄却・控訴 Z264-12448)
 
  本件は、原告が、勤務先から職務発明の対価として平成21年1月8日に受領
 した和解金が平成20年分の雑所得に該当するとして更正処分を受けたことから、
 上記和解金は長期譲渡所得に該当すると主張して提訴した事案です。
  大津地裁は、権利移転の機会に、そのことに基因して生ずる権利が確定し実現
 した所得は譲渡所得に該当するが、権利が確定しておらず、いまだ実現していな
 い所得は譲渡所得に該当しないとして次のように判示しました。
 
  本件和解金は、職務発明に係る特許法35条3項の「相当の対価」として支払
 われたものであり、その支払請求権は、特許を受ける権利を承継させたときに発
 生するものの、その時点で、特許出願されるか否かは不明確であり、使用者等が
 受けるべき利益を確定することも困難であるから、具体的な金額が確定している
 もの以外は、権利移転の機会に確定し、実現した所得ではないということになる。
  本件特許を受ける権利は、平成3年2月に、A社に承継されたことが認められ、
 和解金は、平成20年11月に、その内容及び金額が確定したことから、和解金
 は、特許を受ける権利の承継後である同日の和解成立時に、相当の対価の支払請
 求権が具体化することによって実現した所得と認められる。したがって、本件和
 解金は、譲渡所得には該当しないというべきである。
 
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z264-12448


TAINSメールニュース No.271 2016.7.14 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
(1)サービス停止のお知らせ
  下記の日程でシステム改修に伴う臨時メンテナンスを行います。会員の皆様に
 はご不便をおかけいたしますが、ご理解の程宜しくお願い申し上げます。
                        (システム部長:髙橋 誠)
  日時:平成28年7月16日(土)9:00~19:00まで
  作業時間帯はすべてのご利用ができません。
  また、7月17日(日)~7月18日(月)は、今回のシステム改修に伴う検
  証作業を実施するため、正確に作動しない可能性があります。
  *今回のシステム改修による主な改善点につきましては、トップページの「サ
  ービス停止のお知らせ」に掲載しております。
 
(2)税務訴訟資料第264号を収録中
  税務大学校のホームページに、公表された平成26年1月~平成26年12月
 までの税務訴訟資料集第264号の202件を編集・収録中です。
  http://www.nta.go.jp/ntc/soshoshiryo/kazei/2014/index.htm
 
  収録された税資264号の判決を検索する方法は、下記のとおりです。
 ・ ログインしたら画面左の下の「TAINSキーワード詳細検索」を選びます。
 ・ 次に、入力窓に下記のとおり入力します。
   ★税資264号…………………………→30件      (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:藤原 眞由美)
  賃借建物に対する造作の「固定資産除却損」の「損金算入時期」
 (平27-11-30 公表裁決 全部取消し J101-3-07)
 
  本件は、エステティックサロンを営む請求人が、平成25年2月期の事業年度
 (以下「本件事業年度」という。)において、賃借建物に対する造作(建物附属
 設備)の除却損(628万余円)を損金の額に算入して法人税の申告をしたとこ
 ろ、原処分庁が、当該固定資産は本件事業年度前に売却されているため、損金の
 額に算入することはできないとして、本件事業年度の法人税の更正処分等を行っ
 たことから、請求人がその全部の取消しを求めた事案です。なお、本件建物は、
 家屋番号が異なる本件建物1と本件建物2が合体した建物です。
  審判所は、次のように判断し、原処分の全部を取り消しました。
 
  固定資産の除却損については、法人税法第22条第3項により当該固定資産を
 除却した日の属する事業年度の損金の額に算入すべきであり、本件2階改装部分
 は、本件建物1と別個の造作であって、本件建物がH社に売却された平成24年
 10月29日に請求人がその所有権を放棄し、H社にその後の処分を委ねたもの
 と認められるのであるから、本件除却損の額は、本件事業年度の損金の額に算入
 すべきこととなる。
  本件建物1の売買契約において、現状有姿で引き渡すというのも、賃借人が所
 有する造作もそのままの状態で引き渡すということであり、そのような造作が新
 所有者の所有権の行使を阻害するものということはできない。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 J101-3-07


TAINSメールニュース No.270 2016.7.7 発行(社)日税連税法データベース


【1】今週のお知らせ
(1)サービス停止のお知らせ
  下記の日程でシステム改修に伴う臨時メンテナンスを行います。会員の皆様に
 はご不便をおかけいたしますが、ご理解の程宜しくお願い申し上げます。
                        (システム部長:髙橋 誠)
  日時:平成28年7月16日(土)9:00~19:00まで
  作業時間帯はすべてのご利用ができません。
  また、7月17日(日)~7月18日(月)は、今回のシステム改修に伴う検
  証作業を実施するため、正確に作動しない可能性があります。
  *今回のシステム改修による主な改善点につきましては、トップページの「サ
  ービス停止のお知らせ」に掲載しております。
 
(2)税務訴訟資料第264号を収録中
  税務大学校のホームページに、税務訴訟資料集第264号の202件が公表さ
 れました(平成26年1月~平成26年12月まで)。現在、編集・収録中です。
  http://www.nta.go.jp/ntc/soshoshiryo/kazei/2014/index.htm
  内訳は、下記のとおりです。
   所得税法   85件
   法人税法   68件
   相続税法   40件
   消費税法    7件
   その他国税   2件                 (朝倉 洋子)


【2】今週の判決等        (税法データベース編集室:岩崎 宇多子)
  税務書類作成後の税務代理契約解除による税理士報酬の発生の有無
 (平26-01-23 東京地裁 一部認容 Z999-0214)
 
  税理士である原告が、被告から、被告の両親それぞれの相続に関し、各相続税
 申告業務を委任されこれを履行したとして、被告に対し、税理士報酬の支払を求
 めましたが、被告は、委任契約は終了前に解除したので、税務書類の作成のみで
 は税務代理報酬は発生しないとして争った事案です。
  争点は、本件申告書1(被告の母の相続税申告)及び本件申告書2(被告の母
 死亡後約3か月後に死亡した被告の父の相続税申告)に基づく税理士報酬の有無、
 税務書類作成に係る税理士報酬の消滅時効です。
  裁判所は、次のように判示し、本件は確定しました。
  当初から税務代理を対象にしていた委任契約が何らかの事情で中途終了に至っ
 た場合に、税務書類作成報酬とは別に税務代理報酬までを発生させるべきか否か
 は、その終了に至った事情に着目して当事者の合理的意思を判断すべきであると
 ころ、税務代理の委任における本来の主要部分であるはずの申告の代理について
 これを履行しないという選択肢を原告自らが示したものであることや、原告本人
 もこの時点で税務代理報酬については明確に意識していなかったかのような供述
 をしていることを踏まえれば、当事者間の合理的意思として、被告が解除を選択
 した場合にはもはや税務代理報酬は発生させないものとする旨の合意が前提とな
 っていたものとみるのが相当である。
  原告が被告に対し、通知による解除時点における履行割合として請求できるの
 は、本件申告書1に関する税務書類作成報酬の全部となる。
 ≪検索方法≫ 【キーワード】 Z999-0214